金曜日, 8月 29, 2025
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ホームニューステックニュースAIで要件精度を高めてチーム生産性を向上させる具体的な実践方法 ─ Cursor × MCP活用の実践録

AIで要件精度を高めてチーム生産性を向上させる具体的な実践方法 ─ Cursor × MCP活用の実践録



TL;DR(最初に要点)

  • AIで“手作業がゼロ”にはならない。でも要件の質は確実に上がる
  • 要件の質が上がると、後工程(実装・QA・説明)の往復が激減。結果的にチーム生産性3.2倍経大きく貢献。
  • コツは ①土台となる業務フローの整備 → ②Cursor×MCPの最小セット → ③軽量プロンプト+品質ゲート の三段構え。

1. はじめに:こんな悩み、ありませんか?

  • 要件がうまく伝わらず、差し戻しが多い
  • ドキュメント作成に時間がかかる
  • 仕様説明のやり取りが減らない

私も以前は同じでした。正直、「また口頭で補足すればいいや」と考えて実践していましたが、説明することで逆に私も含めてチーム全体で時間がかかっていました。

この記事では、現役PMの私が実際に使っているCursor × MCP × 業務フローの組み合わせを、成功談だけでなくつまずきポイントも含めて、体験談ベースで共有します。

2. 本記事で得られること

  • Cursorで要件の質を上げる具体的な方法
  • Cursor × MCP 連携の始め方と、構成の実例
  • AI活用を支える業務フロー整備のコツ
  • 実際に使っているプロンプト例、AI活用後の工程の詳細と考え方

3. なぜ「時間短縮」ではなく「要件の質」なのか

最初は「AI=時間短縮」と思っていました。が、私の場合チケット作成時間はあまり短くならなかったです。理由は以下です。

  • 全エンジニア向けチケットをAI経由でJira化 → 単純に件数が増えた。1チケットあたりの作成時間は短縮
  • 出力は全件レビュー&必要に応じて修正(プロンプト改善による削減の余地はある)

では何が良くなったかというと、要件の質が明らかに上がりあました。要件の質が上がる→後工程の質問と差し戻しが減る→実装/QAのスループットが上がる、という流れで、最大で3.2倍の生産性向上があったスプリントもあります。(※詳細は以下の記事を参照)

https://findy-tools.io/products/cursor/401/553

Before(よくある失敗パターン)

  • 事業部の依頼チケットをほぼそのままエンジニアへ
  • 背景・完了条件をざっくり記載し、非機能要件は抜けがち
  • 上記の結果、実装・QAでの問い直しや仕様ラリーが多発

After(AI活用後)

  • 背景・完了条件・非機能要件まで網羅した下書きがAIによる爆速で出力される
  • 仕様ラリーが激減、一部タスクは「エンジニア×AI」でそのまま実装可能
  • PMの“説明業務”が減り、意思決定と優先度調整に時間を割ける

4. まずは土台:AI活用を支える業務フロー

AI設定を触る前に、情報が自動で集まり、見える場所に整理される流れを用意します。ここが甘いと、AIの精度も運用の楽さも半減します。

ツールの役割分担(私の現場)

  • Notion:事業部を含む“全員が見える”一次受付。依頼はまずここに起票
  • Jira:開発チームの実行面。エンジニアは基本こちらを見る

    • Notion→Jiraはローコード連携で主要プロパティを同期(2重管理の摩擦を最小化)

依頼〜開発のオートメーション

  1. 事業部メンバーがGoogleフォームに入力
  2. ZapierNotionチケット自動生成Slackスレッド自動作成
  3. 追加情報はSlackスレッドで収集
  4. エンジニア依頼はJiraに変換し、Notionと相互リンク

このフロー、実は弊社PMMの小川さんによる神構築です。これがあるだけで、AIの入力素材が揃い、以降の運用が段違いに楽になりました(感謝)。

業務設計のコア

  • 起票のフォーマット化で抜け漏れを予防(背景・目的・要望/バグ内容等)
  • Slackスレッド自動立ち上げで“追い質問”を早期に回収
  • 具体情報の収集を徹底:AIは“それっぽい”推測をするため、具体性をより重視して情報を揃える

5. Cursor × MCP:最小セットの作り方

Notion/Slackに集めた情報を材料に、CursorでJiraチケットの下書きを作ります。

私のMCP連携

  • Notion:依頼・要望の一次集約を参照
  • Slack:起票通知と追記スレッド、その他の関連スレッドを参照
  • Jira:関連する過去のJiraチケット、バックログの依存チケットを参照
  • GitHub:関連PRや過去修正の参照

プロジェクトのclone

  • 関連リポジトリはローカルにcloneし、コード・設定・履歴を参照可能に
  • バグや調査系タスクは、Cursorが再現や原因当たりまで手伝ってくれることも

.cursor/rulesの記載

リードエンジニアの陳(Chen)さんによる整備。これがあることで、コードを読む必要があるケースや、過去の実装を参照しながら要件を書くときの動きがとてもスムーズになります。設定内容は記事リンクに詳しいですが、私の環境でもそのまま使っています。

https://zenn.dev/fastdoctor/articles/de25424a77cf77

6. 具体的なプロンプト例と設計方針、簡単に呼び出す方法(※要改善)

プロンプト設計、私流の工夫

  • タスク / ストーリー / バグ / コンソール作業など、チケット種別ごとにフォーマット作成
  • 情報過多にならないよう、なるべく簡潔なアウトプットとなるように作成指針を指示
  • Notion, Slackのリンクを貼る場所を準備、URLを貼るだけでも完結するように
  • Jiraチケットは自動作成ではなくコピペする(※結局全文チェックするため)。そのために、以下の指示をする
    • URLはテキストリンクではなくそのまま記載してもらう(Jiraが自動変換してくれる)
    • マークダウンはCursor上で展開してもらう。コピペできれいに整形される
  • リンク情報以外も記載できるよう、補足情報欄を設置。なるべく記載するようにしている。

