金曜日, 5月 16, 2025
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Azure DNSでDNSSECがGAしたので試してみた


AzureでDNSSECサポートがGAされたので、DNSSECの仕組みを理解しながら試してみました!

DNSサーバーへの問い合わせ結果をデジタル署名を使って検証する技術で、真正性(正規のDNSサーバーが応答した値であること、値が改竄されていないこと)を確保することができます。

DNSキャッシュポイズニングなどの攻撃に対する対策となりうるものですが、サーバーとクライアントの両方がDNSSECに対応している必要があります。

  1. まずはDNSSECの設定は行わず、Azure DNSでAレコードを登録して問い合わせ結果を確認します。
  2. Azure DNSでDNSSECの設定を有効化して動作を確認します。
  3. 最後にDNSSECによる署名の発行と検証の仕組みについて解説します。

PoC構成

Azure DNS Public Zoneでcontoso.comゾーンを作成します。
まずはDNSSECは設定せず、Aレコードだけ登録しておきます。

なお、ドメインはAWSのRoute53で購入しており、ネームサーバーとしてAzure DNSを使っています。
AzureでもApp Service Domainを使うとドメインの購入ができるのですが、DNSSECの設定で必須となるレジストラを通した上位ゾーン(例えば.com)へのDSレコード登録に対応していません。
AWSのRoute53は上位ゾーンへのDSレコード登録に対応しているので、ドメインだけ購入してAzure DNSのPublic ZoneでDNSレコードをホストするという形をとっています。

https://zenn.dev/mrt/articles/a2e3573c392b62

動作確認(DNSSEC設定なし)

digコマンドでAレコードの問い合わせを行うと、Azure DNSに設定している値(10.0.0.1)が取得されます。

$ dig contoso.com. @8.8.8.8

; > DiG 9.16.50 > contoso.com. @8.8.8.8
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER

まだDNSSECの設定は行なっていないので、digコマンドにDNSSECデータを要求する+dnssecオプションをつけても、取得される内容に変化はありません。

$ dig +dnssec contoso.com. @8.8.8.8

; > DiG 9.16.50 > +dnssec contoso.com. @8.8.8.8
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER

DNSSECの有効化

Azure DNSでDNSSECを有効化

Azure PortalでDNSゾーンを開き、DNSSEC を有効にするをオンにします。Azure DNSの設定としてはこれだけでOKです。

有効化すると、署名の発行と検証に使用するキーペア(秘密鍵と公開鍵)が2組(ZSKとKSK)作成されます。(ZSKとKSKについては後で解説します)
親ゾーン(.com)にDSレコードとしてKSK公開鍵のハッシュを登録するまでは、状態表示が署名済みですが委任されていませんとなります。(DSレコードについても最後に解説します)

親ゾーンのDSレコード登録に使用するKSK公開鍵も表示されているので、控えておきます。(Azure PortalのPublic key欄)

ドメインのレジストラで上位ゾーンにDSレコードを登録

親ゾーン(.com)にDSレコードとしてKSK公開鍵のハッシュを登録します。
今回はDSレコードの登録に対応しているレジストラのAmazon Route 53でドメインを購入しているので、AWS Management ConsoleでDSレコードの登録を行います。

ドメインはAWSのRoute53で購入しているので、AWSマネジメントコンソールのRoute53で取得したドメインを開き、DNSSECキーの追加を押下します。

Azure DNSでDNSSECを有効化した際に表示されていたKSK公開鍵の値をコピペして追加すると、そのハッシュ値が生成されDSレコードとして親ゾーン(.com)に登録されます。

digコマンドで親ゾーン(.com)のDSレコードを参照すると、KSK公開鍵のハッシュ値が登録されたことが確認できます。

$ dig @"$(dig +short com. NS | head -n 1)" +noall +answer +norecurse +nosplit contoso.com. DS
contoso.com.             86400   IN      DS      55790 13 2 ED4E3A5BB244F5807CA5D2149EB69B29C3F71C386395C342E4461F483A1DD69B

