Gemini 2.5 Proに実験的な強化推論モード「Deep Think」が追加される – GIGAZINE

2025年5月21日から開催されている年次開発者向け会議のGoogle I/O 2025で、Googleが「Gemini 2.5 Pro」の新機能および「Gemini 2.5 Flash」の強化を発表しました。

Google I/O 2025: Updates to Gemini 2.5 from Google DeepMind
https://blog.google/technology/google-deepmind/google-gemini-updates-io-2025/

Google DeepMindの公式X(旧Twitter)アカウントは2025年5月21日の投稿で、「2.5 ProのDeep Thinkが登場しました。これは、並列思考技術の研究を用いた新しい強化された推論モードで、応答する前に複数の仮説を検討します。これにより、信じられないほど複雑な数学やコーディングの問題をより効果的に処理することができます」と発表しました。

Googleによると、Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは現行で最も難しいものの1つとされる数学ベンチマークの2025 USAMOで49.4％のスコアを獲得したとのこと。また、コーディング能力のベンチマークであるLiveCodeBenchでは80.4％、マルチモーダル推論テストのMMMUでは84％と、どの指標でも通常のGemini 2.5 Proモデルなどと比べて最も高いパフォーマンスを示しました。

Googleの製品管理担当シニアディレクターのタルシー・ドシ氏は、「2.5 Pro DeepThinkは、まさに最先端技術の領域です。そのため、より多くの最先端安全性評価を実施し、安全性の専門家からさらなる意見を得るために、より多くの時間をかけます。その一環として、一般公開前に信頼できるテスターの皆様にGemini APIを通じて提供し、フィードバックしていただく予定です」と述べました。

同時に、GoogleはGemini 2.5シリーズの高コスト効率モデルであるGemini 2.5 Flashの性能を強化したことを発表しました。

性能比較では、Gemini 2.5 Flashのプレビュー版が推論やコーディングなどのほとんどのベンチマークで従来モデルを上回る成績を収めたことや、特にコストパフォーマンスに秀でていることが示されています。発表によると、今回の強化によりGemini 2.5 Flashのトークン使用量は20～30％削減されているとのこと。

強化されたGemini 2.5 Flashは、開発者向けのGoogle AI Studio、エンタープライズ向けのVertex AI、そして全ユーザー向けのGeminiアプリでプレビュー版が利用可能で、2025年6月上旬には正規版として一般提供が開始される予定です。