
『Rise of Rebellion -地罰上らば竜の降る-』は、講談社クリエイターズキャンプの支援を受け、Hytacka氏が手掛けたアクションRPGです。元フロム・ソフトウェア所属であることや、企業の大きな支援を受けつつ高い目標を掲げていたこと、開発の模様をYouTubeなどで広く伝えながら進行していたことなどで、個人開発者としては大きな注目を集めた作品です。
“元フロム”の主張の通り、大筋の作風はいわゆるソウルライクであり、ハードな難易度を軸として何度も強敵へ挑み続ける構成となっています。
しかしながら、発売直後のSNS等における評価は芳しくありません。Steamの総合評価はこのレビューを執筆している時点で“賛否両論”となっており、これを受けた為か、開発者のHytacka氏は発売後1週間にしてYouTube配信上で「爆死である」との自己評価を下すこととなってしまいました。
そんな本作は、長い開発期間の中で様々なゲーム外の話題性が絡むこととなりました。集まった評価に関しては、純粋にゲーム性への言及に留まらず、Hytacka氏の活動を総括するような性質を帯びたものが多く存在しているのも事実です。
そこで、本レビューでは“定価1,200円で発売された高難易度アクションRPG”としての本作を、可能な限りフラットな視点で楽しみ、分析を試みることにしました。
筆者は過去に、『SEKIRO』や『エルデンリング』のGame*Sparkレビューを担当しています。アクションゲームはそれほど得意な方ではありませんが、その時の経験を活かして、近いシステムを持つ本作への比較ができればと思います。
『地罰』プレイ環境

筆者はPCで3Dアクションゲームを遊ぶ際は、キーボード&マウスの設定を好んで使用します。『SEKIRO』や『エルデンリング』、『Hi-Fi Rush』といった作品でも同様でした。本作はそのゲーム性から、スタート画面でゲームパッドでのプレイを推奨する表示がされており、大半の読者の皆様に対しては、操作性の点で共有しがたいレビューとなってしまうことを、恐縮ながら予めご理解いただければと思います。
カウンター型アクションを軸にした高難度戦闘
単にソウルライクと言っても、これまでに登場した数々の作品には、それぞれ特徴的なシステムによって差別化が図られていました。本作『地罰』が持つ特徴は、“瞬間的に求められる選択肢の深さ”にあります。
本作も、いわゆるジャストガードやパリィのようなカウンター型アクションを連続させて活路を開いていくタイプの戦闘システムが中心となります。しかしながら、相手のモーションに対してタイミングさえ合っていれば良いというものではないのです。
まず必要とされるのは“ガード”。ガードボタンを押しっぱなしにしていれば、例えボスであろうとも、敵のほとんどの攻撃を無傷で受け止められます。しかしながら、この場合はスタミナを消費してしまい、ガードボタンを押しっぱなしで頼り切りにしていると、最終的にはガードが崩され無防備な状態に陥ります。
また、敵の攻撃の頻度は比較的高く、序盤の敵でさえガードだけでは攻略が厳しいのが実情です。つまり、ザコ敵であろうとも、攻撃モーションをしっかりと見極めて“カウンター型アクション”を成功させていく必要があるわけです。

そのもっとも基本となるのが“パリィ”の存在です。敵の攻撃タイミングに合わせてガードボタンを押すというシンプルなものですが、これが成功している限りはスタミナを消費することもないので、落ち着いて敵の攻撃を見極め、攻撃に転じるチャンスを探ります。
パリィの有効フレームも長めに設定されているので、気持ち早めにガードボタンを押しても想像以上に成功してくれます。何はともあれ、まずはパリィ。『地罰』の攻略はここからはじまると言って良いでしょう。これだけを聞けば、弾きシステムの『SEKIRO』と何が違うのかと思われるかもしれません。本作の特徴は“この先”にこそあります。
個別対応が必要な特殊攻撃の数々

