F1FGM

 MINISFORUMは、現在開催中のIT向けイベント「Japan IT Week春」の会場にブースを構え、さまざまな製品を展示しているが、その中でひときわ目立つ存在が「F1FGM」というRyzen 9 9955HXを搭載したマザーボードだ。

 同社は「BD770i」を皮切りに、モバイル版Ryzenを搭載したマザーボード製品ラインナップを展開している。このシリーズではソケット型CPUの代わりにモバイル版CPUをMini-ITXまたはmicroATXのフォームファクタに積むことで、高いコストパフォーマンスを実現しているのが特徴だ。

 ただ、これまでのラインナップはRyzen 7000のみだったので、いくら性能が高くても世代的には1つ前ということで、コスパではなく最新技術が気になるエンスージアストには響かなかっただろう。また、質実剛健なデザインということもあり、RGB LED制御といった派手かつトレンドの要素はなかった。

 そこでF1FGMでは最新のRyzen 9000を搭載しつつ、派手なヒートシンクやRGB LED制御ピンヘッダも4基追加し、これまでの製品では心に響かなかったユーザーにもリーチしようというワケ。担当によれば、競合はまさにASUSのROGマザーボード辺りになりそうだとのことだ。それでも、同等のデスクトップ向け単体CPU程度の価格でマザーボードごと手に入るコストパフォーマンスの高さは維持するという。

 これだけだと「従来からCPU差し替えてヒートシンクやRGB制御を追加して終わりですね」となりそうなのだが、そうではないのがF1FGMの面白いところ。まずポイントの1つ目が、CPUのTDPがモバイル向けCPU驚異的とも言える160W(!)に設定されている点で、これによりデスクトップと遜色ない性能が達成されているという。

 さらに本製品驚くべきポイントの2つ目は、「モバイルCPUなのにメモリは通常のDDR5 UDIMM」になっている点だ。従来モデルは一貫してDDR5 SO-DIMMだったのだが、これはモバイルCPUの設計としてリファレンスデザインが提供されていたからだろう。モバイル向けCPUに対してDIMMのリファレンスデザインは提供していないと思われるので、このあたりはMINISFORUM独自の研究開発によって実現したと思われる。

謎の技術によりTDP 160Wを達成するRyzen 9 9955HXとUDIMMスロット

 ちなみに従来製品はMini-ITX版がヒートシンク標準装備していて、ユーザーはファンだけを自前で用意、microATX版が特注の銅+アルミ製ヒートスプレッダ装備して、ユーザーはCPUクーラーを自前で用意するスタイルなのだが、F1FGMは後者のタイプとなる。

 ただ160Wという高い熱を効率よくヒートシンクに伝えるために、ベイパーチャンバー方式のヒートスプレッダがあらかじめ装備されている。実機で確認してみたが、ベイパーチャンバーも相当な厚みを持たせているようで、かなりコストがかかっている印象だった。このあたりもなかなかチャレンジなところだ。

 なお、BIOSではCPUやメモリのオーバークロックを含めて、ほとんどの機能を開放するとのことだ。

 拡張スロットだが、PCIe 5.0 x16が1基、PCIe 4.0 x16が1基。ストレージインターフェイスはPCIe 5.0対応M.2が1基、そのほかにM.2が3基(バージョン不明)、SATA 6Gbpsが2基。このほか、USB4 2基、5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 7の搭載などが謳われている。

ベイパーチャンバーにより熱を効率よくヒートシンクに伝えるという

 自作PCユーザーとして期待せずにはいられないF1FGMだが、現在はBIOSのUIなどをチューニングしており、2025年下半期あたりに登場しそうだ。

インターフェイス

主な仕様など



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