木曜日, 5月 15, 2025
ホームニューステックニュースKDDIの25年3月期決算は増収増益、さらなる通信品質の向上や「AIマーケット」構想など - ケータイ Watch

KDDIの25年3月期決算は増収増益、さらなる通信品質の向上や「AIマーケット」構想など – ケータイ Watch


 KDDIは14日、2025年3月期の決算会見を開催した。同社代表取締役社長 CEOの松田浩路氏が登壇し、事業の状況について説明した。

KDDI代表取締役社長 CEO 松田浩路氏

 2025年3月期の連結業績は、増収増益となった。売上高は5兆9179億5300万円(前年度比+2.8%)、営業利益は1兆1186億7400万円(前年度比+16.3%)、当期利益は6856億7700万円(前年度比+7.5%)を計上した。

 24年3月期にミャンマー通信事業の引当による一時的な影響を除いても、381億円の増益を達成。通信ARPU収入の増収基調の継続に加え、金融事業やエネルギー事業といった注力領域の順調な成長、ローソンにおけるPontaパスとのシナジーの顕在化が寄与した。また、DX領域もグロース領域が前年度比で2桁増収となり、成長を牽引したと松田氏は説明した。

通信ARPUや契約数も増加 4Qの端末出荷台数は147万台、通期で605万台

 今期から新たに定義された通信収入と付加価値を含むモバイル収入は、1兆8501億円で増収となった。

 auの累計契約数は7034万7000件、主要回線数は8340万1000回線。このうちスマートフォン稼働数は3287万7000回線だった。マルチブランド解約率は1.28%で、前年度の1.05%から0.23ポイント上昇した。

 コンシューマーのマルチブランドID数も3120万4000件と増加。総合ARPUは、25年3月期第4四半期で5380円、通期では5300円と、前年度から110円の増加を記録した。また、UQ mobileからauへの移行は前年度比1.5倍に増加した。

 通信品質面では、Sub6やミリ波接続時にアンテナピクト「5G+」の表示、HPUEの展開、混雑時も快適に接続できる「au 5G Fast Lane」の提供を進め、通信品質の優位性を維持。今後もさらに品質向上を図っていく方針を示した。

 またマルチブランド戦略として、auはメインブランドとして「安心・使い放題」の価値、UQ mobileは「シンプルでおトク」、povoは「オンライン専売で自由にトッピングできる」価値をそれぞれ提供する方針を説明した。

デジタルデータとAIによる価値創出

 KDDIは、保有するオンラインとオフラインのデジタルデータ、そしてAIを通信でつなぎ、個人にはひとりひとりに寄り添うライフサポート、法人にはオペレーティングモデルの変革をもたらす“ハイパーパーソナライズ”を提供していくとした。

 AIマーケット構想としては、スマートフォン黎明期に「auスマートパス」として提供してきたように、AIサービスでも同様の場を展開。AIサービス提供パートナーを募り、ユーザーが自分に合ったAIサービスに出会える場を目指す。また、RCSを活用したチャットボットの提供も近日中に開始する予定だという。

 法人向けには、蓄積したナレッジを活用し、リテール、ロジスティクス、BPO分野での省人化や、ユーザーの購買体験のアップデートを支援している。

 さらに、大阪堺AIデータセンターを今年度中に本格稼働させる。堺データセンターの基盤にはGoogleのGeminiを導入し、国内にデータを保管したままGeminiなどを活用できる体制を整える方針。

主な質疑応答

――NTTやソフトバンクが決算会見で2026年にスマホと衛星のダイレクト通信を行うと言っていたが、au Starlink Directの独占的な扱いはどうなるのか。また、来年3社もしくは4社で衛星との直接通信が始まった際のKDDIの優位性はどこにあるか。

松田氏
 KDDIは今年の4月からau Starlink Directを開始しています。他社がどういった方式でやるかは存じ上げませんが、スマートフォンと衛星で直接通信をし、圏外エリアで衛星を使った通信をしていくという価値は、各社共通して認められていると考えています。KDDIは、現在でもその価値を提供できるということが一つの大きな差別化だと考えています。また、制度整備も率先して行ってきており、今回の端末対応で800万台を超えるという点も、KDDIの先行している部分だと考えています。