Azure DNSでDNSSECの状態を確認

Route53でDSレコード登録後にAzure DNSのDNSSECパネルを開くと、状態が署名済みで、委任が確立されましたに変わったことが確認できます。

動作確認(DNSSEC設定あり)

digコマンドにDNSSECデータを要求する+dnssecオプションをつけて実行してみると、flagsがflags: qr rd ra;からflags: qr rd ra ad;に変わっており、adが出力されるようになりました。
また、ANSWER SECTIONでRRSIGレコードも取得されています。

flagsのadはAuthentic Dataの略で署名の検証に成功したことを示します。
RRSIGレコードはリソースレコード(Aレコード)に対する署名で、これを用いて問い合わせ結果の真正性を検証しています。

$ dig +dnssec contoso.com. @8.8.8.8

; > DiG 9.16.50 > +dnssec contoso.com. @8.8.8.8
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER

権威DNSサーバーの応答がなりすまされている状態を再現するため、親ゾーン(.com)のDSレコードに不適切なハッシュを登録してみます。
その状態でdigコマンドを実行すると署名の検証に失敗するので、flagsにadが出力されず、statusもSERVFAILとなります。

$ dig +dnssec contoso.com. @8.8.8.8

; > DiG 9.16.50 > +dnssec contoso.com. @8.8.8.8
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER

どのような仕組みで、署名の発行と検証が行われたのかを解説します。

DNSSECで使用されるDNSレコード

まず、DNSSECでは通常のリソースレコード以外に、RRSIGレコードとDNSKEYレコードが使用されます。

  • リソースレコード
    • 通常のDNS問い合わせで応答しているAレコードなどのDNSサーバーで管理しているレコード。
  • RRSIGレコード(DNSSEC専用)
    • リソースレコードの署名。
    • 署名対象のレコードによって使用する秘密鍵が異なる。
      • リソースレコードの署名にはZSK秘密鍵を使用する。
      • DNSKEYレコードセットの署名にはKSK秘密鍵を使用する。
  • DNSKEYレコード(DNSSEC専用)
    • RRSIGレコードの検証に使用する公開鍵。
    • DNSKEYレコードは、ZSK公開鍵とKSK公開鍵の2レコードある。

2種類(ZSK、KSK)のキーペア(秘密鍵と公開鍵)

ややこしいのですが、DNSSECでは2種類(ZSK、KSK)のキーペアが使用されます。
署名対象のレコードによって、使用するキーペアが異なります。

digコマンドでDNSKEYレコードの問い合わせを行うと、ZSKとKSKの公開鍵を確認することができます。
RRSIGレコードはDNSKEYレコードセットの署名です。KSKのDNSKEYレコードと、RRSIGレコードのkey id 55790が一致しており、KSKで署名されていることが分かります。

$ dig +dnssec +multi contoso.com. dnskey @8.8.8.8

; > DiG 9.16.50 > +dnssec +multi contoso.com. dnskey @8.8.8.8
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER

DNSSECの流れ

  1. DNSSECを有効化すると、権威DNSサーバー(Azure DNS contoso.comゾーン)上に2種類(ZSK、KSK)のキーペア(秘密鍵と公開鍵)が作成されます。
  2. フルサービスリゾルバ(キャッシュDNSサーバー)は、権威DNSサーバー(Azure DNS contoso.comゾーン)にリソースレコード(Aレコードなど)の問い合わせを行います。
  3. 権威DNSサーバーは、ZSK秘密鍵を用いて問い合わせレコードの署名を作成し、署名をRRSIGレコードとして問い合わせ結果と併せて応答します。
  4. フルサービスリゾルバ(キャッシュDNSサーバー)は、権威DNSサーバー(Azure DNS contoso.comゾーン)にDNSKEYレコードの問い合わせを行い、DNSSECのZSK公開鍵を取得します。
  5. フルサービスリゾルバ(キャッシュDNSサーバー)は、公開鍵を用いてRRSIGレコードの署名を検証します。

このような流れで、RRSIGレコードとDNSKEYレコードを組み合わせて、正規のDNSサーバーが応答した値であること、値が改竄されていないことを検証しています。

DNSKEYレコードの公開鍵の真正性

DNSKEYレコードで署名の検証に使用する公開鍵を受け取るのですが、RRSIGレコードもDNSKEYレコードもどちらも同じDNSサーバーから取得しています。
もし、偽装されたDNS応答であったとしても、DNSKEYレコードを用いたRRSIGレコードの検証は成功してしまうことになります。
そのため、公開鍵そのものも正規のものであるかを検証する必要があります。

