
タイのKFC(ケンタッキーフライドチキン)は、若年層、特にゲームを楽しむZ世代へのリーチと短期間での売上向上という課題に対し、人気モバイルゲーム「PUBG Mobile」とのコラボキャンペーンを実施した。
この「KFC The Box x PUBG」キャンペーンでは、AnyMind Groupのモバイル広告プラットフォーム「POKKT」を活用したインタラクティブ広告を展開。
結果として、わずか4日間で限定メニュー27万食以上を販売し、マーケティングアワード「SMARTIES Thailand 2024」でシルバー賞を受賞するなど高い成果を上げた。
課題解決の切り札となった、
POKKTによるゲーミフィケーション広告
KFCタイランドが直面した課題は、限られたキャンペーン期間内に「PUBG Mobile」ファンを中心とする若年層へ効果的にアプローチし、話題性と売上を両立させることだった。
従来の静止画広告では没入感を提供しにくいため、よりユーザーの能動的な参加を促す体験型プロモーションが求められた。
その解決策として採用されたのが、モバイル広告プラットフォーム「POKKT」を基盤としたインタラクティブ広告。
この広告では、ユーザーが画面操作を通じてPUBG Mobileのキャラクター用スキンをカスタマイズできる機能を実装。
これは「ゲーミフィケーション(=ユーザーの関与や行動を促進する目的で、ゲームの要素やデザイン思考をゲーム以外の領域で応用する取り組み)」を用いた手法。
すなわちゲームの要素を応用してユーザーの関心や行動を引き出したもので、ゲームプレイに近い体験の提供により、広告への抵抗感を減らして自然な形でブランドとゲームの世界観を結びつけることに成功したのだ。
カスタマイズ体験の最後に商品「KFC The Box」の情報を提示することで、ゲーム上のエンゲージメントを実際の購買行動へと繋げる導線が設計された。
具体的な成果指標とキャンペーン効果
POKKTを活用した広告戦略は、具体的な数値によってその効果が裏付けられた。
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インプレッション:290万回
広範なターゲット層への広告リーチに成功したことを示す。 -
エンゲージメント率:10%
広告に対するユーザーの反応(クリック、インタラクションなど)の割合が高く、コンテンツへの関心の高さを示唆。 -
クリック率(CTR):1.3%
広告からキャンペーンページへ遷移したユーザーの割合も良好で、広告内容がターゲットの興味と合致していたことを示す。 -
平均滞在時間:29秒
遷移先のページでユーザーが一定時間滞在しており、内容への関心が見られた。 -
販売実績:4日間で27万食以上
キャンペーン開始後の短期間で、目標とした売上向上を達成。高い購買意欲を喚起できたことを証明した。
これらの結果は、インタラクティブな広告体験がユーザーの関心を引きつけ、最終的な購買行動にまで繋がったことを示している。
体験型広告が拓く、次世代マーケティングへの道筋
KFCタイランドとPUBG Mobileのコラボキャンペーン成功は、ターゲット層のインサイトを捉え、適切なプラットフォーム(POKKT)と手法(ゲーミフィケーションを用いたインタラクティブ広告)を選択した結果と言える。
情報提供のみではなく、「体験」を通じてブランドへの好意や購買意欲を高めるアプローチが、特にデジタルネイティブであるZ世代に対して有効であることを示した事例だ。
AnyMind Groupは、今回の成功と「SMARTIES Thailand 2024」での受賞を踏まえ、今後もPOKKTを活用したモバイル広告ソリューションを通じて、ブランドと次世代ユーザーとの効果的な接点作りを支援していく方針を示している。
ゲームとの連携やゲーミフィケーションの知見は、今後のデジタルマーケティング戦略において、ますます重要な要素となるだろう。この事例は、企業が変化する消費者行動にどう対応し、エンゲージメントを構築していくべきか、具体的な方向性を示唆している。
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