“パンクボーイズグループ”という独自のジャンルを打ち出す9人組のメンズグループ・D.O.Lが、両A面シングル「Dopamine / Melty Berry」をリリースした。
「DREAM OUT LOUD(夢を大声で叫ぶ)」というフレーズの頭文字に由来するグループ名を名に掲げ、2020年10月にデビューしたD.O.L。その後オーディションなどを通じて加わった新メンバーの個性がかけ合わさり、グループの勢いはさらに加速している。ニューシングルには、カッコよさに振り切った「Dopamine」と、あざとさを武器にしたキュートな「Melty Berry」という対照的な2曲が収められている。
音楽ナタリーではリリースにあわせてメンバーにインタビューを実施。2曲に込めたこだわり、新体制での変化、そして「このグループで売れたい」と語るまっすぐな思いまで、たっぷりと話を聞いた。
取材・文 / 小松香里撮影 / 上野留加
2020年10月にデビューした9人組のパンクボーイズグループ。グループ名は「DREAM OUT LOUD(夢を大声で叫ぶ)」の頭文字から由来する。2023年5月に1stアルバム「Resume of D.O.L」を配信し、2024年2月には1stシングル「CRAZY CIRCUIT TYPE-A」を発売。2025年5月に両A面シングル「Dopamine/Melty Berry」をリリースした。
──D.O.Lの皆さんはナタリー初登場となりますので、まず、グループの成り立ちを教えてください。
IBUKI 「DREAM OUT LOUD」=夢を大声で叫ぶ、というコンセプトのもと集められた6人のメンバーで結成されたのが始まりです。音楽の方向性としては“PUNK BOYS”というジャンルを掲げていて。現在の9人の体制になってから1年ほど経った今、どんどん勢いを付けていきたいと思ってます。
──一番新しく加入したRUIさん、HIROKIさん、MINATOさんはどんな思いで加入したのでしょうか?
RUI 僕はもともとオリジナルメンバーと仲がよくて。D.O.Lの楽曲はほかのグループにはないような曲調ですし、ダンスも歌もうまい、カッコいいグループだなって加入前から思ってました。メンバーになったからには、9人のうちの1人としてこれまでになかったようなポジティブな影響をグループに与えられるようがんばっていきたいと思ってます。
HIROKI 「D.O.Lは歌がうまいグループ」という印象がありました。今僕はメインボーカルを担当させてもらってるので、しっかりと歌で貢献したいと思ってます。このグループに新しい風を吹かせたいですね。個性豊かなメンバーが多いので自分も負けられないなっていう。
TOMOKI おまえが一番個性強いよ(笑)。
HIROKI グループに馴染めるようにがんばりたかったです!
一同 過去形(笑)。

D.O.L
TOMOKI HIROKIはSNSのフォロワー数がすごいんですよ。
HIROKI すべてのSNSのフォロワー数を合算すると、今は200万人を超えてますね。
TOMOKI 彼のSNSは料理系のポストが主なので、「料理と歌の二刀流」というアプローチでD.O.Lに新しい風を吹かせてくれるんじゃないかという期待を込めて、オーディションを経てメンバーにしました。
IBUKI オーディションでもやっぱり一番爪痕を残してましたね。満場一致で「彼は絶対に欲しい」という声が上がって即決でした。アピールの発想もほかの候補者とはちょっと違って……。
TOMOKI 歌う前に審査員に向かって「オーディション、盛り上がってますか!?」っていうコール&レスポンスをし始めたんですよ。「いきなり壁を破ってきた」と感じました。
HIROKI 歌やダンスでは勝てないと思って……。ただ気合いだけは自分がずば抜けてるなと思ったのでやってみました。
MINATO 僕はご縁があって加入することになったんですが、最初D.O.Lを観たときは「グループの勢いがあって、独自のカラーもあってすごくいいな」と思いました。入った当初は自分も含めて新メンバーが入ることでどう変わっていくんだろうな、自分の力をどう生かせるかなって考えたんですけど、加入から1年経った今は少しずつ貢献できている実感があります。引き続きがんばっていきたいと思ってます。
──MINATOさんの強みというと?
一同 ビジュアルです!
IBUKI あと、歌もダンスもできてオールマイティだよね。それと頭がよくて記憶力もいいんです。一度歩いた道はすぐ覚えるよね(笑)。
MINATO はい。一度歩いた道を忘れないことは胸を張って言えますね。
HIROKI 最年少だけど頼れる存在なので“頼れる弟”っていうキャッチコピーがぴったり。

