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概要
この記事は、人工知能(AI)技術を基盤としたオーダーメイドのソリューションを提供する株式会社Laboro.AI(5586)の最新半期報告書を分析し、その成長性や投資戦略について述べています。Laboro.AIはデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、顧客固有の課題を解決するカスタムAIソリューションを開発しています。業績は好調であり、企業の財務状況や市場での競合ポジショニングについても触れられています。
要約
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企業概要
- 名前: Laboro.AI
- 設立: 2016年4月
- 所在地: 東京都中央区銀座
- 上場: 東京証券取引所グロース市場(証券コード: 5586)
- ミッション: AIを活用したビジネス変革の推進
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ビジネスモデル
- オーダーメイドのAIソリューションを提供
- 技術力と課題解決能力が強み
- 幅広い産業へ対応
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業績ハイライト
- 売上高: 979,091千円(前年同期比37.3%増)
- 営業利益: 205,924千円(前年同期比205.3%増)
- 純利益: 142,102千円(前年同期比214.1%増)
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収益性分析
- 売上総利益が679,718千円(前年同期比43.6%増)
- 営業利益率は21.0%へ改善
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財務健全性
- 自己資本比率: 89.2%(高い安定性)
- 流動資産: 2,371,250千円で支払い能力に問題なし
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キャッシュフロー
- 営業キャッシュ・フローは275,620千円の収入(前年同期比増加)
- 市場環境
- AI投資が増加し、業界内の競争も激化している状況
このような要素から、Laboro.AIは継続的な成長が期待できる企業であり、投資対象として魅力的であるとされています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が各産業に押し寄せる現代において、人工知能(AI)技術はビジネス変革の核となる存在です。その中でも、オーダーメイドのAIソリューション開発で注目を集めるのが、株式会社Laboro.AI(以下、Laboro.AI)です。本記事では、同社が2025年5月12日に提出した第10期中間会計期間(2024年10月1日から2025年3月31日まで)の半期報告書(以下、本報告書)を基に、最新の市場動向やWebリサーチ情報を交えながら、Laboro.AIの事業内容、業績、成長戦略、そして投資対象としての魅力を多角的に分析します。AIという成長分野で独自のポジションを築く同社の「今後の見通し」と「投資妙味」を深掘りしていきましょう。
2. 企業概要とビジネスモデル
会社概要
Laboro.AIは、「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」をミッションに掲げ、各業界のリーディングカンパニーと共にAIを活用したソリューションをオーダーメイドで開発・提供する企業です(本報告書 P3)。
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会社名: 株式会社Laboro.AI (Laboro.AI Inc.)
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本店所在地: 東京都中央区銀座8丁目11番1号(本報告書 P1)
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代表者: 代表取締役CEO 椎橋 徹夫氏(本報告書 P1)
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設立: 2016年4月
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上場市場: 東京証券取引所 グロース市場(証券コード: 5586)(本報告書 P6)
事業内容と特徴:「カスタムAIソリューション」
Laboro.AIの主力事業は、顧客企業が抱えるビジネス課題に対し、最適なAI技術を選定し、オーダーメイドのAIソリューション(カスタムAI)を開発・導入する「カスタムAIソリューション事業」です。汎用的なAIツールを提供するのではなく、顧客ごとの個別課題解決に特化している点が大きな特徴です(本報告書 P3, P14)。
同社は、戦略コンサルティングから、AIモデルの設計・開発、システムへの組み込み、さらには運用までを一気通貫で支援する体制を構築しています。これにより、技術先行ではなく、真のビジネス価値創出に貢献するAIソリューションの提供を目指しています。
ビジネスモデルの強み
Laboro.AIのビジネスモデルの強みは以下の点に集約されます。
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高い技術力と課題解決能力: 最新のAI技術動向を常に把握し、複雑なビジネス課題に対して最適なAIを選定・開発する能力。
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カスタムメイドによる高付加価値: 顧客固有の課題に深くコミットすることで、汎用ツールでは実現できない高い成果と顧客満足度を追求。