運用の小ワザ:プロンプトはclipyのスニペットに登録し、/bug /story /ops のように呼び分けると、簡単にそれぞれのプロンプトを呼び出せます。

実際のプロンプト例(バグチケット作成用)

以下の情報(Notionバグレポート、Slackスレッドの会話等)をもとに、Jiraのバグチケットを以下のテンプレートに従って作成してください。

NotionバグレポートURL:
SlackスレッドURL:

補足情報:

作成指針(必ず守ってください):
- **簡潔性**:各項目は必要最小限の情報に絞る  
- **明確性**:技術者以外にも理解できる表現を使用  
- **完全性**:バグ修正に必要な情報は漏らさない  
- **実用性**:実際の調査・修正作業で参照しやすい形式にする  
- **緊急性**:バグの影響範囲と優先度を明示する  
- 具体性:添付画像や必要なURL情報は、URL形式のまま記載
 (※URLの前後にはスペースを入れる)

出力形式:マークダウン形式ではなく、Jiraにそのままコピーできるようにチャットに展開してください。

テンプレート:
---

## サマリ(Summary)  
【形式】[緊急度][影響範囲] - [バグの箇所]で[問題の現象]が発生するバグを修正する  
【例】[高][全ユーザー] - 患者詳細画面で処置記録が表示されないバグを修正する

## 説明(Description)  
バグの発見経緯、SlackやNotionでの議論の要点、原因の推定状況などを簡潔に記述

### 再現手順(Steps to Reproduce)  
バグを確実に再現できる具体的なステップを番号付きで記載  
【例】  
1. 管理者権限でログインする  
2. 患者一覧から特定の患者を選択する  
3. 「処置記録」タブをクリックする

### 期待される動作(Expected Behavior)  
本来どのように動作すべきか  
【例】処置記録一覧が時系列順で表示され、各記録の詳細が確認できる

### 実際の動作(Actual Behavior)  
現在発生している異常な動作  
【例】処置記録一覧が空白で表示され、エラーメッセージも表示されない

### 環境情報(Environment)  
- ブラウザ / OS:
- アプリバージョン:
- ユーザー権限:

### 影響範囲・重要度(Impact & Priority)  
- 影響範囲: 対象ユーザー数、対象機能  
- 重要度: 低 / 中 / 高 / クリティカル  
- 業務への影響: 定性的・定量的に簡潔に記述

### 修正作業内容(Fix Tasks)  
実施する調査・修正作業をチェックリスト形式で記載  
【例】  
[ ] エラーログとネットワークログの確認  
[ ] フロント/バックエンドの該当箇所調査  
[ ] コード修正の実装  
[ ] テスト環境での確認

### 完了条件(Definition of Done)  
チェック可能な修正完了の条件を記載  
【例】  
[ ] すべての再現手順で期待通りに動作すること  
[ ] 関連機能に影響がないことを確認  
[ ] UI/結合テストを実行し、通過

### 関連情報(Related Information)  
作業時に参照すべき外部情報をリンクまたは箇条書きで記載  
- スクリーンショット・ログ等:  
- 関連チケット:  

7. AIと共に生きる:信用しすぎない、でも活用する

上記の設定を行い、プロンプトを使えば、ある程度は品質の高いチケットを作れます。ただし、それだけで全部うまくいくわけではありません。特に気をつけたいのはハルシネーションです。

  • 課題

    • そもそもAIに完璧なインプットを渡すのは難しい
    • 不完全なインプットからAIが“推察”で補ってしまい、不正確な出力になることがある
    • しかも不正確でも自信満々に見える

以下、それぞれへの対策です。

①インプットの質/それによる不正確なアウトプットへの対策

対策:完璧なインプットは諦め、AIのアウトプットを修正する。

限られた時間で集められる情報だけを投げ、出力を人間が必ず確認するほうが早いです。私はAIのアウトプットを全件読み、

  • 意図していない内容の修正
  • 不足情報の追記
  • 自分で確かめきれない箇所への注釈(※AI生成で要注意である旨) を行っています。

※「自分で確かめきれない箇所への注釈」とは:AIが「このコード/データを修正してください」と具体に言及したが、その正確性を私が判断できない場合に、AIの提案であることと要確認であることを明記しておく運用です。

②不正確でも自信満々なアウトプットへの対策

対策:エントロピー(不確実性)を表示するプロンプトを入れる。

弊社エンジニアの宮田さんの“神プロンプト”を参考に、出力の末尾に自信度(エントロピー)の出力を必須化しています。これにより、どの部分に自信がある/ないのかを見抜きやすくなりました。

参考記事:もうすぐ出るはずなので、乞うご期待!

8. おわりに:まずは「1チケット」から試してみよう

AI活用の成果は仕組みで決まりますが、 仕組みは小さな1ステップから始まります。まずは肩の力を抜いて、以下を小さく始めてみてください。

  1. 1件、普段書いているJiraチケットをCursorに書かせてみる (プロンプト丸パクリでOK!)
  2. 全文レビューをし、プロンプトを改善する(※頑張りすぎない)
  3. clipyでプロンプトのスニペットを作ってみる
  4. 要望フォームをNotion連携で自動化してみる

肩の力は抜いたまま、まずは1チケット。次の自分を助ける仕組みを、少しずつ増やしていきましょう!この記事が少しでもPMの皆さんの参考になれば幸いです!



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