ずば抜けて実務能力が高くなくても人より成果を上げられる人は何が違うのか。
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション・木下勝寿社長の『「悩まない人」の考え方』と『時間最短化、成果最大化の法則』がベストセラーとなっている。
木下氏は「私は実務能力がずば抜けて高いわけでない。だが①悩んでいる時間の短さと②タスク管理能力の高さだけは突出しているかもしれない」という。①と②にそれぞれ対応したのが上記2冊。そこで「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。今回は「顔を見るのも嫌な人への対処法」だ。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

人間関係で「悩まない人」の考え方
アルフレッド・アドラー(1870~1937)は「すべての悩みは人間関係の悩みである」と喝破した。
どんな職場にも「不快すぎて仕方がない人」や「顔を見るのも嫌な人」がいるものだ。
私にも経験がある。
だが、どんなに嫌な人がいるからといって転職を繰り返してもいいことはない。次の職場でまた同じ人が現れるだけだ。
では、どうしたらいいか。
世の中には「全部自責思考」の人(全責任は自分にあると思う人)と「他自責混在思考」の人(一部の出来事を他責、一部の出来事を自責と思う人)がいる。
いろいろ思うところがあるかと思うが、おすすめはいったん「全部自責思考」になって考えてみることだ。
そう、嫌かもしれないが、いったん、嫌な人が現れたのも全部自分の責任、と思ってみるのだ。
すると、景色が変わってくる。
いったん「全部自責思考」になって考えてみると、すべてのベクトルが「自分」に向かってくる。ベクトルが「自分」にフォーカスされると、「次の一手」が見えてくる。
自動的に悩みが生まれる3原則
ここで、自動的に悩みが生まれる3原則を見ておこう。
1. 悩みは「外部」ではなく「内部」から生まれる
2. 悩みは「出来事」ではなく「解釈」から生まれる
3. 悩みは「事実」ではなく「感情」から生まれる
そう、すべてのベクトルを「内部・解釈・感情」(主観)から「外部・出来事・事実」(客観)へとらえ直してみるのだ。
すると、事態はとてもフラットに見えてくる。
職場で「顔を見るのも嫌な人」がいた場合、悩む人は「事態をどう変えようか?」と考えてしまう。
三流上司はそう考えながら何も行動できず、嫌な人を「避け」続ける。
だが、一流上司はそうではなく、「自分はどう変わるべきか?」という問いを「選ぶ」。そして、最終目的から逆算して今やるべき最適の行動を起こす。
職場の人間関係で悩まないために大切なのは、「悩みを生み出すような問い=事態をどう変えようか?」を捨て、「自分」に焦点を置くことなのだ。
(本稿は『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)