木曜日, 5月 15, 2025
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(続)Cursorで「詳細設計→ガントチャート草稿」作成がめっちゃ楽になった話 #生成AI – Qiita



(続)Cursorで「詳細設計→ガントチャート草稿」作成がめっちゃ楽になった話 #生成AI - Qiita

これは何の記事か⇒「Cursorで詳細設計からガントを作る記事です」

Cursor というのはもともと AI コーディングツールですが、もしかしてプロジェクトマネジメント(以下、PM)の現場に持ち込めるんじゃないか?という手ごたえからあれこれと手出しをし始めました。
早い話、以下の前回記事でつくった詳細設計書ファイルを指定ディレクトリに突っ込んでおいて、それでスケジュール作らせてしまえ、という乱暴な話です。

image.png

(前回)「Cursorで詳細設計を簡単にした」の記事はこちら

当然、「ツールに仕事を任せ切る」ことの危うさは身に染みています。それでもなお Cursor × PM に可能性を感じるのは、「判断の質を担保しながら反復回数を増やすこと」 が眼前の課題として立ちふさがっているからです。

開発現場は往々にして、“属人化した設計思想” と “スプレッドシート由来のガントチャート” の応酬になりがちです。そうした状況下で、Cursor を使えば、「要件定義→タスク分解→スケジュール生成→レビュー」 までを 一気通貫でコードとして扱える。この “仕様をコード化する流れ” は、私たちが長らく夢見てきた DevOps の完全体 に近い――なんてもしかしたら期待もしているかもしれません。


Cursor を「PM 補助輪」ではなく「PM エンジン」として捉える

Cursor を単なる コーディング支援 ツールとしてではなく、“プロジェクトの意思決定エンジン” と位置づけると、見える景色は大きく変わります。

  1. 抽象度のコントロール

    • 従来、「要件定義書 → WBS → ガントチャート」というプロセスでは、抽象度の切り替えに人手が必須でした。
    • Cursor は Prompt as Code 的な思想で、抽象度の高い指示をプログラム的に展開できる。これにより、「仕様書を書きながらコードも生成する」という往復運動がほぼラグなく実現できます。
  2. 変更容易性の担保

    • ガントチャートは一度作ると「後から変えにくい」構造を持っています。“変更しやすいガントチャート” という矛盾を解消するには、チャート自体をコードで生成するアプローチが理にかないます。
    • Cursor で生成した Mermaid コードは Git でバージョン管理 できるため、スケジュール変更が “コミット” として履歴に刻まれ、ロールバックも容易です。
  3. レビュー駆動のスケジュール改善

    • 私たちの組織では、システム障害の再発防止策として「読み合わせ会」を定例化しています。
    • Mermaid で可視化されたガントチャートを GitLab 上の MR(Merge Request)に載せ、“スケジュール自体” をコードレビューすることで、「なぜこの順序か」「バッファは妥当か」 をチーム全員で検証できるようになりました。

ガントチャート作成フローテンプレート

以下、私が実際に Cursor-Agent に渡している プロンプトテンプレート をそのまま掲載します。――あしからず、「プロンプトは資産である」 という思想のもと、可能な限りオープンに共有することにしました。忠実に再現 してありますので、コピー&ペーストで即利用いただけるはずです。

フェーズ1: 要件収集と計画準備

フロー1.1: 要件定義情報の抽出と整理

  • 目的: 複数の要件定義情報から、ガントチャート作成に必要な情報を抽出・整理する。
  • 指示プロンプト (Cursorエージェント向け):
# 指示: 要件定義情報の抽出と整理