ZSK公開鍵を含むDNSKEYレコードセットは、KSK秘密鍵で署名され、KSK公開鍵で検証されます。
KSK公開鍵の検証には、上位ゾーン(例えば.com)に登録しておいたDSレコードを使用します。
KSK公開鍵のハッシュを上位ゾーンにDSレコードとして登録しておき、DNSKEYレコードのKSK公開鍵がDSレコードのハッシュと一致していることを検証することによって、公開鍵の真正性を担保します。

親ゾーンのDSレコードもRRSIGレコードでまた検証して…と、これをルートゾーンまで遡って検証していく仕組みになっています。これを信頼の連鎖と言うそうです。

DNSSECのテスト

https://dnsviz.net を使うと、対象ドメインからルートゾーンまでのDNSSEC信頼チェーンが正しく構成できているかをテストすることができます。

最後に

DNSSECの仕組みを理解しながら、Azure DNSで実際に試してみました!
Azure PortalでDNSSECの有効化は簡単に行えますが、キーペアのロールオーバー、特にKSKを置き換える場合は親ゾーンのDSレコードの更新など、実際の運用で使うのは結構大変そうな印象を受けました。
Azure DNSにはまだ他にもいろいろな機能があるので、今後も試しながら更に理解を深めていきたいと思います!






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ゴールドスターCSSブロガー – Codepen


CSSはまだ温かいファジーを与えてくれます。私たちは過去数年間、非常に多くの素晴らしいCSS機能を手に入れました。しかし、それらの機能が組み合わされているとき、私はしばしばun然とし、今後の表面を引っ掛けるだけであることを考えています。

Adam Argyleの新しいデモを取ります 「レスポンシブアプリスイッチャー」。あなたがたまたまiOSユーザーである場合、あなたはあなたがいるそのインターフェイスからのルックアンドフィールを認識するかもしれません スワイプします そして、最近のオープンアプリから選択しています。

このデモでは、AdamはCSSグリッドレイアウトを使用しており、 grid-auto-flow 要素を列に並べて、必要な水平スペースをとるだけです。彼はスクロールスナップを使用して、それぞれがそれらを「カード」と呼び、満足のいく場所にスナップしましょう。最初と最後に目に見えないカードを含むスナップには、最終的なスクロールがまだ弾力性のある弾力性のある感覚を持っていることに、いくつかのボーナストリックがあります。物事はサイズがあります aspect-ratio そして論理的特性、そして全体的な容器は文字通り container コンテナユニットでサイジングを行うことができるように。満足のいく「シュリンクがスクロールする」という影響は、スクロール駆動型のアニメーションで行われ、スタイルは適切な尺度のためにレイヤーで適用されます。

そうです たくさん 最新のCSS機能の。

私の心がどこにあるのか:もっと!もっと!もっと!

代わりに各カードがブログの郵便番号であると想像できませんか?必要に応じて、より多くのスクロール駆動型のアニメーションで縮小するヒーローイメージで、少しスクロールすることができます。

各カード内の要素がコンテナユニットとコンテナクエリによって完全に処理されるすべてのサイズとレイアウトを想像できませんか?一部のカードは、その重要性によって異なるサイズのサイズであるため、ユニークなレイアウトがあります。

これらのブログの投稿カードをクリックして、ビューの移行が始まり、カードをフルスクリーンのブログ投稿に拡張することを想像できませんか?

phew。私たちは見始めています いくつかの そのようなものですが、通常はデモとそれほど少ない制作ウェブサイトです。しかし、私たちはすぐにそうします。このようなものの多くは完全に進歩的な領域にあり、サポートはおそらくあなたが思っているよりも優れており、すぐに動いています。