左からIBUKI、MINATO、HIROKI。
──今のD.O.Lの強みはなんだと思いますか?
KAITO メンバー同士の仲が本当にいいことですね。毎日めちゃくちゃ楽しいし、ずっとこのメンバーで活動していきたいです。あと、好きなことをたくさんやれているので、前向きな気持ちがステージにも反映されていると思います。
RUI 僕も一番の強みは仲のよさかなって思います。それはステージにも出るでしょうし。なんでも言い合える関係が築かれているのは、これからグループとしてのし上がっていくうえで強いんじゃないかな。
KAKERU 1人ひとりの個性がめっちゃ強いなって思いますね。MINATOとかHIROKIとかは特に。KAITOは天然で宇宙人みたいな感じで面白いし、ダンスと歌がうまいメンバーもいるし、本当個性が立ってるなって。
IBUKI グループ最年少のMINATOとNAOTOはそこまで年下感がないし、最年長のKAKERUくんもいい意味で最年長感がないんです。僕がリーダーなんですけど、年齢は真ん中ぐらいで。そういうフラットな関係なのも仲のよさにつながっているのかなと思います。
TOMOKI メンバーがちょっと緩んでいるときはIBUKIが率先して締めてくれますね。歌をはじめパフォーマンスでも引っ張ってくれるので、「さすがリーダーだな」って思う瞬間が多いです。

左からKAKERU、SHO、TOMOKI。
IBUKI あざす(笑)。
MINATO 入ったとき、IBUKIさんが最年長だと思ってました。いい意味で。
IBUKI 顔が老けてるとかではない?(笑)
MINATO 違います(笑)。落ち着いてるので。グループに入る前も入った後も、一番頼れる存在です。
IBUKI 頼れる弟にそう言ってもらえるのはデカいですね。
──リーダーのIBUKIさんは、D.O.Lをどのようなグループにしていきたいと思っているのでしょう?
IBUKI このグループで売れたいんですよね。でもどうすれば売れるのか、その正解がわからないし、大きな事務所でもない分チーム一丸となって模索しているような状態で。そんなふうに夢を追う過程そのものを楽しんでいきたいと思ってます。
HIROKI メンバー全員プラス思考なんですよね。そのうえ、個々を尊重してくれるのでやりやすい。意見がぶつかってもどちらかが折れるし、意義のある言い合いができるというか。リーダーのIBUKIさんがみんなを尊重してくれるからこそ、そんなグループでいられると思うので……IBUKIさん、めちゃくちゃ大好きです!
IBUKI これは僕を褒める会ではないですよね?(笑)
HIROKI 言わないで後悔したくなかったんで。以上です。
一同 (笑)。

