🧠 概要:
この記事は、AIと共同で群像劇を執筆する実験に関する詳細なレポートです。著者は、AIの能力を利用して、複雑な設定の物語を構築し、その過程での発見や課題を述べています。
概要
- 主題: AIと人間の共作による小説執筆
- 目的: 複雑な群像劇をAIと共同制作することで、AIの特性を活かした物語創造の可能性を探る
- 進捗: 計画から実際の執筆までの過程とその成果について詳述
- 課題: AIの限界とその克服方法についての考察
要約
- 前提: AIによる文章生成が進化しており、人が書いたか判断が難しくなる現状。
- 手法: キャラクターや設定をAIと共同で構築する実験を実施。
- テーマ: 戦争よりも社会や文化を中心にした物語設定。
-
特長:
- 得意な点:
- 大量生産と書き換えのスピードが速い。
- シーン間のつなぎが得意。
-
プロットが明確であれば、肉付けが得意。
- 苦手な点:
- 時系列管理が弱い。
- 記憶や感情の一貫性を保つのが難しい。
- 笑いや感情を伴うセリフに弱い。
- 成果: 8時間で12,000字以上を生成、導入部の群像劇まで作成。
- 運用術:
- AIに依存せず、人間が設定やキャラクター管理をしっかり行うことが重要。
- AIに全てを任せるのは不可能だが、ある程度の量産は効率的。
- 未来の試み: キャラクター管理と時系列の外部データベースとの連携を模索中。
この記事は、AIと人間の共同創作が持つ可能性や限界を明確に示しており、今後の小説制作の新しい道を開く可能性があります。
まず 今回は前回の話ありきです。
(大変お手数ですが)前回の話を読んでない方はまず読んできてほしい。
前提の私の考えとしては今後「AIによってつくられる文章」というのは人が書いた物か判断できるわけもなく、その流れは止めようがないのでは?
だったら群像劇のような、複雑な設定の物語だったらお互いの長所を活かしてAI×人で広げられるんではないだろうか?という仮説を進めていった話です。
最後に誰かやってくれないかなぁと投げてみたんだけど、今AIが何ができるのか急激に変化している最中の旬のテーマではあるので面倒だけど自分でやってみるかと。
それで今回は、架空世界×群像劇(SF風)でAIと共作してみた率直な実験レポートをまとめてみる。
1. まずは設定集づくりから始める
今回のテーマは「戦いよりも社会・文化・構造」。活劇とか、転生とか、そういうのは人気を求める人がやればいいので自分は地味な設定をAIと会話して詰め込んでみる。
・イリュシオンという“未来を垣間見る”特別な物質を軸に、
・原油のように精製が必要、産地ごとに性質も違う。・それをどう扱うかで、国ごとの文化や社会構造が成り立つ。
・歴史が安定するにつれ「戦争」が忌避されるようになり、不確定な未来(戦争)が国を根本から揺るがす存在となった──。
国家観は「都市国家」レベル。首長・王・議長など小ぶりなトップがいる中規模国家が複数。大国・小国・辺境、価値観もバラバラ。物語に直接出てこない国まで含めて5つ以上の国家を設定。目的や歴史、イリュシオンへの向き合い方も全部違う。
こういう大元の会話をAIと続けていくと、「プロットに使える肉付き」は確かに速い。そして楽しい。
でもしかし、AIに丸投げすると「ありきたり」や「どこかで見た設定」になる罠には必ずハマる。
学んだコツ:・要らない設定は途中でどんどん消す。「いったん全部出させてから選ぶ」くらいの大雑把さが必要。・逆に「これだけは自分で考える」と1つだけ人間主導の変な国を作っておいて、AIに肉付けさせるのが一番使える。
・でも話しながら設定を広げていくのは楽しい。適当な場所で適宜「ここまでを まとめて」といえばまとめてくれるし楽。
