金曜日, 5月 30, 2025
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AIが変える財務の未来 – KPMGグローバルレポートから読み解く戦略と実践白石 誠 @ AI×経理×経企

🧠 概要:

概要

この記事では、AIの進化が財務部門に与える影響と、企業が新たな戦略をどう形成すべきかについて詳細に述べられています。特に、KPMGの「グローバルAIファイナンスレポート」に基づき、AI導入の現状や日本企業の遅れ、財務部門の役割変化、成功するための実践方法が説明されています。AIによる業務の自動化と効率化は、企業の戦略的意思決定にも影響を与える重要な要素とされています。

要約の箇条書き

  • AIの急成長: 世界の企業の75%がAIを活用中で、3年内にほぼ全企業が導入予想。
  • 日本企業の現状: 多くが1〜2年遅れ。遺産システムやデジタルリテラシー不足が背景。
  • 役割の変化: 財務部門は「数字の番人」から「戦略的パートナー」に進化。
    • 過去の記録から未来予測へ
    • 受動的から能動的な提案へ
    • 部分的から全体的情報提供へ
    • 定型的な作業から創造的価値提供へ
  • AI活用の利益: AIリーダーは他の企業の2倍の利益を得ており、ミス減少、スピード向上、意思決定支援、コスト削減等が実現される。
  • 実践方法:
    1. 小規模導入で検証(PoC)
    2. 社内でのAIリテラシー向上
    3. ルールベースからAIベースへのシフト
  • 結論: AIによる変革は現実であり、企業がこの波に遅れないことが重要。財務人材はこの変革の主役としてのチャンスを持つ。
  • AI導入の相談: 中小企業でも導入可能で、まずは小規模から試験的導入を推奨。

AIが変える財務の未来 - KPMGグローバルレポートから読み解く戦略と実践白石 誠 @ AI×経理×経企

「最後は、人力でなんとかしなきゃいけないんですよね…」という声、経理や財務の経験がある方なら一度は口にしたことがあるかもしれません。でも、そんな“仕方ない”が少しずつ変わり始めています。

AIの急速な発展により歴史的な転換点を迎えています。KPMGの2024年「グローバルAIファイナンスレポート」によれば、世界の企業の約4分の3が財務報告において既にAIを活用しており、今後3年以内にはほぼ100%の企業がAIを導入する見込みです。

1. 世界と日本企業の現状

AIの活用領域が財務報告だけでなく、財務管理、リスク管理、税務管理など財務機能全体に急速に広がっていることが明らかになりました。地域別では北米や欧州の企業が先行していますが、アジア太平洋地域でも急速にキャッチアップが進んでいます。

一方、日本企業の多くは世界の潮流から1〜2年遅れている状況です。その背景には、レガシーシステムの存在、財務部門のデジタルリテラシー不足、リスク回避志向、投資対効果の見えにくさなどの課題があります。

2. 経理財務部門の役割変化

AIの台頭により、財務部門は「数字の番人」から「戦略的パートナー」へと進化しています。具体的には、以下のような役割変化が起こりつつあります。

  1. 過去から未来へ: 過去の記録と報告から、未来予測と戦略提言へ

  2. 受動から能動へ: 依頼に応じた情報提供から、能動的な課題提起と解決策提案へ

  3. 部分から全体へ:財務数値のみの管理から、非財務情報も含めた統合的な経営情報の提供へ

  4. 定型から創造へ: 定型的な処理から、創造的な価値提供へ

この変革を成功させるには、財務プロフェッショナルのデータリテラシー向上が不可欠です。数字を「読む」だけでなく、データから「語る」ストーリーを見出し、経営判断に活かせる洞察を提供できる人材が求められています。
1~4の全てが経理人材が苦手とする分野かもしれませんね。

3. AIリーダーは「7個以上の利益」を実感

KPMGの分析では、AIの導入度によって「ビギナー&インプレメンター&リーダー」の3種類に分かれましたが、リーダーは平均で他の2倍の利益を得ています

  • ミス削減&精度向上(異常検知・入力ミスの自動補正)

  • スピード向上(レポート作成や財務分析の自動化)

  • 戦略的意思決定支援(シナリオ分析や予測モデル)

  • コスト削減(手作業業務の効率化)

  • 人材強化(属人化の排除とスキルアップ)

実務的にはExcelやスプレッドシートを多用していると思います。
AIでVBAやGASのコードを書いて自動化した結果、労力が2分の1以下になる場面は、けっこう多いのではないでしょうか。

4. 実務者が始める3つの実践

AIを使い始めるには、大がかりなシステム切り替えよりも、小さな成功体験の積み重ねが大切です。

  1. まずは小規模導入で検証(PoC)
     例:GASのコード作成やGoogle Sheetsと連携した異常検知

  2. 社内のAIリテラシー向上
     例:経理部門でAI勉強会を実施、生成AIの体験

  3. ルールベース→AIベースへ
     例:仕訳チェックのルールを段階的に自動化

普段、実務をやって感じていることとしては、実務的にAIの恩恵をもっとも受けるのは、VBAやGASのコードを作成してもらって自動化することではないかと感じています!
コードを自分で書くより、AIでやった方が時間的には10分の1以下どころか圧倒的に早いです。

4. 結論:AIは何ができるか以上に「何を始めるか」

AIによる変革は、もはや「来るべき未来」ではなく「既に始まっている現実」です。この変革の波に乗り遅れることは、単に業務効率の差にとどまらず、企業の意思決定スピードや戦略立案能力にも大きな差をもたらす可能性があります。

20〜40代の経理・財務、経営企画担当者の皆さんは、この変革の最前線に立つ世代です。
従来の「数字の番人」から「戦略的パートナー」へと財務機能を進化させる主役となるチャンスを手にしています。

変革は決して容易ではありませんが、その先には、より創造的で戦略的な仕事、より大きな組織的影響力、そしてより充実したキャリアが待っています!

今日から小さな一歩を踏み出し、AIと共に進化するプロフェッショナルを目指しましょう。

✅ いますぐ試せる「AI会計の始め方」

  • Googleスプレッドシートに月次データを入力

  • ChatGPT APIと接続し、異常値を検出

  • コメントを生成して社内資料に反映

このようなPoC(試験導入)はスクリプト一本で可能です。やってみると、「意外とすぐ動く」という感触がつかめます。

❓よくある疑問(Q&A)

Q. うちのような中小企業でもAI導入できますか?
A. はい、むしろ中小企業こそ効果が高いです。Google Sheets+無料枠APIで十分試せます。

Q. データが整っていないのですが…?
A. ルールベースで対応可能です。まずは「毎月見ているフォーマット」を整えるだけでも効果的です。

Q. ChatGPTは英語じゃないと使えませんか?
A. 日本語でも問題ありません。コメント生成など、むしろ日本語出力の方が適しています。

Q. セキュリティや社内承認が心配です
A. 外部接続なしの社内検証環境やローカルファイル連携でも対応可能です。PoC段階では個人環境での試行も許容されることが多いです。



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