外国人投資家は4月にインド国債の保有をここ1年で最も大きく減らした。JPモルガン・チェースが昨年6月にインド国債を債券指数に組み入れた以後で、最大の売り越しとなった。
インド決済機関のデータによると、FAR(完全アクセス可能ルート)枠内での外国勢のインド債総保有額は4月に1110億ルピー(約1900億円)減り2兆9500億ルピーとなった。
米国の関税を巡る懸念から世界の市場が不安定化し、リスク回避姿勢が強まったことが背景だが、インド国債とルピーの値上がりを受け、投資家が利益確定に動いたことも示している。
明るめの景気見通しや米関税の影響の小ささから、インド株式市場には外国人投資家の資金が戻りつつある。

GAMAアセット・マネジメントのグローバルマクロポートフォリオマネジャー、ラジーブ・デメロ氏は、「4月2日の米関税発表を受けて、投資家はポートフォリオのリスク資産比率を大きく引き下げた。そのため、インド国債への外国人投資が減少した」と指摘。
インド国債がグローバル指標に採用されたことで、外国勢のポートフォリオ資産の変動が一層目立つようになっているという。
三菱UFJ銀行のシニア為替アナリスト、マイケル・ワン氏は、最近好調なインド株への資金シフトが債券売りの一因であり得ると分析。世界的な貿易摩擦緩和の兆しやインド債選好から、インド債券市場に資金が再び流入すると投資家らは予想している。
インド10年国債利回りは4月に23ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、世界の債券市場が混乱する中でも金利低下基調を維持した。インド準備銀行(中央銀行)は利下げと大規模な流動性供給を行った。
インドは3月にJPモルガンの債券指数で割り当てられた比率の10%に達している。また、FAR債は今年に入りブルームバーグの新興国市場現地通貨指数にも組み入れられた。
ブルームバーグ・エル・ピーはブルームバーグ・インデックス・サービス・リミテッド(BISL)の親会社。BISLは他社と競合する指数を提供している。
原題:Indian Bonds Hit by Worst Outflow Since JPMorgan Index Inclusion (抜粋)
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