2. AIの得意とダメなこと(本音レビュー)
得意分野
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大量生産と書き換えのスピードは人間離れ。
「このシーンを別キャラ視点で」「トーン変えて」「説明→セリフ調で」みたいな作業は秒速。 -
シーンとシーンの“間”を埋めるのはかなり上手い。
具体的な始点と終点(A、B)の指示を出すと、その間をそれっぽく繋げるのは得意。 -
プロットがはっきりしていれば、“肉付け要員”として文句なし。
箇条書きプロットを渡せば、それなりの文章に膨らますのは朝飯前。
苦手分野(というか致命傷)
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時系列・状態管理が致命的に弱い。群像劇や多視点をやると、ほぼ確実に「誰がいつ・どこで・何してる」がおかしくなる。
イベントの順番が崩れたり、キャラの行動が時空を飛び越えたり、ざらにある。
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“記憶・分岐”の一貫性を維持できない。
伏線・設定・キャラの感情や立場が「どっかで初期化」されたり、矛盾を量産する。 -
共感性羞恥心が爆発する“恥ずかしいセリフ”の連打。
唐突な告白、安っぽい感動、説教臭い独白…読む側が赤面するやつ、普通に出てくる。
学んだコツ:・時系列は絶対に確認。
・飛び石のように、自分の好きなシーンは詳しく書いて後はつないでもらうとそれなりの形になる
AIに 音楽とか絵とか生成させる時と同じ問題が付きまとうというのが総評かな。例えばStable Diffusionなどで生成絵を描いてもらっても、最初の頃は手の描き方がダメだったりして改善されるまではプロンプト職人たちの汗と涙の量を感じていたものだけど、ああいう隔絶した「苦手」がある。本当にとことん苦手なんだなぁと思う。
3. 実際どこまで書けたのか?リアルな進捗
ゼロからAIと8時間で12,000字超。・3人の主人公(別の国家出身)が、それぞれの生活から「共通イベント」に巻き込まれていく――導入の群像劇まで到達。・分量的には人力の2~3日分を、倍速以上で叩き出せる。
・プロットやキャラの初期設定がしっかりしていれば、AIは文句なく「書記」として使える。
主人公 3人
でも、その先――“キャラの成長”や“伏線回収”フェーズは、プロット表や設定シートの完全な管理がないとすぐに崩壊する。AIに「適当に書かせて面白くなる」ことはまず無い。
4. AI共作の現実的な運用術と限界
-
冒頭やプロローグの“量産・肉付け”はAIを酷使してOK。
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設定、時系列、キャラ変遷は人間がNotionやExcelでガチ管理し、AIには「今は何年・誰がどこ・何を知ってる」まで全部明示して書かせるくらいの手間が必須。
-
“AIに全部任せて読めるもの”は絶対にできない。最終的な面白さは「人間の編集・判断力」ありき。
-
逆に「AIに丸投げ→人間が削って整える」方式なら、今までの1/3以下の労力で1章分くらい書ける。効率は凄まじい。
次なる壁
これから試したいのは、「時系列とキャラ管理をどうやって“外部DB”で連携できるか」。※やるかどうかは かなり怪しいけれど。現状では、AIの苦手な「今どこ?誰が何を知ってる?」を、Notionやスプレッドシートで人間が“現在地”を明示しながら都度渡すしかない。この部分がもう少し自動化できれば、AI小説共作の可能性は跳ね上がる。
