まさか、Geminiはマスターボールをポッポに使ったりしてないよな……?

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GoogleはI/Oイベントの大半を
Geminiの新機能アピールに費やしたが、CEOのスンダー・ピチャイ氏がしれっと発表したもうひとつの衝撃的な成果がある。それは、Gemini 2.5 Proがなんと『ポケットモンスター青』(ポケモン青)をクリアしたということだ。
『ポケモン青』といえば、筆者が7歳のころ、初代ゲームボーイに夢中になってプレイした思い出の作品だ。初めて電源を入れたあの日の興奮は忘れられない。カントー地方を巡りながらジムバッジを集め、小さくてかわいい相棒たちが徐々に強大でカッコいい姿へと進化し、属性技を派手に放つ瞬間には胸が高鳴ったものだ。
だからこそGeminiがこの『ポケモン青』を制覇したと聞いて、思わず童心に返って興奮してしまった。と同時に、「どんなプレイだったんだ?」といろんな疑問が頭を駆け巡ったのだ。
ピチャイ氏がX(元Twitter)で公開したGeminiのプレイ動画を観ると、その一部の疑問は確かに解消されたが、それ以上に新しい謎が湧いてきた。
Geminiが選んだ最初のポケモンは?
ゲーム開始直後に訪れる最も重要な選択、それが「最初のポケモン」だ。キミならどれを選ぶ? くさタイプのフシギダネ、ほのおタイプのヒトカゲ、それともみずタイプのゼニガメ? ピチャイ氏がXに投稿した動画を見る限り、Geminiはゼニガメの最終進化形であるカメックスを相棒にしていた。つまり、スタート時に選んだのはゼニガメで間違いないだろう。
ゼニガメは確かに頼れる相棒だ。だが、あえて言おう。「やっぱり御三家はヒトカゲ一択だろ?」 ……理由?そんなの、聞くだけ野暮ってもんだろう。
Geminiはどんなパーティで四天王に挑んだのか?
ゲーム内の全ジムを制覇すると、次に待ち構えているのが「四天王」だ。ご存知のとおり、カントー地方で最も強力なトレーナーたちがタイプ別に集結した最終関門で、彼らを倒すことで初めてポケモンリーグのチャンピオンになれる。
氷タイプ使いのカンナやドラゴンタイプ使いのワタルなど、四天王はそれぞれ特定のタイプを極めた猛者ぞろい。当然、勝つためにはバランスの取れた精鋭パーティを用意する必要があるはずだが、ピチャイ氏がXにアップしたスクリーンショットを見る限り、Geminiのパーティは驚くほどひどい出来だった。
動画から確認できたのは、レベル86のカメックス。レベルが高すぎて四天王戦にはやや反則気味だが、これはGeminiが最初に選んだ相棒だろうから、まだ許容範囲としよう。だが問題はここからだ。
残りのメンバーがまたすごい。レベル37のウツドンに、レベル9のズバット、レベル8のピカチュウ、レベル22のニドランメス、レベル15のオニスズメだ。
What a finish! Gemini 2.5 Pro just completed Pokémon Blue!  Special thanks to @TheCodeOfJoel for creating and running the livestream, and to everyone who cheered Gem on along the way. pic.twitter.com/E2pn3tpfEb
— Sundar Pichai (@sundarpichai) May 3, 2025
……いや、いくらなんでもこれはひどすぎないか? 四天王のポケモンはだいたいレベル55〜65。つまり、まともに戦えるのはカメックスだけで、他のメンバーは事実上ただの「数合わせ」だ。この状況なら、カメックスは完全に過労状態。甲羅にヒビが入っても不思議じゃない。Geminiよ、頼むからもう少し相棒の負担を考えてやってくれ……!
Geminiは結局何匹ポケモンを捕まえたのか?