左からRUI、KAITO、NAOTO。
SHO のし上がるためにはお互いに意見をぶつけ合えるってめっちゃ大事なことなので、それがちゃんとできるのはすごくいいグループだと思います。
TOMOKI もちろんメンバーのことは好きですが、僕はD.O.Lの曲もすごく好き。僕も途中加入組だけど、以前から「D.O.Lの曲はいいな」とずっと思ってたので、加入が決まったときは「D.O.Lの曲が歌える!」っていうワクワクした気持ちが強かったです。僕らはどんどん新曲を出してますが、一度聴いたら忘れられない中毒性の高い曲が多くて、曲それぞれの個性が立ってるのがD.O.Lの魅力だと思います。
NAOTO 去年までメンバー1人ひとりが自分の誕生月にプロデュースライブを行っていたんです。それぞれが考えるコンセプトが年々進化し続けていて、グループとしてだけでなく個人としても成長している実感があって、僕もすごく刺激を受けました。新メンバー3人のライブが特に印象的で。初めてのプロデュースライブなのに自分で曲を作ったり映像を作ったり。その映像がすごく凝っていて驚きました。
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──5月21日に両A面シングル「Dopamine / Melty Berry」がリリースされます。まず「Dopamine」はパフォーマンスに振り切った曲ですが、初めて聴いたときはどう思いましたか?
IBUKI カッコよさに振り切った曲だし、振りが付いたらかなりパフォーマンスが映える曲になるんじゃないかと感じました。SHOとRUIくんとコレオグラファーの方が共作で振付を作ったんですが、それがめちゃくちゃよくて。この曲がCDでリリースできるのはすごくうれしいですね。
SHO 歌詞にはセクシーさもあって。僕はサビのドロップの部分の振付をメインで作ったんですが、ライブパフォーマンス中、お客さんに沸いてもらえるようなイメージで作りました。これまでのD.O.Lの曲は、サビでは前を向いて踊る曲が多かったけど、この曲のサビは後ろを向いた状態で始まるんです。新しいことに挑戦するという思いを込めて、振りもこれまでにない試みを取り入れてみました。
RUI 振付はSHOと僕の2人で仲よく相談しながら作りました。頭の振付にインパクトを持たせるよう意識したので注目してもらいたいです。
TOMOKI 音で取る振付が多くて、少しでもずれたら全体が崩れてしまうことがあからさまにわかる曲なので難しかったです。新たな挑戦でしたね。
KAKERU 全体的にすごく好きな振付だけど、特に全員で一緒にドンっと体を弾くような、インパクトがあるパートが好きです。歌について言うと、最後の高音のフェイクなんかはD.O.Lのメインボーカルのよさがすごく出ていると思いますね。
HIROKI 自分の声質はバラード向きで、ゆっくりと刺すようなタイプだと思うんですが、それで言うとこの曲は“思いっ切り突き刺さないと届かない”曲だと思うので、IBUKIさんにはボイトレの先生みたいに、事前に発声のことまで細かく日々アドバイスをもらって。そのおかげで、自分なりの歌い方を見つけた状態でレコーディングに挑めました。でも、かなり苦戦しましたね。
IBUKI そう言っても、HIROKIは飲み込みがめっちゃ早いんですよね。ファンの方からも最近「HIROKIくん、歌がうまくなったよね」という声を聞きました。曲もすぐ作れるようになったし、何事も「やればすぐにできるタイプ」だと思います。
HIROKI 新メンバーではありますが、IBUKIさんはじめ、ほかのメンバーのおかげで少しずつ成長させてもらってるのですごく感謝してます。

左からHIROKI、IBUKI、MINATO。
──同じくメインボーカルのTOMOKIさんとIBUKIさんが歌でこだわった部分というと?
TOMOKI 僕も甘い系とか落ち着いた感じの曲が得意なタイプで、「Dopamine」みたいな曲はあまり歌ってこなかったんです。これまで、メインボーカル3人の中での“自分ならではの色”を意識しながらD.O.Lの曲を歌ってきたんですが、「Dopamine」は高音部分で甘さではなく強さを出すようにしました。あと今回もほかのメンバーの持ち味を立たせることも意識しましたね。
IBUKI サビは勢いがあるので、そこを際立たせるように歌うことを心がけました。色っぽい曲でもあるので、場所によっては抜きも意識して大人っぽさが出るようにしましたね。
──歌とラップが交錯する曲ですが、ほかの皆さんのラップと歌に関するこだわりも教えてください。
KAITO 僕は初めてど頭のパートを歌わせてもらったんですが、第一印象に関わる曲の始まりは大事なので、曲の力強さに合ったラップをするよう意識しました。
TOMOKI 歌い出しがKAITOなのは新鮮でしたね。
IBUKI 振付もKAITOのビジュアルのよさを生かした、KAITOの顔が際立つようなオープニングなんです。
KAITO そういうアプローチは個人的にはめちゃくちゃうれしかったです。だけど同時に「期待に応えなきゃいけない」というプレッシャーはありました。
NAOTO 自分としてはセクシーな見せ方はあまり似合わないタイプだと思ってるんですが、曲の方向性にできるだけ寄せられるよう、曲を作ってくれたプロデューサーさんとも相談しながら歌っていきました。かなりの挑戦となりましたが、表現の幅を広げられたんじゃないかと思ってます。
SHO 僕はほかのメンバーと比べると少し高めの声ということもあって高速ラップを担当することが多くて、「Dopamine」でもそういったパートを担当しました。スピード感のある曲なので息継ぎするところがなくて、ニュアンスを保ちながら息を持たせて、さらにかましていくというのが難しかったですね。レコーディングは少しずつコツをつかみながら進めていきました。
RUI 僕はKAKERUさんとペアで歌うことが多いんですよ。今回もKAKERUさんとのバランスを意識しつつ、曲の雰囲気に合うよう歌いました。ちゃんと曲の特徴を捉えつつ、バランスを踏まえて歌えたように思います。
KAKERU RUIの声をしっかり聴きつつ、どちらの声が強くてもいけないので、そのバランスはめっちゃ考えましたね。