そして、面白い“AI事故例”もたくさんあるので、いつかそれだけで一記事書いてみたい。
今回作ってみた設定集(ごく一部)
● イリュシオン(Ilusión)「未来の記憶の断片」が周期的に“結晶化”する希少鉱石。採掘・精製・観測によって国家や社会に“未来の断片”をもたらす資源。採掘は数年ごとに訪れる彗星イベントと強く結びついている。戦争や混乱はイリュシオンを消失させる=未来を奪うタブー。● 彗星イベント・暦周期型彗星:6年ごとに訪れ、全世界で「星祭(Comet Festival)」として豊穣と未来を祝う大祭。乱入型彗星:ごく稀に予測不能で現れ、国家や暦、社会構造に激変・恐怖・伝説的事件をもたらす。暦名:イリュシオン紀(IE)。1年=12ヶ月×28日。主要祝祭はアリスタ月27日(星祭前夜)。暦の例:IE241年 アリスタ27日 星祭前夜● 各国・文化バルサラ王国:精製技術立国。王家と分家、職能貴族による身分社会。共通語「バルサラ語」。シェリア国:議会・祭祀・民意の国。祭り・歌・祈りによる合意重視の文化。議長・祭祀が要職。ヴァレニア国:商業都市国家。流通・あだ名文化。似た名前が多く、庶民は愛称で呼び合う。各国でイリュシオンの採掘場や結晶の性質、社会制度、専門職の重みが異なる。● 専門職・社会構造精製士(ラフィナドール):バルサラ王国の精製技術者。分家・本家の身分差も。議長・祭祀(コンセンサドール):シェリアの民意集約・祭祀役職。カリスマ性が重視。鑑定士(タサドール):ヴァレニアの流通・市場・裏社会で重宝される職能。専門職ごとの出世コース・社会的地位・ギルド制度などが発展。● イリュシオンの性質「精製しやすい」「特殊属性」「安定型/不安定型」「協調型」「集合意思型」など、採れる国ごとに違いがあり、文化や価値観に直結。国家や組織規模で“未来を左右する”ほど重要。結晶の等級・真贋・用途判定に社会的な価値・争奪が発生。● 戦争・安定・未来戦争はイリュシオンの消失(=未来の消失)として最も嫌われる。安定した社会・和解・祈り・共同体の強さが“鮮明な未来”を生む仕組み。秩序(周期型星祭)と混沌(乱入彗星)が共存する社会。◆ 暦(カレンダー)サンプル紀元名:イリュシオン紀(IE)年例:IE241年月名例:セリス、リアナ、バラト、ザフィア、ミルナ、サリア、オルミス、ティリナ、ファレド、ジュメル、ノエリス、アリスタ特別日:アリスタ27日(星祭前夜)周期:6年ごと星祭+ごく稀な乱入彗星(予測不能)◆ 主人公3人のプロンプト(キャラクター生成・描写・画像用)1. レイ・バルサリス(バルサラ王国・分家)町外れの精製士の若者。分家筋。2. ライラ・カターリ(シェリア国)シェリア国の議会・祭祀一族出身、10代後半~20代前半の女性。3. 熊目のサム(本名マルクス・ヴァレニア/ヴァレニア国)ヴァレニア市場育ち、20代前半の男性。赤みがかった肌、目の周りに印象的な“隈”がある。◆ 章立て構成(全10話)以下略。
AI群像劇・サム編(熊目のサム)小説草案 夜の台地は、まるで見上げる壁のようだった。 地面に這いつくばると、ずた袋の重さがじわりと肩に沈む。 袋の底には、巻き取ったロープと途中で抜き取った薬草の束、包みに入った固いパン、三本持ってきた水筒も、残る水はもうあと少し、切れ味の鈍いナイフ、火打ち石―― サムの六日間の全てが詰まっている。 パンは歯を跳ね返し、水は何度も残量を確かめた。 飲むたびに惜しくなる。 渇きは、薬草をちぎって口に放り、少しでも紛らわすしかなかった。 火も、三日前からはつけていない。 この断崖の茂みで焚き火をすれば、町からは隠せても詰所の兵士にはすぐ見つかる。 