以下の要件定義情報(または指定されたファイル)を分析し、各開発要件について下記の情報を抽出・整理して表形式でまとめてください。

抽出項目:
1.  NO. (ログで示された画像の順番に対応する番号、もし不明な場合は連番)
2.  要件名 (例: 「新機能A開発」「既存機能B改善」のように、具体的なサービス名や内部用語を避け、一般的な名称で記載してください)
3.  カテゴリ (例: UI改善, データ連携, セキュリティ強化, 新規機能 など、機能の分類。要件定義情報から読み取れる場合、または推測できる場合は記載してください。不明な場合は空欄でも可)
4.  優先度 (例: 高, 中, 低。要件定義情報から読み取れる場合)
5.  想定工数(人日) (バッファを含まない純粋な開発工数)
6.  段階的アップデートフロー (もしあれば、各フェーズ名と各フェーズの想定工数(人日)を記載。例: 「フェーズ1: 基本設計(X日), フェーズ2: 詳細実装(Y日), フェーズ3: 総合テスト(Z日)」)
7.  概要 (任意、参考情報として、機能の目的や主要な変更点を簡潔に記載)

対象となる要件定義情報:
---
[ここに要件定義ファイルの内容を貼り付けるか、ファイルパスを指定してください。複数のファイルがある場合は、それぞれ分けて記載または指定してください。]
---

抽出結果は、後の開発計画作成に使用します。

フロー1.2: 実装順序決定方針のヒアリング (ユーザー向け)

  • 目的: ユーザーに実装順序の決定方針を以下の選択肢から選んでもらう。この選択は、次のフロー1.3でCursorエージェントに指示を出す際に使用する。
  • ユーザーへの問いかけ (このプロンプトはCursorエージェント向けではありません):
# 実装順序の決定方針について

開発計画における各要件の実装順序を決定するための方針を選択してください。
以下のいずれかの方針を選び、次のステップ(フロー1.3)でCursorエージェントに指示を出す際に、該当する指示内容を有効にしてください。

【選択肢】
1.  **指定の一覧がある:**
    あらかじめ決定された実装順序のリストに従います。

2.  **指定はないが優先度順に:**
    各要件に設定された「優先度」(高→中→低)の順で実装します。

3.  **「カテゴリ」ごとでまとめて対応、どのカテゴリを優先するかは、「優先度が高い」機能が多い順に:**
    要件を機能カテゴリごとにまとめ、カテゴリ内の「高」優先度案件の数が多いカテゴリから順に実装します。カテゴリ内の案件は優先度順に実装します。

4.  **「カテゴリごと」「工数配慮」「優先度」を加味してAIに提案させる:**
    カテゴリ、工数、優先度などの情報を総合的に考慮し、AIに最適な実装順序を提案させます。

ご希望の方針を決定してください。

フロー1.3: 開発計画(タスクリスト)の作成

  • 目的: フロー1.1で抽出した情報と、フロー1.2でユーザーが選択した実装順序決定方針に基づき、月別の開発計画(タスクリスト)を作成する。
  • 指示プロンプト (Cursorエージェント向け):
# 指示: 月別開発計画(タスクリスト)の作成

フロー1.1で抽出・整理された要件情報(以下の表、または前ステップの出力結果を参照)と下記の条件に基づいて、2025年度の月別開発計画を表形式で作成してください。

[フロー1.1で作成された要件情報テーブルをここに貼り付けるか、参照を指示。このテーブルには「カテゴリ」「優先度」列が含まれていることを想定しています。]

開発計画の条件:
1.  **実装順序の決定:**
    /* ★★★★★ 以下のいずれかの方針を選択し、該当する指示ブロックのコメントを解除して有効にしてください。他の指示ブロックはコメントアウトまたは削除してください。 ★★★★★ */

    /* === 方針1: 指定の一覧がある === */
    /*
    以下のリストの順番で実装計画を立ててください:
    1.  [指定された要件名1] (NO.X相当)
    2.  [指定された要件名2] (NO.Y相当)
    3.  ... (以下続く)
    */

    /* === 方針2: 指定はないが優先度順に === */
    /*
    フロー1.1で抽出した要件情報の「優先度」に基づいて実装順序を決定してください。「高」を最優先とし、「中」、「低」の順とします。同じ優先度の要件が複数ある場合は、フロー1.1でリストアップされた順番(NO.順など)に従ってください。
    */

