🧠 概要:
概要:
DeNAの最新の決算報告について解説されており、特にゲーム事業の好調さが際立っています。2024年には横浜ベイスターズが日本一になり、業績にも良い影響を与えている。営業利益や純利益が劇的に改善され、一方でライブストリーミング事業は厳しい状況にあるとのこと。
要約の箇条書き:
- 2024年、横浜ベイスターズが日本一になり話題に。
- DeNAの売上収益は前年比+20%の1,640億円に。
- 営業利益は前年の赤字から290億円の黒字へ。
- 当期純利益も242億円に改善。
- ゲーム事業が主な成長ドライバーで、売上前年比+45%、利益は+1,016%の増加。
- 新アプリ「Pokémon Trading Card Game Pocket」が好調の要因。
- ライブストリーミング事業は売上前年比-5%、利益が赤字に転落。
- スポーツ事業は横浜ベイスターズの活躍で前年比+15%の売上増。
- ヘルスケア事業は増収も赤字が継続。
- 配当は通常のものに加え特別配当を実施、配当性向30%に。
- 今後の業績見通しは不確定で、合理的に予測不能。
出所:決算説明資料
前年は減損テストの結果287億円の減損処理をしたため、営業利益以降赤字となっておりました。そのための前年利益との比較では大幅な増益となってしまいます。
出所:決算短信
減損損失以外の費用に関しても、ほとんどの費目で減少しており、利益を押し上げる後押しとなっています。
ただ人件費は通期業績を踏まえた特別賞与の計上があったため+21%増加しています。
出所:決算説明資料
では各セグメント別に内容を見てみましょう。
まずは一番の稼ぎ頭のゲーム事業ですが、売上・利益ともに大幅増となっています。売上は前年比+45%、セグメント利益は+1,016%と特に利益での大幅な増加が目を引きます。
出所:決算説明資料
四半期ごとの推移を見ると、3Qから売上・利益ともに大きく伸びています。
出所;決算説明資料
ではこのタイミングで何か大きな変化があったのか?という疑問が出てきますが、その答えは2024年10月にリリースされたスマホアプリの『Pokémon Trading Card Game Pocket』の登場です。2025年2月には全世界累計1億ダウンロード突破し、第4四半期の平均MAUは約5,100万人とリリース開始から一気に利用者数を伸ばしています。基本的には無料で遊べるスマホアプリですが、サブスクリプションの加入率も安定的に推移していることで、今の業績増加に繋がっています。
一定のタイミングで新しいカードが登場してくるので、一度利用開始するとそのまま継続して利用する仕掛けがポケモンの強みではないでしょうか。
出所:決算説明資料
またゲーム事業の強みとしては、新作ゲームのリリース後も安定して売上を稼ぐことができる点にあります。
リリース後の細かな施策の積み上げや改善によって熱量や継続性を高め、年数を経ても売上を維持・伸長しています。
出所:決算説明資料
ライブストリーミング事業に関しては少し苦戦しています。
売上は前年比△5%、セグメント利益は前年3億円の黒字から今回は2億円の赤字に転落しています。
出所:決算説明資料
この事業ではライブコミュニケーションアプリの「Pococha(ポコチャ)」とキャラライブアプリ「IRIAM(イリアム)」を運営していますが、Pocochaの方はある程度利益を出せる形にはなっています。
IRIAMは売上規模・利益面でもまだまだこれからといった感じです。
出所:決算説明資料
スポーツ事業は横浜ベイスターズ日本一による効果もあり好調で、売上は前年比+15%、セグメント利益は+33%となりました。
出所:決算説明資料
横浜DeNAベイスターズの観客動員推移を見ると、コロナ禍前の水準を超えました。今回は日本シリーズまで勝ち進んだので単純に試合数が増えたという要因もあると思います。
もちろんスタジアムでのイベントを工夫するなど集客のための活動は進めていると思いますが、やはりプロスポーツはチームが強くなれば自然と観客も増加してくるのではないかと思います。
出所:決算説明資料
ヘルスケア・メディカル事業は+8%の増収となりましたが、利益面では前年と同額の△36億円の赤字となりました。
出所:決算説明資料
四半期ごとの推移を見ると、今回の4Qで売上が伸びたこともあり利益は±ゼロ付近に落ち着きました。
この結果から推測すると、この事業の損益分岐点は170〜180億円程度ではないかと考えられます。
出所:決算説明資料
現在の年間売上が100億円強なので、あと80億円増収となれば損益分岐点に到達できるわけですが、そこに到達できるポテンシャルは十分ありそうです。遠隔医療支援ソリューションを展開しているJoin Mobile Clinicは、国内の医療施設にサービスの導入を進めています。
年々導入施設数は増加していますが、プラットフォームの活用により今後は更に規模を拡大できる可能性があります。
出所:決算説明資料
2026年3月期の業績見通しに関しては、現時点では合理的に予想を算出することができないため公表されていません。
開示が可能になった時点で速やかに公表するとのことです。
出所:決算説明資料
それでは財務面に関しても見てみましょう。配当金については「配当基本方針」を定めており、この内容に沿って意思決定がされています。今回は利益が想定よりも大幅に増益となってことで、通常の普通配当に加え特別配当を実施することを決めました。
その結果、配当性向は30%に届くことになりました。
出所:決算説明資料
また配当政策以外でも、資本コストや株価を意識した株主目線での対応を進めてます。
今回の決算は好調だったため、結果としてROEは11%となりましたが、今後も資本コ ストを意識し、資本効率の向上・ROEの向上を重視 していく考えを示しています。
出所:決算説明資料
今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?
マサキタカオ
Views: 2