私はあなたのためにいくつかの素晴らしいCSSリンクを持っています、その多くは私がちょうど話していた空想と新しいものと一致しています。

  • Ahmad Shadedは、CSSの概念に関する非常によく作られた記事の絶対的なホストで、今年のCSSブログの究極のゴールドの星を獲得します。 CSSグリッドで骨を折る必要がある場合、それがあなたのものかもしれません 最も優先順位を付ける必要があります (THX GOLD -STAR CSS Blogger Miriam Suzanne)、Ahmadの記事に関する記事 CSSグリッド領域 行くのに最適な場所です。確かに、それはグリッドをセットアップすることについての部分的なことですが、それはすべてのサービスです。 グリッドに物を置く。
  • それがあなたと一緒にクリックした場合は、より厳しいフォーカスの投稿を続けてくださいahmadの投稿 ギャップより良いターゲットサイズを設計します、 そして キャップユニット
  • ジョシュ・コモーは金の⭐⭐️スターCSSブロガーでもあり、私はおそらくすでにそれにリンクしていますが、彼の CSSグリッドへのインタラクティブガイド 素晴らしいです。それから時々ジョシュは彼の焦点を次のようなものできつく締めます DOMの折りたたみます、これはかなりシンプルなインタラクティブなアイデアであり、そこに約1億個の小さなレッスンが隠れています。
  • ゴールドに参加することは、Star CSSブログの争いに参加するのはBramusです。Googleでの地位は、CSS機能の重要な詳細への最前列に本当にアクセスできると思います。私は知っています overflow: clip 最近では、クールな副作用があります 方向のオーバーフローを行うことができます 私たちがこれまでにできなかったこと。しかし Bramusは、スクロール駆動型のアニメーションと組み合わされて非常に便利だと指摘しています、スクロールコンテナを作成せず、潜在的にビュータイムラインを台無しにするためです。
  • 私はこれのために完全にゆっくりと拍手しています 108 CSSローダーのコレクション。それらはすべてかなり楽しくて上品で、正直なところ、もっと楽しいローダーを使用するアプリを望んでいます。まあ、実際には、彼らがより速くなることを願っています。
  • これを残してもらいましょう。ケビン・パウエル、別の金⭐️スターCSS’rが持っていた CSSデーでの素晴らしい講演 について 複雑さを受け入れる 特定のCSSソリューションで。精神の一部は、CSSがしばらく存在しており、いくつかのことにかなり確立されたパターンがあることです。 「同じこと」を行う新しいソリューションが登場すると、それらは不必要または過剰な複雑さえ見られます。もしあなたがその気持ちを得たなら、それはそれが馴染みが少ないからだからです。もしそうなら、それは解決策を少し広く開く時が来るかもしれません 得る もっと馴染みがあります。



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あなたはハラスメントしてないですか?



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(久々のQiita投稿。。。)
・はじめに
昨今○○ハラスメントって言葉をよく耳にします。
ハラスメントについてしっかりと把握出来ていないので少し調べてみました。
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ハラスメントってなんだろう?簡…



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「初音ミク×クッピーラムネ」POP UP STOREが4月4日より順次開催決定 – GAME Watch


 A3(エースリー)は、「初音ミク×クッピーラムネ」POP UP STOREを4月4日からeeo POP-UP STORE、6月6日からはアニメイト札幌・名古屋にて順次開催する。また、通販サイト「eeo Store online」でも4月4日よりコラボグッズが販売。

 POP UP STOREでは「初音ミク」と「クッピーラムネ」とのコラボグッズが販売されている。

 新作グッズと購入特典には、初音ミクを含む「ピアプロキャラクターズ」の6人(初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ・MEIKO・KAITO)が登場。デザインには「クッピーラムネ」のレトロな世界観が可愛い“デフォルメイラスト”と、イラストレーター・へいわ先生による美麗な“等身イラスト”がラインナップ。

□「eeo Store online」の「ピアプロキャラクターズ×クッピーラムネ」ページ





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映画『遊☆戯☆王 〜超融合!時空を越えた絆〜』が4月4日20時よりYouTubeで無料配信。4月6日までの期間限定。「武藤遊戯」「遊城十代」「不動遊星」がひとつの時代に集まるクロスオーバー作品




「武藤遊戯」「遊城十代」「不動遊星」がひとつの時代に集まる、『遊☆戯☆王』シリーズ放映10周年記念のクロスオーバー作品



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花粉 7日は東京など広く大量飛散



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「サンリオ×パシオス」4月16日よりコラボアイテム発売!可愛いTシャツやトラックジャケットが登場


「サンリオ×パシオス」新作アイテム

「サンリオ×パシオス」新作アイテム登場!

