3D RealmsとKnights Peakは4月17日、Slipgate Ironworksが手がける『Tempest Rising』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はさっそく多くのプレイヤーを集め、好評を博している。しかし本作のリリース予定日は本来4月24日のはずであった。どうやら、うっかりリリースされてしまったようだ。
『Tempest Rising』は基地建設リアルタイムストラテジーゲーム(RTS)である。1990年代〜2000年代のストラテジーゲームにインスパイアされた作品で、クラシックなRTSを現代的な演出で味わうことができる。プレイヤーは架空の歴史上で、特徴的な3つの勢力のうち、任意の勢力の司令官となり指揮をとることになる。ゲームモードは1人用のキャンペーンと、過去の戦闘評価に応じて対戦がマッチメイクされるランク制のマルチプレイが存在している。
リアルタイムな戦闘には予想外のトラブルがつきものである。本作にとっての予想外は、うっかりリリースされてしまったことだった。本来4月17日は、本作の豪華版である『Tempest Rising Deluxe Edition』の購入者への特典として、1週間の先行アクセスが解禁される日だった。ところが、ほどなくして通常版の『Tempest Rising』購入者もプレイできることが発覚した。
この事態について『Tempest Rising』公式は、トレイラーから「FOR DELUXE EDITION OWNERS」の文字を取り除いて、4月19日に全プレイヤーに向けてリリースを発表した。意図せぬものだったとはいえ、一度は解禁したものを取り下げるのは良くないという判断が下されたのかもしれない。現状「Deluxe Edition」購入者は、特典の一つである「7日間の先行プレイ」を失ったかたち。とはいえ『Tempest Rising』公式は今回のトラブルの補填として新しい限定ゲーム内コンテンツが製作すると告知。詳細については、できるだけ早く発表するとしている。


そんな本作のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で約1000件、そのうち89%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。また、同時接続プレイヤー数は最大7500人を超え、盛り上がりを見せている様子だ(SteamDB)。トラブルがあったにも関わらず高い評価を集めていると言えるだろう。
レビューには2003年にElectronic ArtsがリリースしたRTS『Command & Conquer: Generals』を引き合いに出す声が多く見られる。かつて熱中したRTSの再来としてゲームを楽しんでいるプレイヤーが多いようだ。それと同時に、戦闘時のエフェクトや重厚なBGM、カットシーンなどの演出面も高く評価されている。予想外のトラブルへの柔軟で迅速な対応だけでなく、クラシックなRTSを現代的な演出で再構築するという『Tempest Rising』の狙いが完全に的を射たようで、ゲームそのものも高く評価されている様子だ。

『Tempest Rising』はPC(Steam)向けに配信中。通常版は税込4680円で、Deluxe Editionは税込5800円で、それぞれ購入可能だ。