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幅広い産業への対応力: 特定の産業に偏らず、多様な業界のリーディングカンパニーとの協業実績(本報告書 P3)。
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プロジェクト型収益モデル: 個別プロジェクトごとに契約を締結し、開発フェーズに応じた収益認識を行う。これにより、大型案件の獲得が業績拡大に直結。
サマリー:Laboro.AIは、オーダーメイドのAIソリューション開発に特化し、高い技術力と課題解決能力を武器に、幅広い産業のDX推進を支援する企業です。そのビジネスモデルは、顧客との深い共創関係と高付加価値提供に特徴があります。
3. 直近業績と財務分析
第10期中間期業績ハイライト
本報告書によれば、第10期中間会計期間(2024年10月1日~2025年3月31日)の業績は以下の通り、大幅な増収増益を達成しています(本報告書 P2, P11)。
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売上高: 979,091千円(前年同期比37.3%増)
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営業利益: 205,924千円(前年同期比205.3%増)
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経常利益: 206,955千円(前年同期比207.7%増)
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中間純利益: 142,102千円(前年同期比214.1%増)
この好調な業績は、堅調な顧客のDX投資需要を背景に、新規顧客獲得(6件)が進んだこと、そして既存顧客との継続プロジェクトや新規テーマでのプロジェクト獲得が進捗したことによるものです(本報告書 P3)。特に、生成AI技術への注目度の高まりも追い風となり、幅広い産業で積極的なAI投資が行われている状況がうかがえます(本報告書 P3)。
収益性の分析
売上総利益は679,718千円(前年同期比43.6%増)と、売上高の伸びを上回る成長を見せており、売上総利益率は69.4%(前年同期66.5%)と改善しています。これは、プロジェクトの高付加価値化が進んでいる可能性を示唆します。
販売費及び一般管理費は473,794千円(前年同期比16.7%増)に抑制されており、主に人件費及び先行投資としての採用費用によるものです(本報告書 P3)。結果として、営業利益率は21.0%(前年同期9.5%)と大幅に改善しました。
財務健全性の分析
2025年3月31日時点の財務状況は以下の通りです(本報告書 P10)。
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総資産: 2,845,177千円(前事業年度末比253,638千円増)
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純資産: 2,538,757千円(前事業年度末比147,440千円増)
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自己資本比率: 89.2%(前事業年度末92.3%)
自己資本比率は依然として非常に高い水準を維持しており、財務基盤は極めて安定的と言えます。有利子負債に頼らない経営が行われていることが推察されます。流動資産も2,371,250千円と豊富で、短期的な支払い能力にも問題はありません。
キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです(本報告書 P12)。
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営業活動によるキャッシュ・フロー: 275,620千円の収入(前年同期は30,200千円の収入)
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税引前中間純利益206,955千円に加え、売上債権及び契約資産の債権回収が進んだことが主な要因です(本報告書 P4)。
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投資活動によるキャッシュ・フロー: 3,037千円の支出(前年同期は5,248千円の支出)
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有形固定資産の取得による支出が主です(本報告書 P4)。
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財務活動によるキャッシュ・フロー: 5,337千円の収入(前年同期は1,509千円の収入)
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新株予約権の行使による株式の発行によるものです(本報告書 P4)。
この結果、現金及び現金同等物の中間期末残高は1,801,319千円(前事業年度末比277,921千円増)となりました(本報告書 P4)。営業キャッシュ・フローが大幅に改善しており、本業でしっかりと現金を稼ぐ力が強化されていることが確認できます。
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サマリー:Laboro.AIの第10期中間期は、売上・利益ともに大幅な成長を遂げ、収益性も向上しています。自己資本比率が極めて高く、営業キャッシュ・フローも好調であることから、財務基盤は盤石と言えるでしょう。
4. 市場環境と競合ポジショニング
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