士気が低い兵士たちは、巡回の時間もまちまち。 昼は茶をすするだけ、夜はサイコロを振ってだらけている。 だが、いつどこに現れるかわからないからこそ、余計に油断できなかった。 熊のような目つき――いつからか、そういわれて「熊目のサム」と呼ばれるようになった。 熊は熊でも、でかくて強いあの熊じゃない。 盗人熊なんて呼ばれる、どちらかと言えば情けないベリーベアの方だ。 俺に似ているなんて言われたら、きっと向こうが腹を立てる。 そんな他愛もないことを、ここ数日、身動きもせずに潜んでいると、頭の隅で何度も考えてしまう。 ――運がない。そういう人生だった。 けれど、絶対に変えてやる。六日前から、ずっとそう思っていた。 今夜こそ、その時だ。 星祭の夜、空が裂ける。 台地の上、サムはずた袋を肩にしっかりと担ぎ、熊目にすべてを賭けて闇を這う。 閃光が地を叩く。 茂みから抜け出し、落下地点へと駆ける。 無数の石が夜露に濡れ、転がっている。 指先でひとつひとつ撫で、目に訴えかけてくるものだけを探す。 曇った表面。微かな色の違い。 “これだ” その重みが、指の奥に染みた。 サムは身を低くして、北端の断崖まで走る。 ロープを岩に巻きつけ、何度も背後を振り返る。 「うまくいきすぎてる時ほど、危ない」 自分に言い聞かせながら、闇に息をひそめ、祭りの遠い喧騒と、兵士の気配をじっと窺う。 誰も来ないとわかったとき、やっと呼吸が深くなった。 慎重に崖を降りる。 足場を探り、指が岩に噛みつく。 ようやく地面に降り立つと、しばらくその場に膝をついて息を整える。 その時―― 拾った石を薬草の束で丁寧に包み、ずた袋の奥に押し込む。 ロープも素早く巻き取り、荷物の底へ。 パンと水筒をもう一度確かめてから、サムは闇の中を静かに歩き出す。 夜明け前の町は、まだ寝静まっていた。 崖下から人気のない裏道をたどり、貧民街の外れまで帰ってきたとき、サムは心の中で小さく息をついた。 ――やった。誰にも見られていない。 そう思いかけた瞬間、石畳の陰から三つの影が立ち上がった。 「おい、熊目。あいかわらず景気悪いなー。隈がひどいぜ、熊目のサムよ」 一番前の男がニヤリと笑う。 「その隈、まるで泥棒熊の寝不足だな」 サムは足を止め、ずた袋を少しだけ背中に回す。 「用があるなら、手短にしてくれ。疲れてるんだ」 声に力はないが、目だけは泳がせない。 「お前がどこにいたかなんてどうでもいい。――で、伝説の場所には何もなかったのか?」 後ろの男がじろじろとこちらを舐めるように見ている。 「何もなかった」 サムは短く答えた。 「見つけたのは……せいぜい、黄鉱石くらいだな。石ころ一つ持って帰ったところで、腹の足しにもならねぇ」 三人は顔を見合わせてニヤニヤ笑う。 一番大きい男がサムの腕をつかみ、強引にずた袋を漁りはじめる。 薬草の束とパン、ナイフ、そして石を乱暴に引き出して確認する。 「これか?お前の“宝”はよ」 黄鉱石をつまんで見せつける。 「残念だったな。運も腕も、やっぱり持ってねぇ」 他の二人がけらけらと笑う。 「……服と袋の中の薬草、それにパンは返してやるよ」 石だけ持って、三人はそのまま裏路地へ消えていった。 サムは無言でパンを受け取り、ずた袋を肩に、静かに寝床まで歩く。 小さな寝床。 ボロ布の下でサムはようやく座り込み、しばらく何もせずに天井を見上げた。 悔しさがじわじわと腹に広がっていく。 だが、すぐにパンの包みを手に取る。 「……そんな事だろうと思ったよ」 パンを割る。 その中から、薬草でくるまれていた“あの石”が、静かに顔を出す。 サムは微かに笑った。 「石パンも、使い方次第ってね」 拳の中の石が、まだわずかに体温を残している気がした。 