候補者の選別、メールの送信から作成までさまざまな処理を自動で行う「AIエージェント」が普及したことで、採用プロセスにAIを使う企業が増えています。ある企業は就職面接担当者としてAIを使用したのですが、不具合を起こしてしまい、候補者にその様子を暴露されました。
A.I. job interview: Job hunting was already hard. Then came the glitching HR robots.
https://slate.com/life/2025/05/jobs-ai-job-hiring-character-interview.html
ヒューストン在住の25歳、レオ・ハンフリーズ氏が公開した動画が以下。ハンフリーズ氏は自身の夢だった仕事に就くために面接に臨んだのですが、面接官の声が明らかに合成音声であることに気づき、さらに「when when when let’s let’s let’s」と意味不明な会話を続けられたため、眉をひそめました。
結局、この合成音声は一方的に話し続け、ハンフリーズ氏の声に応えることはなく、「質問に答えてくれてありがとうございます」と勝手に締めくくって通話を終わらせました。
その後ハンフリーズ氏は「素晴らしいエネルギーと人柄」を伝えてくれたことへの感謝のメールを受け取りましたが、メールの宛名はハンフリーズ氏ではない別の人でした。
何から何まで間違っていた面接についてハンフリーズ氏は「今回の出来事すべてに驚きました。最初は失望感を覚えました」と振り返っています。ハンフリーズ氏が公開した面接の様子には、「対面で面接する礼儀がない企業に時間をかける価値はない」「人事部から人間を排除するのは企業として最悪の行為だ」などの否定的な意見が多く寄せられました。
5年近く企業の採用活動に関するアドバイスをしてきたコンサルタントのマイク・ペディット氏は、「大量の候補者を選別することにAIの利点を感じています。以前は10人の面接しかできなかった企業が、AIのおかげで1000人の面接ができるようになったのです」と語り、企業がAIを利用することを候補者へ正しく伝えれば、許容されるのではないかとの見方を示しています。
実際にいくつかの企業では人事担当者のAIへの置き換えが進んでおり、IBMでは数百人の人事担当者が解雇されています。
IBMのトップが「AIで人事担当者が数百人クビになったがプログラマーと営業担当者は増えた」と語る – GIGAZINE
人事担当者500人を対象とした調査では、人事部は他の部門よりAI導入が早く進んでいるとの声が多く寄せられたとのことです。ペディット氏は「AIにはできない仕事をしている人事担当者は心配ありませんが、単純な仕事しかしていない人事担当者は、AIの到来を危惧すべきかもしれません」との意見を示しました。
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🧠 編集部の感想:
最近のAIを使った面接の不具合は、技術の進化と負の側面を如実に示しています。候補者にとって重要な瞬間に、機械が誤作動を起こすのは不安要素となりますね。このような問題が頻発すると、企業の信頼性も揺らぎそうです。
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