日曜日, 5月 4, 2025
ホームVideoニュースほぼ“復旧”も数百万人に影響 送電ルートに起因か…スペイン・ポルトガル大規模停電【報道ステーション】(2025年4月29日)

ほぼ“復旧”も数百万人に影響 送電ルートに起因か…スペイン・ポルトガル大規模停電【報道ステーション】(2025年4月29日)

スペイン、ポルトガルの両国全土で同時に発生した大規模停電。影響を受けた人の数は計り知れず、数百万人規模ということしかわかっていません。

停電から12時間以上が経過したマドリード最大の駅。

醍醐穣記者
「マドリードの鉄道の玄関口、アトーチャ駅です。駅の中には、停電の影響で目的地にたどり着けなかった人たちが毛布にくるまって休んでいます。こちらのフロアだけでなく、下のフロアにも多くの人が横たわっていて、皆さん、非常に疲れた表情を浮かべています」

なかには、電車内に閉じ込められたという人もいました。

アルゼンチンからの旅行者
「(Q.どのくらい車内に)10~11時間です。何も食べるものがない。水も、何もない状態だった」

旅行中だった日本人留学生の井上夏希さん(21)も、巻き込まれた1人です。

井上夏希さん
「まだましだったのが、お水と毛布の配布があったのと、みんな、優しい。結構、同じ状況だったので、そんなにアウェー感もなく、大丈夫でしたね。(Q.この後、列車に乗れる状況か)ちょっと情報、何もわかってなくて。誰かが警察官に聞いている話を聞いていたのですが、警察の方もわかってない」

電車は各地で立往生。スペインだけで、閉じ込められたのは3万5000人に及んだそうです。

乗客たちが歩いて避難するケースもあれば、軍が出動し、避難させる場面もみられました。

エレベーターが使えないため、老人ホームには治安部隊を派遣し、車いすの高齢者を助けていました。

外に出ると、スーパーに列を成す市民の姿。暴動を警戒してなのか、シャッターを降ろして対応する店もあります。

時間とともに復旧は進み、電力の供給は99%回復したそうです。

この事態を引き起こした原因は何なのでしょうか。

スペイン サンチェス首相(28日)
「午後0時33分に5秒間で、電力が突然15ギガワット落ちた。“たった5秒で”です。これは我が国の当時の需要の60%に相当します」

15ギガワット。これは、原発15基分に換算される莫大な電力です。それが5秒で消失したというのは尋常ではありません。

スペイン全域やポルトガルへの送電を一元管理する送電会社が公開するデータが、サンチェス首相の発言を裏付けています。

時間ごとに予想される電力の需要を示す赤い線と、実際に供給された電力を示す黄色い線。この黄色い線が、ほぼ垂直に下降しています。時刻は午後0時30分すぎ。大規模停電が発生した時刻と一致しています。

電気は、大量かつ急速に蓄電することができないため、需要と供給に大きな差がないように発電されます。急激な差が生じると、安全装置が働くようになっていて、家庭のブレーカーが落ちるのも同じ原理です。

27日のデータを見ると、赤い線と黄色い線は、同じ曲線を描いていました。
需要と供給のバランスが崩れたことで、停電が引き起こされたとみられます。

ただ、この急激な電力消失が起きた原因については、まだわかっていません。

当初、報じられたサイバー攻撃の可能性について、送電会社は“その可能性は排除された”と
発表しましたが、サンチェス首相は「サイバー攻撃も含めてあらゆる可能性を排除しない」と表明しました。述べました。

一方で、別の可能性も指摘されています。スペインの隣、フランスが起因したという見方です。

ロイター通信
「送電会社幹部は『送電網が不安定になり、スペインとフランス間の電力接続が切断された結果、スペイン国内の電力システム全体が停止した』と説明した」

◆ヨーロッパの送電網を見ていきます。
陸続きなので、日本とは違い、国を超えて送電網がつながっていて、周波数などの規格も基本的に統一されています。大規模停電の起きたスペイン・ポルトガルは、半島になっていますので、外国との電力のやりとりは、フランスとのルートが主になります。