    /* === 方針3: 「カテゴリ」ごとでまとめて対応、どのカテゴリを優先するかは、「優先度が高い」機能が多い順に === */
    /*
    以下の手順で実装順序を決定してください:
    4.  要件を「カテゴリ」ごとにグループ化します。(カテゴリが空欄の要件は「その他」カテゴリとして扱ってください)
    5.  各カテゴリ内で「優先度が高い(例:高)」案件の数をカウントします。
    6.  「優先度が高い」案件の数が多いカテゴリから順に実装します。
        *   もし「優先度が高い」案件の数が同じカテゴリが複数ある場合は、次に「優先度が中くらい(例:中)」の案件が多い順、それでも同じ場合は「優先度が低い(例:低)」の案件が多い順とします。
        *   それでも順位が決まらない場合は、カテゴリ名のアルファベット順(またはNO.の若いものが含まれるカテゴリ順など、明確なルールを指定してください。例: フロー1.1のNO.順で最初に現れるカテゴリを優先)とします。
    7.  各カテゴリ内では、案件を「優先度」(高→中→低)の順に実装します。同じ優先度の案件が複数ある場合は、フロー1.1でリストアップされた順番(NO.順など)に従ってください。
    */

    /* === 方針4: 「カテゴリごと」「工数配慮」「優先度」を加味してAIに提案させる === */
    /*
    フロー1.1で抽出された要件情報(カテゴリ、工数、優先度など)を総合的に考慮し、最も効率的かつ効果的と考えられる実装順序を提案してください。
    提案の際には、以下の点を考慮してください(必要に応じて調整・追加してください):
    *   カテゴリごとの関連性を考慮し、可能な限り同じカテゴリのタスクを連続させる。
    *   各四半期/月の工数負荷が平準化されるように配慮する(特定の時期に高負荷が集中しすぎないように)。
    *   優先度の高い案件は早期に着手することを基本とする。
    *   依存関係があるタスクがあれば考慮する(ただし、現時点では依存関係情報は提供されていません)。
    提案された実装順序とその理由を簡潔に説明してください。この提案に基づき、タスクリストを作成してください。
    */

    /* デフォルトとして、「方針2: 指定はないが優先度順に」を有効にしています。変更する場合は、上記コメントを編集してください。 */
    フロー1.1で抽出した要件情報の「優先度」に基づいて実装順序を決定してください。「高」を最優先とし、「中」、「低」の順とします。同じ優先度の要件が複数ある場合は、フロー1.1でリストアップされた順番(NO.順など)に従ってください。


2.  **スケジュールの開始日:** 2025年5月20日 (火曜日と仮定。営業日ベースで計算してください)
3.  **作業バッファ:** 各開発案件ごとに、タスク期間の最後に5日間の作業バッファを追加してください。
4.  **工数計算とスケジュール:**
    *   **工数が5人日を超える要件:**
        *   フロー1.1で抽出した「段階的アップデートフロー」がある場合、段階的アップデートフローでのスケジュール反映をしてください。
        *   「段階的アップデートフロー」がない場合は、フロー1.1で抽出した「想定工数」をスケジュール反映してください。
        *   上記で計算した合計工数の0.5倍をバッファとして加えたものがその要件の総期間となります。
    *   **工数が5人日以下の要件:**
        *   フロー1.1で抽出した「想定工数」をそのまま使用し、バッファ5日を加えたものがその要件の総期間となります。
5.  **出力表の列:**
    *   NO. (決定された実装順序に対応する連番)
    *   要件名 (一般的な名称で)
    *   カテゴリ (フロー1.1で抽出したカテゴリ)
    *   優先度 (参考情報として表示)
    *   開始日 (YYYY/MM/DD形式)
    *   終了日 (YYYY/MM/DD形式、バッファ期間を含む最終日)
    *   実工数(人日) (バッファを除く工数)
    *   バッファ(人日) (実工数の0.5倍)
    *   総工数(人日) (実工数 + バッファ)
    *   実装フェーズ詳細 (段階的アップデートフローを適用した場合は、0.8倍後の各フェーズ名と調整後工数を記載。例: 「フェーズ1: XX (A日), フェーズ2: YY (B日)」等。それ以外の場合はタスク概要を記載。)

