AMDは21日(台湾時間)、Radeon RX 9070シリーズに採用されている「Navi 48」のダイを利用したAIワークステーション向けGPU「Radeon AI PRO R9700」を発表した。7月から提供開始予定で、現時点では価格は未定。
AI推論に特化した性能を実現するRadeon AI PRO R9700、カード4枚にスケールアップも
AMDは3月に一般消費者向けのGPUとして「Radeon RX 9070」シリーズを発表。Radeon AI PRO R9700は、そのプロフェッショナル向けバージョンで、グラフィックスワークステーションやAIワークステーション向けと位置づけられる製品になる。Radeon RX 9070シリーズと同じ「Navi 48」のコードネームで知られるダイを採用しており、CUの数などは基本的にはRadeon RX 9070シリーズそのものだ。
最大の違いはメモリ容量で、Radeon RX 9070、Radeon RX 9070 XTともに16GBであるのに対して、Radeon AI PRO R9700は32GB(GDDR6)と倍になっている。これは、製品ブランドに「AI」という文字が入っていることからも分かるように、メモリ容量が性能に影響を与えるAI推論での利用を意識しているためだ。半精度(FP16)のスループットは96TFLOPSで、INT4/スパース性利用時のAI推論性能は1,531TOPSに達する性能を実現する。TDPは300W。
強みはやはり32GBのメモリを搭載していることで、GeForce RTX 5080(16GB)と比較して、モデルサイズが大きくなればなるほど性能差が大きくなっている。
また、AMDのAI開発向けキット「ROCm」を利用すると、複数のGPUを束ねてスケールアップして利用することが可能で、4枚を束ねると128GBとなり、Mistral Large Instruct(128B、GPTQ4)やDeepSeek R1 Distill(Llama 70B、FP8)のような巨大モデルを利用したLLMも十分な性能で利用できるとAMDは説明している。
🧠 編集部の感想:
AMDの新GPU「Radeon AI PRO R9700」は、32GBのVRAM搭載と4枚差し対応で、AIワークステーション向けに特化した素晴らしい製品ですね。AI推論性能の向上に寄与するメモリ容量の多さが強みで、今後の開発に期待が高まります。この性能で大型AIモデルの利用が促進されることを願っています。
Views: 0