木曜日, 5月 22, 2025
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Adobe Firefly でMV(ミュージックビデオ)を制作してみる – Blog 2025/05/21CreativeEdge CL+

🧠 概要:

概要

この記事では、Adobe Fireflyを使用してミュージックビデオ(MV)を制作する過程が詳細に説明されています。特に、実写表現に挑戦したり、視覚的な要素を調整しながら、AIを活用したコンテンツ作成の手法が紹介されています。最終的には、他の生成AIと比較し、クレジットの制限についても触れています。

要約 (箇条書き)

  • 目的: Adobe Fireflyを使ってMVを制作する。
  • 手法:

    1. Firefly Boards (beta)でプランニング。
    2. Visual intensityを確認。
    3. Suno AIで楽曲生成。
    4. プランニング結果をリファレンスプロンプトに反映。
    5. Firefly Image 4で動画生成用のリファレンス画像を作成。
    6. 動画生成とAfter Effectsで編集。
  • MVの構成要素:

    • 若い日本人女性アイドルギタリストを被写体に設定。
    • 特徴的な衣装や空間の演出。
  • 視覚的な適用量:

    • 値が小さいとプロンプトに忠実、大きいと美化されクリエイティビティが向上。
  • 楽曲生成: Suno AIを使用し、時間をかけて修正。
  • 動画生成のクレジット問題: 初期計画ではFireflyを使うつもりだったが、クレジット不足で他のツールを使用。
  • 結論: 動画生成の費用がかかるため、個人レベルではプロトタイプ止まりになるが、企業プロジェクトではコストパフォーマンスは良好。

  • クレジットの管理: 他のAIツールと比較し、Runway Gen-4が無制限プランとして選ばれる理由が説明されています。

この手順を通じて、AIを駆使したクリエイティブなコンテンツ制作の可能性と課題について深掘りしています。

Adobe Firefly でMV(ミュージックビデオ)を制作してみる - Blog 2025/05/21CreativeEdge CL+

3月の検証の続きです。

上記の画像生成AIモデルはFirefly Image 3です。
実写表現が苦手なモデルだったので、イラスト表現で30秒のアニメを制作しました。
今回は、新モデルで実写表現に挑戦しています。

今回の流れ:

  1. Firefly Boards (beta) でプランニング

  2. Visual intensity(視覚的な適用量)のチェック

  3. Suno AIで楽曲の生成 ※解説は省略

  4. Firefly Boards (beta)でプランニングした結果をリファレンスプロンプトに反映

  5. Firefly Image 4(標準モデル)で動画生成用のリファレンス画像を生成

  6. 動画生成

  7. After Effectsで編集 ※解説は省略

Firefly Boards (beta) でプランニング

MVのアイデアを発想したり、コンセプトイメージを作成する作業は、Firefly Boards (beta)を使用します。

Firefly Boards (beta) でプランニング開始
写真表現、イラスト表現の比較

Firefly Boards (beta)を活用したプランニングワークでは、大量に画像を生成しますので、Fireflyプランをお奨めします。

Firefly Standardプラン(月額:1,580円)でも、Firefly Image 4(標準モデル)の生成は「無制限」なので、かなりお得です。
クレジットが消費しませんので、思う存分、生成できます。

Fireflyプランなら「無制限」(※高性能モデルのUltraは20クレジット)
Firefly Boards (beta) で徹底的にプロトタイピングしておきます

他社の画像生成AIモデルでも試してみます。
Firefly Image 4の生成画像とリミックスすることも可能です。
ただ、他社のAIモデルの利用はプレミアム機能なので、Fireflyプランのユーザーのみ。
※現在、Fireflyに追加されているのは、OpenAI ImageGenとGoogle Imagen 3です。Firefly Boards (beta)には、FLUX 1.1 Pro / Ultraも追加されています。

2025年5月現在、追加されているのはOpenAIとGoogle
左:OpenAI ImageGen/右:Google Image 3

Visual intensityのチェック

Firefly Boards (beta)では、Visual intensity(視覚的な適用量)の値を指定できないため、Firefly webでチェックします。
最小限のプロンプトで値を変更しながら確認していきます。

A young Japanese female idol singer with short hair is playing an electric guitar.

視覚的な適用量:1
視覚的な適用量:5
視覚的な適用量:6

Visual intensity(視覚的な適用量)の値が小さいほど、Rawに近づきます。プロンプトに忠実になりますが、Rawですからクリエイティビティが低下します。
逆に、値が大きくなるほど「美化」する仕組みが働きます。クリエイティビティは高くなりますが、その影響でプロンプトから離れていきます。
今回は「視覚的な適用量:5」で生成します。

今回のMVは「それっぽい」イメージの集合体

今回は、特定のキャラクターや場所を設定していませんので、「それっぽい」イメージが生成できればOKです。

もし、登場させたいキャラクターがある場合は、プロンプト入力による画像生成ではなく、マルチモーダル入力を使います。
詳細は以下の記事をご覧ください。

MVの楽曲は、Suno AIで生成しています。
3日くらいかけて何度も聴き直して修正しているので、画像生成・動画生成より時間がかかっています。

Suno AIで楽曲を生成

Firefly Boards (beta)でプランニングした結果

構成要素

  • 被写体:
    若い日本人女性アイドルギタリスト(ショートのアッシュブロンド・ボブヘア)

