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「人間関係がうまい人」がいつもさりげなくしていること・ナンバー1 - STOIC人生の教科書ストイシズム

いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』(ブリタニー・ポラット著、花塚恵訳)がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と評する一冊だ。同書の刊行に寄せて、ライターの小川晶子さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

「人間関係がうまい人」がいつもさりげなくしていること・ナンバー1Photo: Adobe Stock

友だちに誘われた旅行

 友だちが「間違っている」ことをしていたとき、私は説得しようとした。

 社会人になりたての頃である。

 最初は、「仲のいい社会人のグループでよく一緒に旅行に行っていて、面白いからおいでよ」というお誘いだった。

 学生時代にとくに仲の良かった友だちだ。リーダータイプで多くの人に慕われていた。彼女を信用していたので、誘われるまま参加したのだ。

 旅行のメンバーが100人くらいいたことに驚いたが、みんなやさしくて楽しかった。

帰ってきてから起こった異変

 旅行から帰って少しして「旅の写真を見たりするからおいでよ」と言われ、セミナー会場のようなところに連れて行かれた。友だちは「このサークルの説明もしてくれるよ。ちょっとお金がかかるんだけど……強制じゃないから」

 ん?

 なぜかみんなスーツとか着ちゃってビシッとしている。

 あれ?

 セミナーが始まった。

 内容を要約すると、正式にこの集まりのメンバーになるには入会金が必要で、少なくとも1つ商品(数万円する)を自分で購入するか、知り合いに売るかするのがスタンダードであること。それ以上のノルマはないが定期的に集会に参加する必要があるということだった。セミナー後は旅行中仲良くしてくれたメンバーに囲まれた。入会を決めるべきだというのである。

「いや、ちょっとよくわかんないしこの場で決められない。親にも聞かないと……」

 とぼけた様子で言ったら「あなたもう大人でしょ? 自立してないの? 自分で考えられるよね!?」と激詰めされた。旅行中あんなにやさしかったのに、まったく別人のようだ。

 なんとか抜け出し、二度とその会合には行かなかったが、「どう考えても間違っている!」と思った。

友だちの奇妙な態度

 友だちにはその変な団体から足を洗ってほしくて、その後、説得しようとした。だいたい、なぜ私をターゲットにしたのか。腹が立ってきた。ひょっとしてなめてんの?

 ところが、彼女は本当に何が悪いかわかっていないようだった。

「どうしたの? お金のこと?」と、キョトンとしている。「でも、社会人になってこれだけのつながりを持つにはお金だって必要だと思うし」

 彼女自身は商品を売るつもりはないようで、私にも商品を勧めることはなかった。自分で買うだけ。サークル参加のコストとして捉えているのだろう。

 いろいろ調べてみたが、その団体は(当時)違法性があるわけではなかった。

 私は「間違っている」と思ったけれど、彼女にとっては「正しい」ことだった。まったく悪気なく、むしろ私のためにと思って誘ってくれたのだ。私は諦めて、その団体のことは無視することにした。

 団体からは毎日電話がかかってきたが、ひたすら無視して耐えた。

 ストア派の哲学者マルクス・アウレリウスは人間付き合いについて、「他者を導くか、他者に耐え忍ぶかしかない」と言っている。

異なる考えを尊重する

人間は互いのために存在する。
他者を導くか、他者に耐え忍ぶかしかない。
(マルクス・アウレリウス『自省録』)
――『STOIC 人生の教科書ストイシズム』より

 犯罪でもなければ、どんなに相手が「間違っている」と思ってもそれは意見の違いだ。

 導こうとしてダメなら、耐え忍ぶしかない。

 マルクス・アウレリウスのこの言葉について、本書の著者はこのように解説する。

 ストイシズムの知恵は、次の2つを肝に銘じるよう説く。
 1つは、好きで間違う人はいないということ。間違ったことをしている人も、自分は正しいことをしていると思っている。
 そしてもう1つは、他者が何をしようとも、自分は自分で満足を見出せるということだ。

 たしかに人間関係がうまい人は、自分の考えを無理に押し付けることはしない。相手の行動を自然と受け入れ、過度に干渉しない。その結果、無理のない人間関係を築くことができる。

 私から見て「間違っている」友だちやその団体が改心せず、自由に活動をしていたとしても、そのこと自体は私の幸福とは何の関係もない。私は私で幸福に生きていくことができる。

 そう思えば、ネガティブな感情にとらわれることもない。

 なお、その後しばらく経って彼女は自分でその団体を抜けたという。必要なくなったそうだ。

(本原稿は、ブリタニー・ポラット著『STOIC 人生の教科書ストイシズム』〈花塚恵訳〉に関連した書き下ろし記事です)

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