大前提として、どの敵も通常攻撃とは別に異なる性質を持った攻撃を仕掛けてきます。
いわゆる強攻撃にあたる“重撃”(白いエフェクト)。
ガード不能攻撃にあたる“砕撃”(赤いエフェクト)。
「地罰」を発生させる特殊攻撃の“地奔り”(青く激しいエフェクト)。
地上では回避不能な“地均し”(青いエフェクトで地面をえぐるような攻撃)。
この4種の特殊攻撃のうち、パリィは重撃にしか通りません。つまり、敵の苛烈な攻撃の中に、砕撃、地奔り、地均しが混ざった場合は、パリィ以外でカウンター行動を取る必要が出てくるのです。
そして、それぞれの特殊攻撃へ適切にカウンター行動を取れた瞬間こそが、プレイヤーにとっての大きな逆転チャンスとなります。これが『地罰』に通じる鉄則なのです。これら4つのカウンター行動を詳しく見ていきましょう。
1.最も敵を不安定にさせるジャストパリィ

まずは白いエフェクトの“重撃”について。こちらはガード可能ですが、スタミナを大きく削られてしまうという特殊攻撃です。タイミングを合わせてガードボタンを押せば、スタミナを消費せずにパリィも可能ですので、慌てずにいなしていきましょう。
敵の攻撃を見極められない間は、パリィの失敗が重なることでダメージを受けたり、例えガードできたとしてもスタミナが削られて無防備な状態に陥ってしまいます。しかしながら、重撃に対して“ジャストパリィ”を成功できれば、一気にコンボを叩き込むチャンスが生まれます。
ですが、その方法が難しいのです。相手の攻撃方向に合わせたこちらの移動入力(前もしくは左右の3方向のいずれか)とともに、ガードボタンを同時押しする必要があります。つまり、ジャストパリィを成功させるためには、タイミングを合わせると同時に3択を迫られる訳です。
2.ジャスト回避も大事な反撃チャンス

次に、赤いエフェクトと共に繰り出されるのが“砕撃”です。こちらはガードもパリィも通用しないので、いつもの攻撃の流れにまかせて防御を続けていると、思わぬダメージを負ってしまいます。
この砕撃は大きく距離を取るか、“ジャスト回避”を行う必要があります。タイミングに合わせて回避ボタンを押すわけなのですが、こちらも正しい方向入力と共に行う必要があります。
ジャスト回避が成功すると虹色の成功エフェクトが発生します。成功後はこちらの攻撃が素直に通りやすい状態になっているので、ここぞとばかりにコンボを叩き込みましょう。
3.無敵技を打ち消す後出しジャンケンの“地奔り”

青いエフェクトとまといながら正面へ強力な一撃を発生させる“地奔り”。こちらも、ガードやパリィでは防げないので、警戒すべき攻撃となります。
しかも、タイトルにある「地罰」を発生させるための要素でもあります。プレイヤーを含む全てのキャラクターが、スタミナの切れた状態で地奔りを食らうと、白い爆発エフェクトと共に大ダメージを受けてしまうのです。その上、発生した「地罰」はその場に岩のような形で残り、重撃を当てることで強力な爆発ダメージを与えるギミックとして利用可能となります。
戦闘中、敵が至近距離で地奔りを繰り出してきた場合は、まず間違いなく被弾してしまいます。ほとんどの場合は範囲攻撃であり、ガードも、パリィも、そして回避も通用しないのです。唯一の対処法は「見てからこっちも地奔りを放つ」こと。成功すればこちらはダメージを負わず、相手へのカウンターとして作用します。
4.地面への攻撃はジャンプで回避 “地均し”

地奔りとよく似た見た目の、もう一つの特殊攻撃が“地均し”です。こちらは青いエフェクトに続いて、地面を破壊するようなタイプの攻撃となっています。必然的に、空中にいる間はダメージを受けないので、この攻撃の正しい対処法は“ジャンプ”ということになります。
地均しは隙の大きい攻撃となっているので、見極めることさえできれば、ジャンプでの回避と同時に空中攻撃によって反撃が可能です。
……と、ここまで4種の特殊攻撃に、その対応方法を紹介してきましたが、いかがでしょうか? 全然頭に入る気がしないんじゃないかと思います。実際のところは、それぞれ複雑な操作を要する訳ではありませんので、把握するのに時間はかかりません。ですが……。
択が、択が多すぎる……ッ!!