  • 表情・ポーズ:
    口を大きく開けて熱唱しつつ、白いストラトキャスター型エレキギターを演奏

  • 衣装:
    白い長袖シャツ(袖まくり)+黒のプリーツミニスカート

  • アクセサリー:
    レイヤードしたゴールドネックレスとブレスレット、黒いギターストラップ

  • 空間:
    白い箱型の小部屋(1:1アスペクトで撮影)

  • 特殊演出:
    天井から激しい雨が降り、床一面が青い海のように冠水

  • 背景

    • さまざまなサイズのクマのぬいぐるみが壁沿いに多数積まれている

    • ピンクのハート形デコレーションと小さな電球型ライト

    • 右側の壁に木製のアナログ時計

  • ライティング:
    スタジオライトで被写体にフォーカス、鮮やかな色彩と浅い被写界深度

  • カメラ:
    正面ややローアングル、シャッタースピード速めで水滴を捉える

特定のキャラクターを登場させたり、意図したシーンを忠実に生成したい場合は、マルチモーダル入力を使いますが、偶然生成された好みのイメージで良いならテキストプロンプト入力で実行します。

リファレンスプロンプト:

A young Japanese female idol singer with short hair is playing an electric guitar. She is in a small, fairy-tale-like room with a huge number of teddy bears. Her expression is passionate, fully immersed in the music, as she shreds the guitar with energy. Her right hand is executing rapid fingerpicking with precision, while her left hand is a blur of motion, effortlessly performing high-speed legato runs, tapping sequences, and intricate sweeps across the fretboard. She is wearing a white shirt and black skirt, and is accessorizing with cute items such as necklaces, earrings and bracelets. It is raining heavily inside the room. The room is flooded with a huge amount of water. It looks like the sea.

Firefly Image 4 (標準モデル)で画像生成

この生成画像を動画生成のリファレンスにします。

Fireflyの生成拡張で16:9に変更する

補足:

ChatGPT o3を使えば、Fireflyの生成画像から必要な要素を抽出することができます。

Fireflyの生成画像をアップロードして…

この画像から人物だけを抽出できますか?
抽出した人物の背景は白にしてください。

Fireflyの生成画像から人物を抽出させる
抽出できた

例えば、着ている服や背景の中にある看板などを指定して、抽出できますので、Firefly Boards (beta)の素材を素早く準備できます。
人物なら切り抜き機能でもよいのですが、「持っているギターだけ取り出す」などは「切り抜き」では不可能なので、ChatGPT o3が役立ちます。

MVのプロトタイプ:

ラフに作成したプロトタイプです。
生成されたビデオの編集は、After Effectsを使っていますが、「どんな感じになるかな?」といったレベルの視覚化になります。
ラフ映像なので、リップシンクも使っていません。

Firefly Videoで動画生成できなかった

「Firefly でMVを制作する」という課題なので、動画生成もFireflyを使用するつもりでしたが、制作途中で生成クレジットを使い切ってしまうことが分かり、断念しました。

Firefly Proプラン(月額:4,780円)だと7,000クレジット付与されますが、解像度を下げて720p/5秒を選択しても「28回」しか生成できません。
1080pだと5秒で500クレジットなので「14回」で使い切ることになります。
全クレジットを動画生成に費やしても足りない。
※Firefly Premiumプランなら50,000クレジット付与されるので十分余裕がありますが、月額:31,680円です…

生成クレジットが足りない…ので生成できなかった

無制限プランのあるRunwayを使用する

KLING AIも無制限プランがないので、クレジットを追加購入する必要があり、Firefly Videoと同じくらいお金がかかります。
Google Veo 2はさらにクレジットを消費するので、Firefly Videoより高コストです。
結果、無制限プランのあるRunway Gen-4 一択ということに。

動画生成は無制限プランがあるRunway Gen-4で実行

RunwayのUnlimitedプランは月額95ドル(月払いの場合)なので、14,647円です。動画生成AIを本格的に活用している人なら理解できると思いますが、動画の無制限で月額:15,000円弱というのは恐ろしく安いです。この金額で大丈夫なのか心配になるくらい安い。
KLING AIの最上位プランは月額:92ドル(12,585円)ですが、無制限ではないのであっという間にクレジットを使い切ります。例えば、7,500クレジットを追加購入すると100ドルなので、Runwayのような(無制限が前提の)使い方をすると、3〜4万円くらいになってしまいます。

専門学校などで動画生成の講座をやると、このクレジット問題に悩まされます(講師は講座の準備にもクレジットを消費するので大変…)。学生にとっても、クレジットを節約しながらの作品制作はかなり厳しい….
結果、クレジットがあまり消費しない「体験レベル」の内容になってしまう。

※ちなみにRunwayもFireflyに追加される予定です(現在はGoogle Veo 2がFireflyに追加されています)。

MVの初期プロトタイプ(ラフな映像):

  • 再生時間:82秒

  • プランニング:Firefly Boards (beta)

  • 画像生成:Firefly Image 4(標準モデル)

  • 楽曲の生成:Suno AI

  • 動画生成:Runway Gen-4(※Firefly Videoはクレジット不足で断念)

  • 編集:After Effects

動画生成はお金がかかるので、趣味レベルだとプロトタイプ制作止まりになってしまいますが、これが企業プロジェクト(案件)なら、MVの制作費としては破格の安さです。
ここまで敷居が下がると、生成AIを売りにした映像制作はオススメできない…というのは理解していただけるかと思います…
できるだけ早く「生成AIがあまり役に立たない」領域で付加価値を。

関連講座:

更新日:2025年5月21日(水)/公開日:2025年5月21日(水)



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