左からSHO、KAKERU、TOMOKI。
──「Dopemine」は「変える世界」「誰もできないこと君としたい」など、グループの勢いを加速させるような歌詞も印象的です。
TOMOKI D.O.Lは歌詞で伝える曲とサウンドで伝える曲があって、「Dopimine」はサウンドで伝える曲だと思っています。歌詞は語感の気持ちよさが重視されているというか。両A面のもう1つの「Melty Berry」は前者なので、その対比も楽しんでほしいですね。「Melty Berry」は最後のMINATOが歌う歌詞が特に印象的で。
MINATO 「こんな僕で良ければ好きになってくれますか?ねえ」っていう歌詞なんですけど……告白する気持ちで歌ってますね。僕、締めの部分を歌うことは初めてなんです。かわいい系の曲は自分の声質に合っていることもあって、「Melty Berry」は締めを担当させてもらいました。自分の声質を生かしつつ、告白する気持ちでいつも歌っています。
KAITO そのMINATOの最後のパートは本当に告白してるような雰囲気があるのでドキドキしましたね。ファンの方もそういう気分が味わえるんじゃないかなって。あと、HOROKIの声も甘い成分が多めなので、この曲にすごく合ってる。ドキドキしました。
TOMOKI 振付は女性の振付師の方に担当いただいたんですが、「Dopamine」とはまったく異なる振りになっています。衣装も含めてギャップが大きい。
SHO 「Melty Berry」の振付は、真似しやすくてTikTokとかと相性がいいんじゃないかと思ってます。楽曲の“スピードアップバージョン”も配信したんですけど、これもすごくかわいくて。ライブで踊るときはぴょんぴょんジャンプしながら踊っていて、耳にも目にも残るような曲です。
KAKERU サビの振りが特にかわいいよね。
RUI 全体的に楽しくてかわいい雰囲気の曲なので、自分のあざとさを全面的に出せるなと思ってます。これまでのD.O.Lにはなかった曲調ですし、僕はとても好きな曲ですね。

左からNAOTO、RUI、KAITO。
──両極端な2曲が収められた両A面シングルですが、D.O.Lのどんな武器が出せた作品になったと思いますか?
IBUKI 例えばMINATOのかわいい声質とか、各自の“武器”が生かせるチャンスがたくさんある2曲ですね。聴いてくれた人や見てくれた人が「このグループいいな」と思ってもらえるきっかけが、いろんなところにちりばめられていると感じるので、そういう意味でも2曲を同時にリリースすることに意味があるんじゃないかなって。
──今のD.O.Lが目標としていることはなんでしょうか?
IBUKI 近々の目標としては、5月15日にO-EASTで行うワンマンライブで1000人を動員することです(※取材は4月中旬に実施)。あと、この両A面シングルでオリコン1位を取りたいですね。長期的な目標としては……夢は大きければ大きいほどいいと思うので、上限は定めずに世界に羽ばたきたいです。
TOMOKI これまではずっと全員での総力戦で活動してきました。今年は結成5年目なので、それぞれが持ってる強い個性をさらに生かして、個々でもいろいろな場で活躍できたらいいなと思ってます。そうすることで、9人が集まったときに生まれるパワーもより大きくなると思うので。今はそれぞれがTikTokやInstagramに力を入れて自分の可能性に挑戦していて、刺激を与え合っていますね。
NAOTO D.O.Lはもともと所属事務所がない状態からスタートしたグループで、まだメジャーデビューもしていません。いつかはメジャーデビューもしたいですし、日本武道館や東京ドームでライブもやりたい。何もないところからスタートした僕たちだけど、大手事務所のグループがやっているようなことを成し遂げたいと思っています。
IBUKI インタビューを読んでいる方にはぜひ一度、生でD.O.Lのライブを観に来てほしいですね。僕たちの魅力は実際にステージを見てもらうことで最大限に伝わると思っているので。

D.O.L
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🧠 編集部の感想:
D.O.Lのインタビューを読み、彼らの個性とチームワークに感動しました。新しいメンバーが加わったことで、さらなる成長と新たな音楽の可能性を感じます。攻めの姿勢と甘さが共存する楽曲に期待が高まりました。
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