OpenAIは2025年4月17日、ChatGPTの最新モデル「o3」と「o4-mini」を発表しました

どちらも、プロンプトを複数のパートに分けてから、一度に1つずつ対処する推論モデル。目指しているのは、ほかのモデルよりもリクエストの意味を深く考え、精度の高い回答に辿り着くことです。

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OpenAIの「もっとも高性能」な推論モデルが可能にする機能は数多くありますが、SNSの一角を賑わせている機能の1つは「位置推測(geoguessing)」です。

つまり、画像に写っている情報のみを分析して、その撮影地を特定する機能です。

推論とウェブ検索だけを使って撮影場所を特定

TechCrunchによれば、一部のXユーザーたちは、適当に選んだ写真を使って撮影地の特定をo3に頼んだところ、すばらしい結果が表示されたという体験談を投稿しているようです。

o3は、写真がどこで撮影されたのかを推測し、その根拠を説明します。推定の根拠になるのは、写真に写っている車のナンバープレートの色や、標識に使われている言語や書き方などです。

一部のユーザーによると、この位置推測には、「撮影地の特定に役立つ、画像に隠されているメタデータ」は使われていません。つまりこうした人たちは、o3と写真を共有する前に、その写真からメタデータを取り除いているのです。

ということは、理屈のうえでは、o3は推論とウェブ検索だけを頼りに位置を割り出しているということになります。

たしかに、これはChatGPTの楽しい使い方の1つではあるでしょう。位置推測はオンラインで大流行しているので、やりやすくするのは喜ばしいことなのかもしれません。

しかし他方では、この機能がプライバシーとセキュリティーに及ぼす影響も無視できません。o3を利用できる人なら、本来なら撮影地がわからないはずの写真をもとに、「誰がどこに住んでいるのか、いまどこに滞在しているのか」を特定できてしまうのです。

ネットの噂が信じるに値するのか否かを確かめるべく、私もGoogleストリートビューの画像を使って、o3の位置推測の実力をテストしてみました

実際にやってみたところ、幸いにも、この機能が完璧とは程遠いことがわかりました

その精度は、4oなどの非推論モデルのそれを大きく上回るものではないようです。

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試してわかった「o3の推論プロセス」

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