本コラボでは、クロミやシナモロール、マイメロディやハンギョドンなど、様々なキャラクターがデザインされています。

 

Tシャツはデザイン・サイズともに多様な展開なのが嬉しいですね。

 

パシオスNetでも同日10:00より発売されますので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

ラインナップ

「サンリオ×パシオス」新作アイテム

引用:「サンリオ」公式X

 

・Tシャツ各種:1,639円(税込)

 

 

「サンリオ×パシオス」新作アイテム

引用:「サンリオ」公式X

 

・Tシャツ各種:1,419円(税込)

 

 

「サンリオ×パシオス」新作アイテム

引用:「サンリオ」公式X

 

・トラックジャケット:2,739円(税込)

 

 

「サンリオ×パシオス」新作アイテム

引用:「サンリオ」公式X

 

・Tシャツ各種:1,419円(税込)

 

詳細は公式Xをご確認ください。

 



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優勝賞金10万円。新作デジタルカードゲーム「神託のメソロギア」,正式リリース前のOBT版を使った“20万円争奪トーナメント”が4月13日開催へ



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 ネコノメは本日(2025年4月3日),デジタルカードゲーム「神託のメソロギア」の公式オンライン大会「『神託のメソロギア』20万円争奪ダブルエリミネーショントーナメント」を,4月13日に開催すると発表した。



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柔道決勝で両者反則負け 優勝なし



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『Vampire Survivors』や『Slay the Spire』などのローグライトエキスを集めて煮詰めるとこうなる!練り込まれたヴァンサバ系アクション『Rogue: Genesia』【げむすぱローグライク/ローグライト部】 | Game*Spark



『Vampire Survivors』や『Slay the Spire』などのローグライトエキスを集めて煮詰めるとこうなる!練り込まれたヴァンサバ系アクション『Rogue: Genesia』【げむすぱローグライク/ローグライト部】 | Game*Spark

自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今週の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第21回では、Ouadi Huardが開発、Gamersky Gamesがパブリッシャーを手がけるローグライトアクション『Rogue: Genesia』をご紹介します。

『Rogue: Genesia』とは

Steamには数多くの「ローグライトアクション」ゲームが存在します。今回紹介する『Rogue: Genesia』も、そんな「ローグライトアクション」の1作です。

本作の基本はローグライトアクションの1つの基本形である『Vampire Survivors』を踏襲しており、所持している武器で敵を倒して、ドロップした経験値アイテムを集めてレベルアップし、武器やキャラクターの性能の向上をいくつかの選択肢から選択してキャラクタービルドを進めていきます。

本作が踏襲しているのは『Vampire Survivors』だけではありません。本作のメインモードとなる「ローグライクモード」では、『Slay the Spire』に似たステージ進行(通常敵戦闘、エリート戦闘、ランダムイベントなど)が実装されています。プレイヤーは次に進むエリアを選択し、敵戦闘ステージならば一定の敵を倒す一定時間生き残るなどのミッションを成功させればエリアクリアです。

エリアをクリアすると、特殊な効果を持つアーティファクトや経験値、そしてスキルや武器などのカードを獲得できます。こうしてキャラクターを強化しながら、ステージ最奥で待つボスの撃破を目指します。

ただ既存のローグライトを模倣しただけではない。圧倒的な練り込みとボリュームが光る一作

ここまでの紹介を読んで、『Slay the Spire』のステージ選択と『Vampire Survivors』的なローグライトアクションを組み合わせたタイトルは割とありふれてるのでは?と思ったローグライト愛好家の皆様も少なくないかもしれません。筆者もそう思いますし、ある程度ローグライトを遊んでいる人なら思いつく、安易な組み合わせだとも思います。

しかし、筆者は力強く述べたいのです。『Rogue: Genesia』は、そんな志の低い模倣作品ではないと!

本作の特徴の1つが「選択キャラクターの多さ」です。ゲームスタート時には「戦士」しか選べませんが、ゲームを進行していくと様々な職業のキャラクターを選択できるようになります。

『Vampire Survivors』のキャラ数に比べると少ない……と思われる方も多いかもしれませんが、本作は選んだキャラクターによってゲーム性が一変します。

「戦士」はオーソドックスなヴァンサバ系ローグライトアクションとなりますが、「商人」でプレイするとレベルアップ時のパワーアップがローグライトによくある3択からの選択ではなく、所持金を消費して自分でアイテムを買うというものに変わります。結構鬱陶しいですが、お金を稼げればより強いキャラクターをビルドできる可能性があるということでもあります。

「ガンスリンガー」を選ぶと武器の種別が銃器に固定され、ショットガンやハンドガン・ライフルを状況によって使い分けるテクニカルなスタイルに変貌します。このように、本作はキャラクターの選択によって大幅にゲーム性が変化するのです。

