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2025年5月16日,HPは,ゲーマー向け製品ブランド「HyperX」から,新型ワイヤレスヘッドセット「HyperX Cloud III S Wireless」と「HyperX Cloud Jet Dual Wireless」を国内発売した。
税込価格は順に2万2980円,1万1980円である。
本稿では,同日に東京都内で行われた発表会で説明された,HPのゲーマー向けサービス「OMEN AI」(オーメンエーアイ)の情報も合わせて紹介しよう。
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HyperX Cloud III S Wireless
HyperX Cloud III S Wirelessは,2023年9月に国内発売となったワイヤレスヘッドセット「HyperX Cloud III Wireless」をベースに,新しくBluetooth接続機能を取り入れた製品だ。
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ベースとなったHyperX Cloud III Wirelessは,53mm径の大型スピーカードライバーの採用と,付属のUSBワイヤレスアダプタを使う独自方式低遅延ワイヤレス接続が特徴のヘッドセットだった。HyperX Cloud III S Wirelessでは,これらの特徴はそのままに,Bluetooth接続機能を加えて,最大200時間のワイヤレス再生を可能としているのがポイントである。
これにより,独自方式でPCやPlayStation 5/4,Nintendo Switchと,Bluetoothでスマートフォンでも使えるようになったわけだ。
また,着脱可能なブームマイクに加えて,左イヤーカップ側にインラインマイクも内蔵。ブームマイクを持たずにスマートフォンとBluetooth接続して使っている状態でも,音声通話ができるようになっている。
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大型スピーカードライバーなど音響周りの仕様は従来製品を継承しているようなので,音質面でも期待できそうだ。
そのほかに,HPのゲーマー向けノートPC「OMEN MAX 16」は,HyperX Cloud III S WirelessやHyperXの一部ゲーマー向けマウスに対応するUSBワイヤレスアダプタ機能を内蔵しているので,これと組み合わせる場合は,USBワイヤレスアダプタが不要になるという珍しい特徴も有する。
もうひとつの新製品であるHyperX Cloud Jet Dual Wirelessは,「カジュアルプレイヤー向け」を謳う比較的低価格なワイヤレスヘッドセットだ。こちらもHyperX独自方式の低遅延ワイヤレス接続と,Bluetooth接続に対応する。
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未使用時にははね上げてミュートにできるブームマイクを左イヤーカップに備えるほか,独自方式時は最大20時間,Bluetooth接続時は最大25時間のバッテリー駆動が可能なことが特徴だ。
機能面で特筆すべき点はあまりないが,独自方式ワイヤレスとBluetoothに対応するゲーマー向けヘッドセットで,税込約1万2000円という手に取りやすい価格は,初めてのゲーマー向けヘッドセットを求める人に歓迎されるだろう。
そのほかにもHPは,ワイヤードヘッドセット「HyperX Cloud III」(関連記事)のカラーバリエーションモデルとして,「ホワイト – ピンク」を5月16日に発売した。税込価格は1万2980円である。
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PCの設定とゲームのグラフィックス設定をまとめて最適化してくれる「OMEN AI」
HPは2025年1月に,独自のゲーマー向けサービス「OMEN AI」を発表している(関連記事)。これは,同社製のゲーマー向けPC「OMEN」や「Victus」,および一般消費者向けPCに対応する統合ソフトウェア「OMEN Gaming Hub」に組み込まれた新機能だ。
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OMEN AIを簡単に言えば,PCのスペックに合わせて,ゲームのグラフィックス設定を自動で最適化してくれるというものだ。
大抵のPCゲームには,大量のグラフィックス設定項目がある。中にはどういう意味がある機能か分かりにくいものもあり,PCとゲームグラフィックスに関する知識がない人には,適切に設定するのが難しい。
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こうしたグラフィックス設定を自動最適化してくれるものは,すでにいくつかある。NVIDIA製GPUで使える無料ソフト「NVIDIA App」(旧称:GeForce Experience)は,そうしたソフトウェアの一例だ。
それに対してOMEN AIは,eスポーツタイトル向けにフレームレートを最大化できるよう,ゲームのグラフィックス設定だけでなく,PC側の設定も自動で最適化してくれる。OMEN AI自体に設定項目はとくになく,機能をオンにするか,オフにするかを選ぶだけだ。
ゲームのバックグラウンドでOMEN Gaming Hubを起動しておくと,PCの仕様(CPUやGPU,メモリ容量など)や動作状態,対象ゲームのグラフィックス設定,プレイ中のフレームレートなどを,HPのクラウドサーバに送信する。そうして集められた世界中のユーザーからの情報をAIで解析して,ユーザーごとの環境に適した設定を作ってユーザー側に送り,自動でPCとゲームの設定を調整してくれるというのが,OMEN AIの仕組みだ。
これにより,ユーザー側では難しいグラフィックス設定のコツを理解していなくても,最適な設定でゲームをプレイできるのである。ゲームによっては,フレームレートが50fpsも上がることもあるそうだ。
今のところ,OMEN AIが対応するゲームは少なく,Counter Strike 2,Apex Legends,League of Legendsの3タイトルのみ。これに加えて,VALORANTやFortnite,Call of Duty: Modern Warfare 3,Red Dead Redemption 2が今後の対応タイトルに挙げられている。基本的には,eスポーツタイトル向けにフレームレートを最大化する方向で調整するそうだが,eスポーツタイトルではないRed Dead Redemption 2の場合は,グラフィックス品質を上げるといった違う方向性で調整するのかもしれない。
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ユーザー側のPC仕様や動作状況の情報を,クラウド側で収集,解析して,PCの最適化を行うというソリューション自体は,すでに存在する。ただ,ゲームに特化して,PCとゲームのグラフィックス設定の両方をまとめて最適化してくれるというのは,OMEN AIが初の試みではなかろうか。
当然ながら,HPのPCでしか利用できない機能ではあるものの,すでに発売済みのPCでも利用できるそうで,GeForce RTX 30世代のPCでもフレームレートを大きく向上できるとのこと。ゲームPCの購入を検討している人で,ゲームのグラフィックス設定がよく分からないという場合は,OMEN AIを利用できるHPのゲームPCを選ぶというのも,ありかもしれない。
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HPのHyperX製品情報ページ
HPのゲーマー向けPC製品情報ページ
🧠 編集部の感想:
HPの新しいゲーマー向けワイヤレスヘッドセットは、Bluetooth接続にも対応しており、利便性が向上しています。特に最大200時間の再生時間は、長時間のゲームセッションに最適です。音質も期待でき、価格も手頃で、初心者にも魅力的な選択肢となるでしょう。
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