米中が互いに関税率を一定期間引き下げることで合意したことを受け、株式相場が急騰する中、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、投資家はこの流れに追随せざるを得ないとの見方を示した
米中のジュネーブでの貿易協議前にBofAが実施した調査では、ファンドマネジャーの米国株のネットポジションは38%のアンダーウェイトと、過去2年で最も弱気な水準だった。ドルへのエクスポージャーも2006年以来の低水準で、回答者の約40%が米ドル安に対するヘッジを強化する意向を示していた。
その後、米中が貿易戦争の「一時停止」で合意すると、経済先行きに対する見方は大幅に改善した。
ただ、投資家の株式への投資比率が極めて低い中、市場参加者は持続的な株式相場の上昇が、弱気なポジションに大きな損失につながる可能性を警戒している。同時に、既に高水準となっている市場を追って買いに走れば、それもトレーダーにさらなる痛手を招く可能性がある。
BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏はリポートで、この調査結果について、米中合意が景気後退や信用市場のショックを回避することを考えれば「弱気で、痛みを伴う取引による株価の小幅な上昇を示唆している」と述べた。
ハートネット氏は、景気後退を回避するシナリオが、米国株、新興市場、小型株、エネルギーにとって最もポジティブだとしている。ただ、このシナリオは金相場にはマイナス影響を及ぼしそうだ。
米国株は、トランプ大統領の貿易戦争が一段落した兆しを受けて反発している。2月の最高値から19%も下落していたS&P500株価指数は、今年の下落分をほぼすべて取り戻すところまで回復している。
一方、BBVAのストラテジストらは、機関投資家やヘッジファンドの投資家が株式への投資配分を大幅に抑制していることから、株価の回復はさらに続く可能性があるとみている。
ストラテジストのミハリス・オニシフォロウ氏は顧客向けレポートで、ヘッジファンドのネットレバレッジは5年ぶりの低水準にあり、その大半は米国株のショートポジションである一方、システマティック戦略も株式の保有比率が依然として低いと指摘した。

Source: Bloomberg
原題:Bearish Stock Investors Left to Chase Rally, BofA Poll Shows (2)
🧠 編集部の感想:
米中の関税引き下げ合意を受けて株式市場が反発する中、投資家たちは弱気ポジションに苦しむことになるようです。この状況は、過去2年で最もアンダーウェイトな米国株のポジションを反映しており、トレーダーたちにとってリスクが高まっています。今後の市場動向には慎重な注視が必要ですね。
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