また、キャラクターごとに「タレント」というスキルを初期設定することができます。「アクティブタレント」を解放することで最初から持ち込む武器を決められるほか、いくつかのパッシブスキルを得られる「パッシブタレント」でキャラクターの性能を調整することができます。

キャラクターカスタマイズ要素としては「装備」もあります。これはゲームをある程度進行すると解禁される要素で、解禁以降各地の報酬でランダム効果がエンチャントされた装備品がドロップするようになります。装備品はゲームオーバーになっても手元に残り、次のプレイでは新たに装備品を組み合わせてキャラクターを強化した状態で挑むことができるのです。装備品の性能はランダムですが、高難易度ほど高い性能の装備がドロップしやすいので、トレジャーハンティングゲームとしても本作は充分に楽しめます。

本作のゲームモードはF級から始まり、上位に上がるごとにステージが増えていきます。また、1度クリアした階級にはさまざまな縛りプレイが課される「チャレンジ」と、ステージ選択なしで一定時間生き延びることが目的の「サバイバルモード」が解禁されます。「チャレンジ」の数はかなり多く、1度クリアしたステージでも「チャレンジ」となるとまた違った攻略が要求されることでしょう。

また、ローグライトゲームのお約束として、「ゲームオーバー時に得たポイントでキャラクターの基礎能力を強化する」要素も本作には用意されています。こうして強化できる要素は各ランクの難易度をクリアすることで項目が増えるほか、各チャレンジの達成によっても強化項目が増えます。上位の難易度がクリアできない場合は、下位のチャレンジを繰り返し、キャラクター強化を進めて新たに挑むのも1つの手です。

本作ではボスギミックも豊富です。難易度が上がるたびにボスの攻撃パターンも強化され、最初のエリアのボスである「ゴブリン・シャーマン」であっても難易度によっては結構な弾幕を放ってきます。

一見ヴァンサバ型ローグライクアクションゲームとは思えないような、初見でビックリすること間違いなしのギミック系ボスも待ち受けています。筆者はC級ラスボスの「溶岩のタイタン」に見事に初見殺しを食らって、未だにリベンジが完了していません。

ここまで本作を色々と紹介してきましたが、本作には「難易度が上がるとクリアすべきステージ数が多くなり、1回のプレイに時間がかかる」という欠点もあります。その対策の「Quick-Game」オプションもあるのですが(有効にすると1エリアのステージ数が減り、敵の強さと経験値が増す)、それでもC級の時点ではステージが4つとなり、全体のエリア数はかなり多いので1回のランは1時間近くになります。

また、本作はかなり高いレベルでの日本語化が行われているのは確かなのですが、一部わかりにくいパラメーターとその依存関係があります(各能力値の基礎値と強化倍率が独立したパラメーターである、敵の強さに関わる「浄化」「汚染」パラメーターの説明がない……など)。

しかしながら、ランの長さや一部説明の分かりにくさという欠点を除いても、本作は絶妙に練り込まれたローグライトアクションです。ダッシュで敵の群れや弾幕を避け、並み居るザコ敵相手には無双をしつつ、ボスやエリート敵と戦う緊張感は常に健在で、こういった敵と戦うビルドを組み上げていくのも楽しいです。

本作はただの『Vampire Survivors』『Slay the Spire』のクローンであろうとせず、さまざまなローグライト作品、あるいはそれに限らずトレジャーハンティングが面白い作品などのエッセンスを貪欲に取り込み、「ヴァンサバ系」のフォーマットに煮詰めるという熱意をゲーム内からひしひしと感じます。長く遊べる「ヴァンサバ系」タイトルを探している方に、筆者は本作を強くお勧めします。


『Rogue: Genesia』は、PC(Steam)にて1,700円で販売中です。ゲームの序盤を体験できるデモ版も配信中です。

【お知らせ】
本特集「げむすぱローグライク/ローグライト部」はこれまで週刊連載でしたが、2025年4月以降は基本的に隔週連載となります。これは筆者の力量的に毎週ローグライク・ローグライト作品を発掘・プレイして紹介することが厳しかったため、今後はペースを落としての連載となりました。その分紹介する作品のクオリティやレビューの内容もより深掘りしていきたいと思っておりますので、今後とも応援をよろしくお願いします!





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