写真家の鶴巻育子氏による写真展「ALT」が、5月13日(火)より、Jam Photo Galleryで開催される。

「ALT」は、鶴巻氏が視覚障害者と関わりながら「見ること」について思考を巡らせるプロジェクト。2024年9月にキヤノンギャラリー S(品川)で開催した同名の写真展が3月に第33回林忠彦賞を受賞。それを記念し、鶴巻氏が運営するJam Photo Galleryでも展示が行われることになった。

今回はキヤノンギャラリー Sでの展示うち、鶴巻氏が想像した視覚障害の視覚を写真化した作品「※写真はイメージです」のセクションを展示する。

7月1日からは、ギャラリーソラリスでの巡回展も予定する。

目を使って仕事をする写真家の自分とは対極にある「見えない、見えづらい世界」を覗いて見たい。そんな好奇心から始まったプロジェクトの第二弾が「ALT」です。

人は情報の80~90%を視覚から得ていると言われています。取材当初、私はその情報を得ずに生きる視覚障害者の人々の苦労ばかりを想像していました。しかし個人差はあるものの晴眼者となんら変わりない彼らの生き方を目の当たりにし、また「視覚障害」と言っても個人個人異なった見え方で、簡単にカテゴライズできるものではないことを知りました。私は知らず知らずのうちに、先入観や偏見を抱いていた自分に気づきました。彼らと会い対話する時、言葉が最も重要なツールとなります。そこではミスコミュニケーションが生じることもあり、言葉でのやり取りにおける難しさを実感せざるを得ませんでした。しかし当然ですが、それは相手が晴眼者であっても起こり得るものです。私は他者との認識のズレに違和感を抱くより、まずは自分の知らない領域に一歩足を踏み入れてみることを優先しました。すると、私ひとりでは辿り着けなかった気づきやアイディアが浮かび、新しい世界が見えた気がしました。

約4年の間に多くの視覚障害者の人々と時間を共有した中で最も興味深かったのは、彼らが頻繁に「みる」という言葉を口にすることでした。私は改めて見ることの意味を考えるようになり、いかに自分の視野が狭いかを思い知る体験をしたのです。目で見ることが全てではない。感じることは見ること。見ることとは何か。

「視覚障害者に興味を持ってくれるのが嬉しい」「面白い形で自分たちの世界を表現してもらいたい」など彼らの言葉が支えとなり、この作品を完成することができました。

*ALTとは
alternateの略。代わりのもの、代替え、交互の、他の可能性、他の手段。X(旧Twitter)では「+ALT」ボタンは代替えテキストの略称で、画像の説明を示す用語として使われています。

作家メッセージ

開催期間

2025年5月13日(火)~5月25日(日)

開催時間

12時00分~18時00分(日曜日は17時00分まで)

ギャラリートーク

5月17日(土)18時00分~19時30分(要予約 参加費1,000円)

巡回展

ギャラリーソラリス
7月1日(火)~7月13日(日)

作者プロフィール

1972年東京生まれ。写真家。1997年の1年間渡英し語学を学ぶ。帰国後周囲の勧めで写真を学び始めた。カメラ雑誌の執筆や写真講師など幅広く活動する一方、2019年に東京・目黒に写真ギャラリーJamPhotoGalleryを開設し、著名写真家の企画展や若い写真家への場の提供、アマチュアの育成にも力を注いでいる。国内外のストリートスナップで作品を発表しながら、視覚障害者の人々を取材し「みること」をテーマとした作品にも取り組んでいる。2023年第31回林忠彦賞最ノミネート、2025年第44回土門拳賞最終ノミネート、2025年第33回林忠彦賞受賞。



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