本作も、連なるソウルライクシリーズと同様にして、そもそも敵の攻撃モーションを覚えきるまでが大変なのは変わりません。すべてを反射神経だけでこなそうと思えば尋常ならざる集中力を長時間求められてしまうことになります。
いくら種類に応じたエフェクトが発生するとはいえ、後半の敵ともなれば目視だけを頼りに反応するのは至難の業です。それも、正しい方向入力も要するとあっては尚の事。敵の攻撃は全編を通して、何種類かの組み合わせでパターンを持っているので「この動きをしたなら、あの特殊攻撃が来るだろう」という予測で対応していくことになります。
それでも、それでも択が多すぎる!!
ここまでお読みの方はお気づきかと思いますが、そもそも覚えるだけでも大変な敵の攻撃モーションの中にあって、「通常攻撃か、重撃か、砕撃か、地奔りか、地均しか」をエフェクトで判別し、「パリィか、ジャストパリィか、ジャスト回避か、地奔りか、ジャンプか」を瞬時の判断で行い、しかも幾つかのカウンター行動には3種の内の正しい方向入力を要する訳です。
音ゲーのような攻撃タイミングのパリィをこなしながら、瞬間的に“多層の択”を迫られるというのは、どこか格闘ゲームめいたシビアさを思わせます。本作の評価が大きく分かれる点がここにあることは間違いなく、この厳しさによって脱落してしまうプレイヤーも多いことでしょう。
実際のところ、発売後すぐに当てられた(そしてHytacha氏によれば最後となる)アップデートで実装された“イージーモード”はカウンター行動の方向指定を不要とする設定でした。お恥ずかしながら、筆者は中盤に差し掛かる時点で「イージーモードをONにしなければレビューの為のクリアは無理だ」と判断せざるを得ませんでした。
言い訳がましくなりますが、筆者はアクションゲームが得意ではないとは言え、同じキーボード&マウスの条件で『SEKIRO』や『ELDEN RING』を一応クリアできているので、それ相応の厳しさであることはお伝えできるかと思います。
同時に感じる“ターン制バトル”のような縛り

ここまで、ひたすら防御面を語ってきましたが、これには理由があります。
本作の戦闘を真っ当に行う場合、どうしても受け身とならざるを得ません。序盤のザコ敵を除けば、プレイヤーが繰り出す攻撃はほとんどガードされてしまうからです。しかも、高確率でハイパーアーマー状態です。敵の攻撃モーションの間隙を縫うだけでは有効打とならない、そんな厳しさも兼ね備えています。
つまり、有り体に言えば“カウンター行動を成功させた後にしか攻撃のチャンスがない”とも言えるのです。もちろん100%そうであるとまでは言えないのですが、多くのプレイヤーは、敵の猛攻をパリィでしのいだり、距離を稼いだりしながら、いつかやってくる特殊攻撃に備え、カウンター行動を成功させるその瞬間を待ち続けることになるはずです。
そして、カウンター行動を成功させると、それが例え後半のボスであっても不自然なくらいにプレイヤーの通常攻撃が通るようになります。ただし“原則ワンコンボまで”なのですが。
この構造が、「お前のターン!お前のターン!お前のターン! そしてオレのターン!」といった、コマンド式ターン制バトルのような印象を残します。道中で覚えられる多くの技は、反撃のワンコンボの長さを伸ばすためのものであり、その条件が整っている間だけは、ラスボスであろうとも素直に攻撃を喰らい続けてくれるわけです。
探してみればハメ技のようなものが無いわけではないのですが……それはもう根本からゲームを否定しているような感じになってしまい、それこそ作業めいた戦闘で楽しくはなくなってしまうでしょう。
と、そのような感じで「格闘ゲームのCPU戦のようでありながら、ターン制コマンドバトルのようでもある」という不思議な戦闘システムが大枠のゲーム体験となるのではないでしょうか。
本能的な戦闘という意図は理解できる

