火曜日, 6月 24, 2025
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Claude Code時代のアプリ開発手法


TL;DR

Claude Codeによる開発体験の変化

みなさんClaude Code使っていますか?

Clineやそのフォーク、Cursorなどが群雄割拠していたところからここ1ヶ月くらいで急激に話題の中心に躍り出たClaude Codeですが、便利なツールという評価を超えて、これまでの開発フローを一新しうる可能性を持ったツールだと思います。

特に、与えられたタスクを分解して様々なツールを使いながら順に機能を実装していく様子は経験を積んだエンジニアのやり方そのものです。

CLIベースのツールであることの利点として動かすコンピューターを選ばないので、公式のGitHub Actions連携をすれば手元に開発環境がなくてもIssueやPull Requestのチャットで会話をしながら開発を進めることまでできてしまいます。

Claude Codeとアプリ開発の相性

そうはいっても、Claude Codeをうまく使うためにはまだまだ工夫が必要で、出力されたコードをノールックでマージしてそのままリリースというわけにはいきません。

現時点ではコードの品質管理を全てAIにさせることはできないため、生成されたコードをレビューし、動作確認をし、作られたものが仕様を満たしているかをチェックするのは未だエンジニアの仕事です。

AIによって開発が高速化した現在において、この「仕様決め」→「実装」→「コードレビュー」→「動作確認」のイテレーションをどれだけ早く回せるかが、開発効率を大きく左右するのは間違いありません。

これを踏まえて考えてみると、サーバーやWebの開発体験と比べてiOS、Androidアプリの開発はAIと相性がいいとは言えません。特に影響が大きいのは以下の点です。

開発ツールの環境依存が大きい

iOSはXcode、AndroidはAndroid Studioで開発することを前提として作られており、統合開発環境への依存度が大きいです。
またiOSアプリはmacOSでしかビルドできないため、CI上でビルドするにもコストの高いmacOSインスタンスを使う必要があります。
リンターやフォーマッターなどの基本的なツールチェーンも統合開発環境に組み込まれていることが多いため、

ビルドに時間がかかる

ビルドの高速化のためのテクニックはあるとはいえ、アプリのビルドには分単位の時間がかかります。
規模の大きいアプリでCIに20分かかるのはよくあることですが、GitHub ActionsでClaude Codeが出してきたPRを確認するだけで20分かかるのは大変手間です。

ビルド後のアプリを実行するハードルが高い

APIサーバーやWebの開発ではPRごとにプレビューURLを発行して簡単に試せるような仕組みが浸透してきていますが、アプリ開発で同様の体験を得るのは難しいです。
例えばiOSアプリは野良アプリを簡単にインストールすることはできないので、CI上でアプリをビルドしたらTestFlightにアップロードして、そこからインストールする必要があります。

リリースにかかるリードタイムが大きい

デプロイすればすぐにユーザーに新しいバージョンを届けることができるサーバーやWebの開発とは違い、アプリは必ずAppStoreないしGoogle Play Storeの審査を通す必要があります。
最近は審査にかかる時間が早くなってきたとはいえ、小さな改善や致命的なバグ修正でも1日程度更新を待つ必要があるのは大きな障壁です。

Claude Code時代のアプリ開発手法

以上のような課題を解消できる有力な選択肢がExpo(React Native)です。

https://docs.expo.dev/

ExpoはReact Nativeアプリの開発・デプロイをシンプルにする強力なフレームワークです。Expoを利用することで、ネイティブコードのビルドや環境構築の手間を大幅に削減できます。

bun, biome, tsgoによる高速自動テスト

Claude Codeにうまく働いてもらうには、適切なガードレールの整備が必須です。
開発初期から品質を担保するために、bun、biome、tsgoなどの最新ツールを導入しましょう。


Claudeがタスクの終わりに自動でコードの品質をチェックしてくれる

  • bun: 超高速なJavaScriptランタイムで、依存パッケージのインストールやテスト、スクリプトの実行が迅速になります。
  • biome: コードフォーマットやLint、型チェックを一括で実行でき、CI/CDの自動化にも最適です。
  • tsgo: TypeScriptの型チェックやコード生成を効率化し、大規模開発でもパフォーマンスを維持します。

プロジェクトのCLAUDE.mdに、タスクの完了前にこれらのツールを必ず通す旨を書いておくことで、人がチェックする前にCIが問題に気づきやすくなります。
機械的に弾けるチェックで人間の時間を使うのは無駄なので絶対に導入しましょう。

ExpoのOTAアップデートで即時プレビュー

ExpoのOTA(Over The Air)アップデート機能を活用すれば、アプリのコードを変更した際、App StoreやGoogle Playを経由せず、即座にユーザーやチームメンバーの端末に反映できます。
さらに、Pull Requestごとにプレビュー用のビルドを自動生成すれば、レビュー担当者が実際の動作をすぐに確認でき、フィードバックの質とスピードが向上します。

Expo Application Services(EAS)とGitHub Actionsを組み合わせることで、CI/CDパイプラインをさらに強化できます。
expo/expo-github-action を利用すれば、Pull Requestごとに自動でプレビュー用アプリをビルドし、リンクをコメントとして残すことが可能です。これにより、コードレビュー時に「実機での動作確認」が手軽に行えるようになります。

PRにコメントされたQRコードを読み込むとアプリが実行される
PRにコメントされたQRコードを読み込むとアプリが実行される

OTAアップデートでユーザーの端末にも即時反映

ExpoのOTA(Over The Air)アップデート機能を活用すれば、開発中のプレビューだけでなく、アプリのコードやコンテンツの修正をApp StoreやGoogle Playの審査を待たずに、ユーザーの端末へ即座に配信することもできます。
これにより、バグ修正や新機能のリリース、文言の微調整などを素早く反映でき、ユーザー体験を常に最新の状態に保つことが可能です。


ストアの審査を介さずに直接ユーザーの端末にアップデートを届けられる

まとめ

これまでも開発体験の向上という名目のもとに、ビルドの高速化や開発ツールの導入がされていましたが、AIによってかつてないほどに開発が高速化してしまった現在においては、このような周辺ツールの速さがプロダクトの品質に直結するようになりました。

リンターやフォーマッター、テストツールはすでに「あったら便利なもの」でなく、「なければ生産性を著しく下げるもの」になりました。
Copilotが賢い補完をしてくれて便利だねなんて言っていた1年前とはすでに隔世の感がありますね。



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