ピチャイ氏の投稿によると、Geminiが図鑑に登録したポケモンは151匹中26匹だという。ポケモン図鑑は、ポケモンを捕獲するか進化させるかでしか埋まらないため、Geminiは合計26匹をゲットもしくは進化させたことになる。
まずゼニガメからカメール、カメックスへの進化で3件。ウツドンがいるので、その前のマダツボミからの進化を含めて計5件。残りの手持ちメンバーを足すと、これで合計9匹ぶんの図鑑登録が判明した。
つまり、残りの17匹はボックスの中で眠っているというわけだ。Geminiがどんなポケモンを捕まえたのかは定かではないが、序盤でよく出会うポッポやキャタピー、あるいはイシツブテあたりが入っている可能性は高いだろう。というか、このメンバー構成を見る限り、Geminiは目の前に現れたポケモンに片っ端からボールを投げていたような気がしてならない。
Geminiは伝説のポケモンを捕まえたのか?
『ポケモン青』には、ご存知のとおり3羽の伝説の鳥ポケモン――フリーザー、サンダー、ファイヤーが登場する。そこら中で無限に出現するポッポとは違い、伝説の3鳥はゲーム内でそれぞれ一度しか出会えない超レアなポケモンだ。図鑑完成を目指すトレーナーにとっては絶対に捕まえたいところだが、Geminiのレベル86カメックスを見るに、どうも嫌な予感が拭えない。
おそらくGeminiは、特に深く考えもせずこの伝説の鳥たちを片っ端から倒してしまったのではないだろうか。カメックスが水タイプのため電気タイプのサンダーには少し苦戦し、氷タイプのフリーザーにもそれなりに苦労したかもしれない。だが、ほのおタイプのファイヤー対しては、カメックスは容赦なく「ハイドロポンプ」を浴びせて瞬殺したに違いない。不憫な炎の鳥には同情を禁じ得ない。
ミュウツーはどうなった?
言わずと知れた最強のポケモン、ミュウツー。しかしGeminiは、まだミュウツーには遭遇していないらしい。ミュウツーが潜むハナダの洞窟には、四天王を倒してチャンピオンにならないと入れない仕組みだ。ピチャイ氏が投稿した動画を見る限り、Geminiは無事にチャンピオンになったものの、そこから先には進んでいないようだ。
つまりミュウツーは今もあの洞窟の奥深くで、「Geminiはいつ来るんだ?」と暇を持て余していることになる。
Geminiはマスターボールを何に使った?
マスターボールは、どんなポケモンでも必ず捕まえられる特別なボールだ。普通は高レベルや伝説ポケモンに使うのが定番。子どもの頃の僕も、ミュウツーを捕まえるのに使った。
だが、ここまでのGeminiを見るに、マスターボールの価値を分かっているか怪しい。もし使ったなら、低レベルのコラッタやコイキングに投げていそうだ。たぶん、手に入れた直後に目の前に出たポケモンへ、反射的に投げたのだろう。
Geminiは800時間も何をしていたのか?
Googleの発表によると、Geminiが『ポケモン青』をクリアするまでに約800時間かかったという。ゲーム攻略サイト「How Long to Beat」では、普通にストーリーを終えるのに26時間前後、図鑑コンプまで含めても101時間程度とされている。つまりGeminiは、全コンプに必要な時間の約8倍を費やして、やっとエンディングにたどり着いたわけだ。
何をしていたのか正確には分からないが、ジム間の移動で迷子になったのかもしれない。レベル差が激しいカメックス頼みの戦法で、負けてはやり直しを繰り返した可能性も高い。四天王戦にどれだけ時間がかかったかは、想像するだけで恐ろしい。
四天王との戦いでGeminiがどれほど苦労したか、正直考えたくもない。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
🧠 編集部の感想:
GoogleのGeminiが『ポケモン青』をクリアしたというニュースには驚きましたが、プレイ内容にツッコミどころが多すぎますね。特に、低レベルポケモンの編成や800時間もかけた理由が気になるところです。それでも、Geminiの挑戦からはAIの可能性を感じさせられました。
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