高難易度アクションゲームと言えど、いずれは“覚えゲー”となってしまう。それは、多くの名作であっても逃れられない到達点ではあります。
制作者のHytacka氏が実際どのように想定していたのかはわかりません。ですが、モーションを覚えた上でさえ、ある程度の瞬間的な判断力を要する“択の多さ・深さ”が用意されているのは、Hytacka氏が目指した「世界一面白いアクションRPGをつくる」という目標へのアプローチなのだろうと想像できます。
それはおそらく、例えゲームであろうと人間の限界を常に模索するような、いわば動物的……“本能的な戦闘”を常に体験させようとしたのではないかと思わずにはいられないのです。敵の行動に応じて瞬間的に多くの選択から正しいものを見極め繰り出す戦闘という意味では、新生『DOOM』や『DOOM Eternal』の設計思想に近いものを感じます。
惜しむらくは、そのシステムは1対1の戦闘に特化したものとして構成されており、複数戦闘では理不尽さが簡単に上回ってしまう状態であったというところでしょうか。また、たとえボス戦のような1対1の戦いであっても、基本的には受け身から始めることになるという構造から、筆者は「せっかく攻撃の積極性が活きるシステムなのに、受動的な戦闘を強要されてしまう」と批判されがちな『DOOM Eternal』のマローダー戦を思い出していました。
前述で「択が多すぎる」と批判しましたが、新たに実装されたイージーモードによって、“択の深さ”をひと段階減らして攻略を楽しめます。実際のところ、このイージーモードが筆者にとっては絶妙で、ゲーム全体の学習曲線としても想像以上に重要な存在なのではないかと感じます。
カウンターのための方向入力を要することの難しさは、“正しい方向が見た目では分かりにくい”のも拍車をかけています。これは攻略というよりも理不尽さに傾いている様にも感じられ、イージーモードが想像以上にゲームを易しくする大きな理由です。
敵の理不尽さにイライラする場面もかなり多い作品ですが、ふと分かってしまえば急に倒せるようになる快感は健在で、その意味では不親切さはあれど不足はない、そのように評して良いアクション構成だと感じます。
無駄のない技の設計 豊富で質の高いモーション

1,200円の3Dアクションゲームとしては、攻撃モーションの豊富さと、練り込まれた動きは特筆に値します。武器種は片手剣、両手剣、両刃の剣、双剣(二刀流)、槍……と多く、それぞれコンボを拡張できる技を新たに10個近くは覚えられます。
この手のゲームで用意されている“技”は、どうがんばっても他の技と組み合わせづらく、なんのために用意されたのかわからないようなものが多かったりしますが、本作の技は特定のタイミングで“繋げて”使用することをハッキリと前提にした設計となっており、具体的な使用タイミングが技の説明欄で記されている程です。
単体の技で何発も攻撃判定を発生させるパターンも多く、モーションひとつとっても多様です。組み合わせによってはキャンセルで繋いだり、本来はつなげるのが難しい技と技の間を橋渡しするような、地味な動作だけど重要な技なんてものもあります。
これらの技を覚えていき、きちんと研究して最後までひとつのコンボとして繋げられるようになっておけば、想像以上に“ワンコンボ”の長さが伸びていきます。前述した「オレのターン!」で、ここぞとばかりにコンボを決められれば、高難易度系のアクションゲームとしては珍しい無双感を味わえることでしょう。
とはいえ、やはり我慢して自分の攻撃ターンを待つ色が強いゲーム性ですので、多くの技はあくまでもコンボを伸ばすための側面が強いのは否めません。この技を使えばある局面を打開できる!!といったものではないのです。
※一部の技は強敵をもハメてしまえるような性能を持っていますが、本作が個人開発であることを考慮すれば許容範囲内です。
批判されうる点は少なくない