夜が明ける頃、サムは一度だけ町の表通りを歩いた。 宿の裏手に構えた小さな路地に、仲介屋の灯りがぼんやり灯っている。 サムはフードを目深に被り、そっと扉を叩く。 「約束どおり――“星夜の恵み、いちばん北の端で拾った”」 合言葉を呟くと、仲介屋は目だけで笑い、手短に耳打ちしてきた。 「貴族筋の買い手がついた。急ぎで渡したいらしい。宿の『双つ星亭』、二階の端部屋」 サムはうなずき、街のざわめきが増す前に足を運ぶ。 『双つ星亭』の階段を静かに上がり、指定された扉を三度ノックした。 部屋の中には、旅装のままの若い貴族が一人、机に手を置いて座っていた。 彼はサムを見ると、少しだけ緊張した表情で小さくうなずく。 「……君が売り手か」 サムは無言でずた袋から、薬草で包んだ石を取り出し、テーブルの上に静かに置いた。 貴族青年は慎重に石を見つめる。 「七年前もここに来た。空振りだった。今年こそは、と思ったが……」 そこまで言いかけて、首を振る。 サムは肩をすくめ、皮肉っぽく笑った。 「あんたは“仕事にふさわしい報酬”を、俺は“信頼に足りる未来の可能性”を。それで充分だろ」 青年は頷き、小さな宝石袋をテーブルに置いた。 サムはそれを確かめ、重みを手で確かめる。 「あんたも、目利きは大事にした方がいい」 短く言って、サムは背を向けた。 サムは宝石の袋を握りしめ、目を爛々と輝かせて暗い路地を歩いた。 「これで……俺の未来も、変わるか」 自嘲気味に笑いながら、薄暗い寝床に戻る。 宝石の袋は、寝床の奥、ほこりだらけの壊れかけた箱の底に押し込んである。 サムは祭りの日も、壁際にうずくまり、惨めそうな顔で一日をやり過ごした。 貧民街の祭り囃子が、遠くかすかに響いてくる。 「焦るな、今は動くときじゃない」 頭の中で何度も繰り返し、体の力を抜いた。 寝床を移すタイミング、信頼できる仲間の選別、商売の段取り―― 持ち札を何度も並べ替え、次の一手をシュミレーションし続ける。 だいたいのビジョンはできている。 宝石を元手に、小さな取引から始めて足場を築く。 ここからは運じゃない、自分の腕で未来をつかむだけだ。 祭りの夜、街が最も騒がしいその時―― サムが寝床でじっと身じろぎもせず、計画を頭の中でなぞっていたまさにその瞬間。 頭の奥に、二重の未来がねじ込まれるような、 光と影がぶつかる“波”が襲ってきた。 思わず額を押さえ、短く息を呑む。 「……なんだ、今のは……」 しばらくの間、サムは動けず、ただ祭りの夜の余韻を聞いていた。 波が過ぎた後も、頭の奥にまだ何かが残っていた。 自分のものなのか、誰かの記憶なのかも分からないまま、サムはしばらく寝床で天井を見ていた。 胸の奥に、奇妙な焦りが渦を巻く。 自分の未来が、さっきまで思い描いていたものとは違う場所にすり替えられたような、落ち着かなさ。 ――“俺にも、何かが見えたのか? ……それとも、見せられたのか?” 外では、祭りの太鼓もとっくに止み、 貧民街の狭い路地に、子供の泣き声と犬の遠吠えだけが染み込んでいた。 「……何か、変わったか?」 無精ひげに指をあてる。ざらついた感触が、夜の湿気とともに皮膚に残った。 これまでは、全部“運のせい”にできた。 だが今夜だけは、誰のせいにもできない。 自分で選び、自分で引き受けなければいけない―― そんな予感が、じわじわと重みになっていく。 “未来”は、向こうから転がり込んでくるものじゃない。 じっと握った拳に、じわりと汗が滲む。 サムは、ゆっくりと体を起こす。 夜明けまで、あと少し。 目の下の隈が、今夜も濃くなる。
サム編 こんな感じでした。
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