財の米貿易赤字が過去最大に拡大、１－３月ＧＤＰの弱含みを示唆 – Bloomberg

米商務省が29日発表した３月の財の貿易赤字は予想外に拡大し、過去最大となった。関税の発動を前に企業が輸入を急いだことが背景にある。

　　財の貿易赤字は前月比9.6％増の1620億ドル（約23兆700億円）。インフレ調整前の数字で、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想（1450億ドル）を上回った。

　　消費財が主導する格好で、輸入は５％増の3427億ドル。輸出は1.2％増加した。

　　財の貿易赤字が過去最大となったことで、エコノミストの間では30日に発表される第１四半期（１－３月）の米国内総生産（ＧＤＰ）予想を下方修正する動きも出ている。輸入はＧＤＰの下押し要因となるため、赤字の大幅拡大はＧＤＰ速報値が弱めの数字となることを示唆している。

　　ブルームバーグのエコノミスト調査では、１－３月のＧＤＰ速報値は0.3％増（中央値）と見込まれている。実際にそうなれば、2022年以来の低い伸びとなる見通しだ。

　　ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、貿易赤字のデータは「ＧＤＰが1.1％減との当社予想を裏付ける」とリポートで指摘。その上で「予想に下振れのリスクすらあることを示唆している」と述べた。

　　サンタンデールＵＳキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏はさらに悲観的だ。貿易統計を踏まえ、自身の予測を１ポイント引き下げ、2.4％減とした。ただ、第２四半期（４－６月）に輸入が正常化すれば、ＧＤＰ伸び率は「急速に回復する」とも述べた。

原題：Record US Goods-Trade Deficit Implies Weaker First-Quarter GDP（抜粋）

(第４段落以降に詳細を追加して更新します)