スペイン・ポルトガルの電源構成ですが、いずれも風力・水力・太陽光など、再生可能エネルギーが発電量の多くを占めています。再エネは、日照時間や風の強さなど天候に左右されますので、発電量が少ないときには、フランスの電力に頼ることになります。

電気は、水やガスと違って、ためるのが難しいため、“使う量”と“発電する量”をほぼ同じにしないと、需給バランスが崩れ、“周波数”が大きく乱れて、発電所の設備が壊れる恐れがあるため、
安全装置が作動して、停電につながることがあります。

◆電力システムに詳しい東京電機大学の加藤政一名誉教授に聞きました。

加藤名誉教授は「スペインの変電所など、主要な設備でトラブルが起き、風力発電や太陽光発電の設備を守るため、発電を停止する機能が働いた。スペイン国内での発電量が低下すれば、フランスから緊急で電力を供給するが、その量が上限を超え、送電線が壊れる恐れがあるため、送電をストップした。フランスから供給されなかったことで、スペインで電力の需給バランスが、さらに大きく崩れ、大規模停電に至った」と推測しています。

日本でも国全体での大規模な停電が起きることはないのでしょうか。

加藤名誉教授は「日本の場合、東日本(50ヘルツ)、西日本(60ヘルツ)と、東西で周波数が違うので、日常的に電力を融通するヨーロッパとは事情が異なる。また、送電網が各電力会社のエリアごとに分かれていて、それぞれをつなぐ送電線もすぐに遮断できるので、全国的な停電になることは考えにくい」と話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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33 コメント

  1. 家庭用主電源ブレーカーは容量や漏電等で遮断される。
    今回は受給バランスにより、周波数が乱れ遮断された。
    それがフランス側かスペイン側かはわからない。
    電気科卒の人間一人テレビ局にいなかったのか?

    少し勉強すればわかるのに…

  2. 太陽光や風力発電は発電量をコントロールできない。
    それが原因で、複雑かつ大規模な電力網は一瞬にして崩壊することが現実に起きた。
    この番組は太陽光や風力発電の「危険性」に日本人が気づかないよう作られている。
    まさにマスゴミである。

  3. 世界を裏から牛耳る 『 ディーのプのステイト 』側が カトリックが殆どのスペインとポルトガルが(トランプ大統領もカトリック )革命等 変な動きをした時に 停電を起こし 阻止出来るかの社会実験なのでは
     
    あくまでも個人的見解ですが。

  4. 外出時には水や簡単に食べられるものとトイレなど災害も視野に入れた準備をしておくにこしたことはないですね。復旧してなによりです。

  5. スペイン在住だが、パニックになっている移動中の方々ばかり映してそこだけ強調されて腑に落ちない。確かに移動中じゃなくて良かったとは思う。でも、私の街は田舎でもない観光地だが、とても落ち着いていた。街中や広場では歌ったり笑って話している人たちもいて、近所の人とも話したが、「ま、どうなるかね」くらいでした。割と普通だった。自家発電して空いているスーパーも行ったが、買い込む人は誰もいなくて商品は温めないでも食べられるパンや缶詰類、お惣菜が少なくなってるのみで他は普通にあった。カードも使えた。待ってる列も通常時の多い時くらいで、長い列でもなかった。カード出すのに少しまごついて待ってる人達に謝ったら、「大丈夫よー(笑)と優しかったし。
    閉めてる店は暴動を恐れて店を閉めてるわけではないと思う。暗くて仕事にならないしもうやる気ない、くらいの感じだろうと私は思う。彼らがのんびりしていたから、私も安心して落ち着いていられた。

  6. 持続可能なクリーンエネルギーだけで国の電気の大半を賄うことが出来たと喜んでいたスペイン・ポルトガルが懐かしいですね。

    でももし"それ"に原因があって発生したのであれば…ヨーロッパにいる環境活動家たちは耐えられるのか期待したいですね。

  7. 何かのトラブルで自国の発電ができませんでした→フランスからの供給を求めたが需要が多すぎました→停電しました
    って可能性があるってことやね?
    となるとぶっちゃけいつでも起きそうな停電じゃね?5割が自然エネルギーなら逆に今までよくこんなことなかったな

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