ASUSの薄型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G16 GU605CX」(型番 : GU605CX-U9R5090)。直販価格は73万9,800円

 ASUSからアグレッシブなゲーミングノートPCが登場した。最薄部1.49cmのスリムボディに最高峰GPU「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」、16コアCPU「Core Ultra 9 285H」を搭載。持ち運べるサイズに強烈なスペックを詰め込んだ「ROG Zephyrus G16 GU605CX」だ。その実力を早速チェックしてみよう。

Core Ultra 9 285HとRTX 5090の超強力タッグ

 ASUSのROG Zephyrusシリーズは薄型軽量でハイエンドを特徴としているが、それを象徴するモデルが登場した。ここで紹介する16型ディスプレイを採用する「ROG Zephyrus G16 GU605CX」だ。現役最高クラスのCPUとGPUを搭載しながら、本体サイズは354×246×14.9~17.4mm、重量は約1.95kgを実現。持ち運べる最強ノートPCと言える存在だ。

ROG Zephyrusシリーズは薄型軽量ハイエンドが特徴だ

本体の重量は実測で1,901g

ACアダプタは専用のコネクタで240Wの出力。ノートPCとしては大出力だがRTX 5090を動かすにはやや物足りない

ACアダプタの重量は実測で587g

 ゲーミングノートPCでもっとも重要と言えるGPUはNVIDIA最新世代のノートPC向けでは最上位となる「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を搭載。CUDAコア10,496基、ビデオメモリGDDR7 24GB、AI性能1,824TOPSの正真正銘のモンスターGPUだ。

 前世代最上位のGeForce RTX 4090 Laptop GPUがCUDAコア9,729基、ビデオメモリGDDR6 16GB、AIが686TOPSだったので大幅に底上げされているのが分かる。特にAI性能の強化は強烈だ。

 なお、GPU電力はノートPCの設計に合わせて95~150Wで調整できるが本機は120Wに設定されている。薄型で240WのACアダプタではさすがに150Wでの動作は難しかったようだ。

 CPUはIntel最新の「Core Ultra 9 285H」(開発コードネーム : Arrow Lake-H)を採用。Pコア6基、Eコア8基、LP Eコア2基で合計16コア16スレッドとノートPCとしては多コアで動作クロックも最大5.4GHzと非常に高い。

GPUはNVIDIAのノート向けで最上位の「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を搭載

CPUは16コア16スレッドの「Core Ultra 9 285H」を採用

 AI特化型プロセッサのNPUも内蔵されているが世代が古く、最大13TOPSとMicrosoft「Copilot+ PC」の要件(40TOPS以上)は満たしていない。それでもNPU対応アプリを生かせるのはうれしいところだ。

CPUには最大13TOPSのNPUも内蔵されている

 メインメモリはLPDDR5X-7467というかなりの高クロックタイプが64GBも最初から搭載されている。そのため、クリエイティブワークもこなしやすい。ストレージはPCI Express 4.0接続M.2 SSDで容量は2TBだ。OSはWindows 11 Home。

CrystalDiskMark 8.0.6によるストレージテストの結果。シーケンシャルリードで6,923.29MB/sとかなり高速だ

 ディスプレイは16型の有機ELパネルでアスペクト比は16:10、解像度は2,560×1,600ドット、リフレッシュレートは240Hzと高い。デジタルシネマ向けのDCI-P3カバー率100%と非常に優れた色再現性を持ち、応答速度は0.2msと高速、HDRはハイレベルな黒の表現と高いピーク輝度が求められるDisplayHDR True Black 500認証も取得しており、ゲームも映像コンテンツも快適に楽しめる。

ディスプレイは16型の有機ELパネルを搭載。解像度は2,560×1,600ドット、リフレッシュレートは240Hz

 インターフェイスは、左側面にはThunderbolt 4、HDMI出力、USB 3.2 Gen 2、ヘッドセット端子を搭載。右側面にはSDカードスロット、USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 2 Type-Cを用意。

 このほか、6基のスピーカー(2W×2、1W×4)、207万画素のWebカメラも搭載。ワイヤレス機能はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応する。

左側面はThunderbolt 4、HDMI出力、USB 3.2 Gen 2、ヘッドセット端子

右側面はSDカードスロット、USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 2 Type-C

 キーボードは日本語配列だ。キーストロークは1.7mmと薄型ノートとしては深く、気持ちよく入力が可能だ。2,000万回の打鍵寿命と耐久性にも優れている。

キーボードは日本語配列。右下にCopilotキーも搭載

タッチパッドは実測で約99×150mmとかなり大きい

ライティング制御が可能なバックライトも備える

背面にスラッシュライティングを備えているのも特徴的。15種類のアニメーションが標準で用意されている

スラッシュライティングやキーボードのLEDはArmoury Crateで制御可能だ

【表】ASUS ROG Zephyrus G16 GU605CXの仕様
CPU Core Ultra 9 285H(16コア16スレッド)
メモリ LPDDR5X-7467 64GB
ストレージ 2TB NVMe SSD
GPU GeForce RTX 5090 Laptop GPU
液晶 2,560×1,600ドット表示対応16型(240Hz)
OS Windows 11 Home
インターフェイス Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 2 2基、HDMI、Webカメラ、SDカードスロット、6スピーカー、音声入出力端子
無線 Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
本体サイズ 354×246×14.9~17.4mm
重量 約1.95kg

