Android 16のMaterial 3 Expressiveがもたらすのは、スマートフォンやウェアラブルに宿る「みずみずしくて遊び心あふれる、ちょっぴり魅惑的な」新たな躍動感だ──。
くねくね、ぷるぷる、ふんわりとした動き。これは、Android 16のまったく新しい外観「Material 3 Expressive」の話だ。この新デザインは、同社が掲げてきた「マテリアルデザイン」の全面的な刷新によるもので、火曜日のライブ配信『Android Show』の中で初披露された。
人気ブランドや製品がデザイン変更を行うと、必ずと言っていいほど反発の声が上がるものだ。私自身もかつて何度も眉をひそめてきた。でも今回は違う。今日はむしろ、心が躍っている。
その主な理由は、同デザインの弾けるような躍動感だ。この新デザインがAndroid 16やWear OS、Googleの各種アプリにも導入されることで、色使いからフォント、さらには繊細なアニメーションまでが刷新される。また、あなたのスマートフォン画面は、他の誰とも違って見えるようになる。

Android 16には、この音量調整アニメーションのように、心地よく繊細な動きが散りばめられている(Jesse Orrall/CNET)
そもそもAndroidにおける「パーソナライズ」は目新しい概念ではない。2020年に至ってようやく外観のカスタマイズを許容し始めたiOSとは違い、Androidはずっと以前から、ユーザーが思い通りの外観を作れる自由さを売りにしてきた。
ただ今回のアップデートについては「私たちのデザイン言語において、ここ数年で最大の進化」と、Googleのプロダクトマネジメント兼ユーザーエクスペリエンス担当VPのミンディ・ブルックスは強調している。
Android Showのステージでブルックスは、Material 3 Expressiveの基盤となる「モーション・フィジックス・システム」の魅力をこう語った。
通知をスワイプで消すときには「やわらかく震えるような振動フィードバック」が伝わり、「アプリを閉じようと指を動かすと、残されたアプリたちがそっと寄り添い、指を離した瞬間には、まるで水滴が流れ落ちるようなアニメーションが広がります」
この新しい動きの感覚を、僕は「Androidのゼリー化」と考えている。その魅力は、単なる視覚的な楽しさを超えて、テクノロジーが積み上げてきた進化の道のりをはっきりと感じさせてくれるところにもある。
10年前、Googleが初めてMaterial Designを導入したころのスマートフォンは、指先のわずかな動きをリアルタイムでこれほどスムーズに再現できるほど高速でも滑らかでもなかった。仮にハードウェアが追いついたとしても、画面上のグラフィックが指の動きに即座に、シルクのようになめらかなアニメーションで応答することは夢のまた夢だったのだ。
もちろん、この新しいUIに否定的な声も出るだろう。しかし僕にとって、このデザインは楽しく、鮮やかで、何より生き生きとしている。
そして、あえて言わせてもらえば、ちょっと「少し気まぐれ」にさえ感じさせるのだ。古いスマートフォンにも新しいスマートフォンにも新たな命を吹き込みながら、僕たちが日々デジタル世界を軽やかに駆け抜けていくその動きに、テクノロジーが見事に追いついてきた証でもあるのだから。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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