新型コロナウイルスから世間一般に広がったリモートワーク。
出社・退社という区切りがなくなったことで、生活のコントロールがうまくできなくなってしまい、1日のタスクを終えて布団に入るときが、唯一の自由時間……なんてことも少なくないのでは?
そのまま眠るべきってことは言われなくてもわかっています。
でも、ほんの少しでも良いから自分の時間がほしいという思いから、つい何かに手を出してしまうのは無理もありません。
ジャーナリストで編集者のDaphne K. Leeさんは、この現象を「revenge bedtime procrastination」(リベンジ夜更かし)と名付けました。
こちらがそのときのツイートです。
今日、 “報復性熬夜(revenge bedtime procrastination/リベンジ夜更かし)” という言葉を知りました。
日中の生活をコントロールできなかった人が、自由の感覚を取り戻すために夜遅くまで寝ようとしない現象を意味します。
なぜ私たちは、このように愚かな行動をしてしまうのでしょうか?
なぜそうしてしまうのか?
端的に言えば、何もかもが不確実に感じられる状況では、たとえ睡眠を削ってでも生活のコントロールを取り戻したいと思うのは自然なこと。
もちろん、それで状況が改善するわけではありませんが。
臨床心理学者のAimee Daramus医師はのインタビューにこう答えています。
やることすべてが誰かのためになるのであれば、睡眠を削るだけの価値があると思えるかもしれません。
上司がいない、子どももいない、中断も入らない。静寂とは、すばらしいことなのです。
どうしたらやめられる?
できるだけ長く寝たほうがいいのは明確です。
つまり、多忙な日々のリベンジとして夜更かしをするのは健全ではありません。
これを避けるには、夜ではなく昼間に少しでも自分の時間を持つこと。まとまった時間を取ろうとすると一気にハードルが上がるので、数分単位の小さな時間をいくつか見つけてください。
仕事の昼休みに小説を読むのはどうでしょう。
でき合いの食べ物で済ます日を増やしてみては。夜更かしは週1ぐらいにして、ほかの曜日は自分のニーズを満たすための時間を確保するように心がけましょう。
日中は数分でも無理という人は、少なくともリベンジ夜更かしという概念を認識し、時間制限を設けてください。
たとえば、ドラマを1本だけ見たら必ず寝るといった具合です。そうすることで、自分時間が1日のスケジュールに組み込まれることになり、一件落着というわけです。
訳:堀込泰三
──2020年8月4日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
Source: Daphneklee, Audeotherapy