リモートワークが普及したいま、ビデオ会議(リモート会議)はもはや日常風景。自宅からの参加が当たり前になったことで、服装も多様化の一途を辿っている。あなたはオンラインでの会議にどんな服装で参加している?
パジャマ会議、世界では意外と普通!?
オンラインの言語学習マーケットプレイス「Preply Inc.」が、世界21ヵ国、およそ6万人を対象に行った大規模調査によると、日本のビジネスパーソンの3割以上が「パジャマや上半身だけ身なりを整えて、ビデオ会議に参加したことがある」と回答したそうだ。しかし、これは調査対象国の中ではもっとも低い水準とのこと。
調査結果を見ると、日本では「ビデオ会議中も常にきちんとした服装をする」と答えた人が57.6%に上り、タイに次いで2番目に高い結果となっている。オンラインでも服装に厳格な姿勢を保つ人が多い、興味深いデータと言えよう。
いっぽうで、機会があればカジュアルな格好で参加したいと考える人の割合は10.2%と、調査対象国の中でもっとも高い。つまり、日本のビジネスパーソンは、フォーマルな服装を意識しつつも、どこかで「楽をしたい」と思っているわけだ。
この数字は、礼儀を重んじる文化と、リモートワークによる快適さを求める気持ちの間で揺れ動く、日本人の心情を映し出しているのかもしれない。
ミュート忘れは世界共通
リモート会議「あるある」トラブル
リモート会議で起こりがちなトラブルも、調査によって明らかになっている。もっとも多かったのは「ミュートのまま話し続けた」というもの。これは54.1%の人が経験しており、もはやリモート会議あるあると言えるだろう。
しかし、国ごとに見てみるとおもしろい傾向も。「子どもの乱入」を経験した人の割合は、日本ではわずか6.3%と、調査対象国の中で最低だった。いっぽう、トルコやブラジルでは約5人に1人がこのトラブルを経験している。
この違いは、住環境や家族構成、さらには子育てに対する考え方の違いが影響しているのかもしれない。リモート会議の背景に映るものから、各国の文化が見えてくるのも、またおもしろい。
働き方アップデートのカギは異文化理解
リモートワークは、グローバルなチームでの協働を促進するいっぽうで、文化的な違いによる摩擦も生みやすい。たとえば、リモート会議中の服装やハプニングへの対応は、国によって大きく異なる。
Preplyの調査では、ビデオ通話中にペットや子どもが映り込んだ際の対応について、日本では「笑って軽く流す」人が多いのに対し、香港やタイでは「無視して会議に集中する」人が多いことがわかった。
このような違いを理解せずに、自分の常識を押し付けてしまうと、相手に不快感を与えてしまう可能性もある。グローバルなチームで働く際は、相手の文化や価値観を尊重する姿勢が不可欠だ。
相互理解で働きやすい環境へ
リモートワークは、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現するいっぽうで、コミュニケーションの課題も生み出している。リモート会議における服装やマナーに対する考え方の違いは、その一例にすぎない。
しかし、お互いの文化や価値観を理解し、尊重することで、より働きやすい環境をつくることができるはず。パジャマ参加が良いかどうかはさておき、相手の立場に立って考える姿勢こそが、これからの時代にもっとも求められるものなのかもしれない。
『調査概要』
【調査期間】2024年11月20日〜12月13日
【サンプル数】2万9,538人
【調査対象者】世界21ヵ国の男女
【調査方法】インターネット調査