幅広い用途に対応できるパワー

 ここからはベンチマークで性能をチェックしていこう。動作モードはArmoury Crateで「Turbo」に設定している。

スタンダード系ベンチマーク

 CGレンダリングでCPUパワーを測定する「Cinebench 2024」は、マルチコアが1,191、シングルコアが125だ。マルチコア性能はノートPCかなり高く、CPUパワーを求める処理にも余裕で対応が可能だ。

Cinebench 2024の結果。マルチコアは1,191、シングルコアは125

 PCMark 10は総合スコアも8,089とかなり高め。クリエイティブな用途にも強いと言ってよい。

PCMark 10 Standardの結果。かなり高いスコアだ

ゲーム系ベンチマーク

 ここからは実ゲームのゲームを試そう。比較用として同社の「ROG Strix SCAR 16 G635LW」の結果も掲載する。CPUに24コア24スレッドの「Core Ultra 9 275HX」、GPUに「GeForce RTX 5080 Laptop GPU」搭載するハイエンドゲーミングノートPCだ。GPUはワンランク下だが、CPUのコア数は上、ACアダプタは380W出力と強力なので、GPU電力は175Wに設定されている。この点を踏まえて結果を見てほしい。

 なお、今回はディスプレイが画面比率16:10の2,560×1,600ドットなので、それに固定した。最高画質設定でレイトレーシングに対応していれば有効化している。テストしたゲームと条件は以下の通り。マーベル・ライバルズ、サイバーパンク2077、アサシン クリード シャドウズはDLSS 4のマルチフレーム生成に対応しているのが注目ポイントだ。

 オーバーウォッチ2は、ROG Zephyrus G16 GU605CXが上回っているが、それ以外はGPUのグレードでは下になるROG Strix SCAR 16 G635LWのほうがフレームレートが上回っている。GPUに使える電力の差が出ていると言ってよいだろう。とはいえ、ROG Zephyrus G16 GU605CXはスリムボディでモンスターハンターワイルズ、サイバーパンク2077、アサシン クリード シャドウズのような超重量級ゲームも最高画質で快適に楽しめるだけのフレームレートを出している。

AI系ベンチマーク

 では、AI性能ではどうだろうか。さまざまなAI推論エンジンを実行してスコアを出すProcyonのAI Computer Vision Benchmarkを実行した。

 AI性能についてはGeForce RTX 5090 Laptop GPUが1,824TOPS、GeForce RTX 5080 Laptop GPUが1,334TOPSとなっているが、スペック以上の差が付いた。ROG Zephyrus G16 GU605CXが約2.1倍のスコアとなっている。ゲームほど電力の差はないようで、AIの活用まで考えているならROG Zephyrus G16 GU605CXのほうが圧倒的に上だ。

消費電力

 システム全体の消費電力はアイドル時で22.1W、Cinebench 2024のマルチコア実行時で149W、サイバーパンク2077実行時で188Wとかなりマイルドだ。ROG Strix SCAR 16 G635LWはサイバーパンク2077実行時で342Wに達する。フレームレートの差がわずかであることを考えると、電力効率ではROG Zephyrus G16 GU605CXが上回る。

動作音と温度

 薄型ハイエンドだと動作音や温度も気になるところ。サイバーパンク2077を10分間動作させたときの動作音を正面、右側面、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を置いて測定、サーモグラフィーでキーボード全体の温度をチェックしてみた。

 液体金属やベイパーチャンバー、Tri Fanテクノロジーなど複合的なシステムで冷却力を高めており、キーボードの上部こそ触るとハッキリ熱いと感じるほどになるが、中央部は温かいというレベルで操作にあまり影響しない。うまく冷却できていると言える。薄型ゆえに動作音は大きめだが、背面側に排気が集中しているので、正面側からは動作音がかなりおとなしくなるのはよいところだ。

サーモグラフィー。キーボードの上部は51.4℃とかなり熱くなるが、キーボードの中央は46.2℃と操作に問題ないレベル

 ROG Zephyrus G16 GU605CXは、CPU、GPU、ディスプレイの性能ともノートPCとしてトップクラスの性能を薄型ボディに詰め込んだ意欲作だ。メモリは64GB、ストレージも2TBあり、ゲームはもちろんAIやクリエイティブ用途にも向く。RTX 5090に240WのACアダプタはちょっともったいない気もするが、電力効率には優れている。持ち運べる万能機を求めているならピッタリの存在と言えよう。



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