――ソフトバンク宮川社長が今後の値上げを示唆したが、他社も含めた業界全体の流れ、値下競争からの変化をどう見ているか。また、宮川社長の付加価値について「いらないものがついてきて値上がり」「優先接続のために他のユーザーが犠牲」といった発言についてどう考えるか。

松田氏
 業界全体の流れについては、KDDIが「経済の好循環」と申し上げたように、他社の永続的な成長が必要だという意見は、業界全体として同様であると捉えています。その中で、KDDIは「価値づくり」として、我々ならではの価値の作り方をしており、前回のサービス改定では5つの価値のうち3つの通信の価値をサービス化しました。宮川社長の発言については、どのような発言だったか承知していないが、今後の5Gの進化に向けては、通信の持つ力をさらに進化させなければならないと考えています。スライシングテクノロジーなど、技術的にできたことをどう顧客に価値として提供していくかが重要であり、それを実現していく必要があります。その準備段階の一つであり、au 5G Fast Laneは基本的にその他のユーザーの体感が悪くならない前提で、より良いものを作るという考え方で作られています。例えるなら、急行もあるが、特急に乗ればより早く着けるというイメージ。これは将来の5Gのあり方に向けて発表したものです。

――端末出荷台数について、24年度は605万台で前年を上回ったが、この水準をどう見ているか。25年度は維持または増加を考えているか。HPUEエリア品質、5GSA、AIなどとの関連は。

松田氏
 24年度は前年比で約33万台の純増となっています。引き続き、多くの端末を出荷していきたいと考えています。現在、AIや通信など新しい機能が搭載されており、そうした機能をユーザーに伝え、使っていただく機会をもっと提案していく必要があります。新しい機能が進化している端末を、顧客にお楽しみいただきたいというのが基本的なスタンスです。日本の人口減少はあるが、新しい端末をお使いいただく環境は整えていきたいと考えています。

――povoについて、25年度はどのような位置付けで考えているか。auとUQのフラット化が進む中でpovoはどうなるか。

松田氏
 マルチブランド戦略自体を再設計しようとしているが、povoは元々ユニークなポジションを築いています。自由に必要なトッピングを購入できるという良さは、今後も愚直に進化させていきたいと考えています。auとUQのブランド明確化と同時に、povoはpovoで今までの良さを生かして続けていく考えです。

――au Starlink Direct専用プランの発表後、所感や反響は。

松田氏
 代理店からはauに標準搭載していることに対して非常にポジティブな声をいただいています。他社のユーザーがStarlinkを目的に来店する機会も増えています。お店での受付も開始しており、まだ具体的な数は出ていないが、UQ mobileのユーザーが多い傾向にあります。他社のお客様からも相応にお引き合いをいただいており、特に6カ月無料という点もあり、ぜひ使っていただきたいと考えています。

――新料金や料金改定による増収分は、パートナーへの還元や楽天モバイルのローミング収入減でほぼ相殺され、KDDIが大きく儲けるというより還元重視のイメージか。

松田氏
 KDDIは経済の好循環が大事だと考えており、1周目だけでなく2周目、3周目と持続的に回っていくことが重要です。先ほどの数値は今期の組み立ての話であり、費用の部分に一過性のものも含まれています。そうした意味で、循環させていくことで、新しい価値への投資を行い、新しい価値を作り出す部分も、今回のプラスマイナスの範囲から継続して行っていく考えです。





続きを見る


🧠 編集部の感想:
KDDIの決算が増収増益を達成したことは、業界全体にポジティブな影響を与えそうです。特にAIマーケット構想や通信品質の向上に注力する姿勢が、今後の成長をさらに加速させると感じました。また、ブランド戦略を見直す中で、消費者ニーズに柔軟に応える姿勢も評価できます。

Views: 1

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -

インモビ転職