作成された開発計画表は、次のガントチャート生成ステップで使用します。

フェーズ2: ガントチャート生成

フロー2.1: Mermaid用ガントチャートコードの生成

  • 目的: フロー1.3で作成した月別開発計画表を基に、Mermaid形式のガントチャートコードを生成する。
  • 指示プロンプト (Cursorエージェント向け):
# 指示: Mermaid用ガントチャートコードの生成

フロー1.3で作成した以下の月別開発計画表(または前ステップの出力結果)に基づいて、Mermaid形式のガントチャートを生成してください。

[フロー1.3で作成された開発計画表をここに貼り付ける]

(※注: 上記の例の総工数、実工数は仮です。実際の計算結果に基づいてください。)


Mermaidガントチャートの仕様:
1.  dateFormat YYYY-MM-DD を使用してください。
2.  title 20xx年度 月別開発計画 を設定してください。
3.  axisFormat %Y-%m (または表示期間に応じて %m-%d など適切なもの) を使用してください。
4.  各タスク名は「NO. 要件名」の形式で記載してください (例: 1. スケジュール連携機能)。
5.  タスクIDは task[NO.] のようにしてください (例: task1, task2)。
6.  各タスクの開始日と終了日を指定してください(終了日はバッファを含んだ日付です)。
7.  **段階的アップデートフローを持つタスクの表現:**
    *   主要タスク(例: 1. スケジュール連携機能)をまず定義してください。
    *   その下に、Mermaidの機能(例: section 内に複数のタスクを記述、またはサブタスクとして)を利用して、「実装フェーズ詳細」に記載された各フェーズを個別のタスクとして表現してください。
        *   各フェーズのタスク名は「フェーズ名」としてください。
        *   各フェーズの期間は、「実装フェーズ詳細」から算出した調整後工数(例:DB設計 3.2日)を使用し、開始日・終了日を計算してください。
        *   主要タスクの期間内に、これらのフェーズタスクと、最後に5日間のバッファ期間が収まるようにしてください。バッファ自体を個別のタスクとして表示しても構いません(例: Buffer)。
    *   もし、Mermaidの制約で上記のような詳細なフェーズ表現が難しい場合は、主要タスクのみをガントチャートに表示し、タスク名に「(詳細フェーズあり)」などと補足する形でも構いません。その場合、コメントでフェーズ詳細について補足してください。
8.  **工数が5人日以下(段階的アップデートフローなし)のタスクの表現:**
    *   主要タスク(例: 4. データ検索ロジック改善)を定義してください。
    *   そのタスクの期間は、「実工数」と「バッファ」を合わせた「総工数」で表現してください。可能であれば、実作業期間とバッファ期間を分けて色分けするか、バッファを別タスクとして表現してください。

生成されたMermaidコードのみを提示してください。

それでも最後は、人間の創意と工夫 がプロジェクトを前に進める

Cursor がプロジェクトマネジメントに与える恩恵は計り知れません。しかし、Cursor が提示する最適解を鵜呑みにするだけでは足りない――これは、エンジニアがシステム障害と向き合う という拙稿でも繰り返し述べたテーマです。

  • “意図しない成功パス” を見逃さない観察眼
  • 利害関係者の温度感 をゲージしながらタスクを前後させる調整力
  • バッファを「手持ちの時間」ではなく「リスク吸収装置」 として扱うセンス

これらは今のところ、LLM の確率的推論 では完全に代替しきれません。そして、代替できない領域こそが、PM に携わる私たちの存在意義 なのだろう、とも思うのです。

「ツールが強くなるほど、最後に残るのは “どの問題を解くか” という意思決定だ」

Cursor を導入するという行為は、“PM が向き合うべき問題の層” を一段上げるだけかもしれません。けれど、その一段こそが、開発組織の非連続的な成長 を引き寄せる。私はそんな手応えを感じています。


付記

「ツールがチームの思考様式を変える」――Cursor×プロジェクトマネジメントの取り組みは、まだ始まったばかりです。失敗もあるでしょう。ただ、失敗の科学 が教えてくれるように、大切なのは「失敗のメカニズムを言語化し、次に活かすフロー」を確立すること。

そして、そのフローこそが 「向き合う」 という言葉の核心である、と私は考えています。あしからず。





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