本作は1本のゲームとして見れば、批判されてしまう点が多いのも事実です。
これまで解説してきた通り、ハードな戦闘を主軸にした設計を持つ本作ですが、言ってしまえばそれだけが中心に立っているゲームだとも言えます。
装備品は数種の武器種を開放するために一度拾うだけかので、敵を倒して収集したり、宝箱で入手したりするような更新性がありません。防具に至ってはシステムそのものがありませんし、アイテムもいくつかの回復アイテム程度のもので、本当に最低限でしかありません。
マップは探索性のある形で構成されており、ショートカットを開放することで次回からの利便性を得られるような、ソウルライクで見られる工夫が備えられてはいます。しかしながら、セーブポイントかつファストトラベル地点となる“地脈”が近い範囲に設置されているので、あまりショートカットを開放したうまみは感じられません。
また、探索性がある形状をしていると言っても、落ちているのはスキルポイントか回復アイテムくらいなので、「ここには何があるのだろう?」といったワクワク感は早晩なくなってしまいます。
攻略を進める上で、ストーリーを意識することはほとんどありませんでした。主人公は開始直後に突然登場して、一体何者なのか把握できないまま、以後特段の交流もなく最後まで走り抜くこととなります。フレーバーテキストを道中で拾うことはできますが、正直なところ、制作の優先順位は低かったのだろうと思わざるを得ません。
BGMは存在しますが無音の場所がかなり多く、一般的に備えていそうな効果音も想像以上に入っていません。城壁を伝うハシゴを登る時に、ハシゴを踏む音が入っていないので、BGMがならないことも相俟って、キャラクターを動かしているのに全くの無音になるといったことが発生していました。
複数の敵に囲まれた際の難易度にも問題があります。配置されているザコ敵2体に気づかれただけで難易度が跳ね上がります。3匹ともなるとラスボスの方が簡単かもしれません。敵を釣れるギリギリの距離を探して、1匹ずつ呼び込んでは倒すということになりますが、これが可能ならばはじめから同じエリアに複数配置しないでほしいなと正直思います。結果として、1体の戦闘時間が長くなっていくので、後半は面倒くささが勝ってしまい、ザコ敵は走って全無視という感じになってしまいました。
でも、戦闘特化なら気にしなくていいことでもある

一気に批判点を並べてしまいましたが、本作は戦闘に関わるシステム、技やモーションの作り込みという点で──多くのプレイヤーに受け入れられるかは別として──かなり深いものが実装されているのは間違いありません。
その意味では、『Furi』のようなボスラッシュ形式のゲームでも良かったのかもしれません。そのように考えると、上記で挙げ連ねた批判点も、そのほとんどはそもそも無用であるとも言えます。
戦闘システム周りの作り込みはそれだけで少なくとも1,200円を超えていると評価できると思います。本作に用意された広めのワールドを活用するのであれば、RPGらしいアイテム達やストーリー展開、多くのNPCやクエストと、それを彩る様々な舞台背景達を用意すべきなのかもしれません。しかしながら、1,200円で個人開発作品に求められる範囲ではないことは明らかです。
総評

筆者はついついアーリーアクセスのゲームを購入してしまいます。その中には、何年も前に開発が開始されたサバイバルクラフト系のゲームで、未だに「ベータらしい感じ」のまま燻っているようなタイトルが、いくつも存在しています。
本作は、一部のエリアで特定の方向を見るとフレームレートが一気に落ちてしまったり、ポリゴン抜けで奈落に落ちてしまったりといった、よく聞くようなバグは確かにありますが、全体としてそれほど大きな問題となるような不具合には遭遇しませんでした。
何より、攻略すべきボスを順当に倒し、攻略するまでに急ぎ足で15時間程度を要するボリュームがあり、高い難度とクセはありつつも戦闘システムに致命的な破綻はなく、一本をきちんとクリアしたと思える程度には作品の完成を見ています。
Hytacka氏と講談社にとって、本作とクリエーター支援事業がどれほどの意義となったのかを私は知る由もありませんが、何も知らず遊んだ1,200円のアクションゲームとして捉えるならば、数多の長期アーリーアクセスタイトルとは比べ物にならないほど「きちんと作られている」印象です。
ラスボスやエンディングに至るまでの演出のアッサリ感など、妥協された点も非常に多く見られるのは否めない作品ではあります。高い集中力と、適切な選択の連続による、地道な戦闘攻略を楽しみたい方にとっては、その戦闘システムにおいてオススメできるタイトルです。
Game*Spark レビュー 『Rise of Rebellion -地罰上らば竜の降る-』 PC(Steam) 2025年4月21日リリース
戦闘特化としては確かな差別化は実現されている。イージーモードを活用しつつ、瞬間的な選択と、反撃の気持ちよさを味わおう。
-
GOOD
- 高難度アクションとして他にない特徴を実現している
- 敵への理解と適切な対応、反撃の末に制覇する気持ちよさ
- 技やモーションの質の高さ
BAD
- 戦闘システム以外の要素がおざなり
- 戦闘システムへの学習曲線が厳しすぎる
- 指定されるカウンター入力方向が不明瞭
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