トランプ米大統領はカタール王室から提供の申し出がある超高級仕様のジェット機について、自身の退任後に使用する考えはないと述べた。この機体を大統領専用機「エアフォース・ワン」として使用する案をトランプ政権が検討していることに対し、批判の声が上がっている。
トランプ氏は12日、ホワイトハウスで記者団に対し「それは私個人への贈り物ではなく、国防総省への寄贈だ」と語った。
カタールが高級仕様のボーイング747-8を「エアフォース・ワン」として提供する案について、両国の当局者は協議中であることを週末に認めた。ボーイングから新型機2機が納入されるまでのつなぎとしての使用が想定されている。ボーイングは現在、国防総省の仕様に合わせて改修作業中。現行エアフォースワンに対するトランプ氏の不満を和らげる狙いもありそうだ。
トランプ氏は「カタール側は何か貢献したいと言っており、新しい機体が完成するまでの数年間、国防総省が使用できるよう747の提供を申し出ている」と語った。
同氏は新型エアフォースワンの納入が遅れていることについて、以前から表明してきたボーイングへの不満を改めて強調。「彼らは遅れている。われわれが受け取るまでには、まだしばらくかかるだろう」と述べた。
今回のカタールからのジェット機提供案には与野党双方から批判が相次いでいる。反対派はこうした大規模な贈与を外国政府から受け入れることが、政治的および倫理的に重大な問題を引き起こすと指摘する。
一部報道では、トランプ氏が大統領退任後も同機を使用し、その後は退役機として大統領図書館に展示される可能性が指摘されている。
航空機受領報道について批判した民主党議員の一人、トーレス下院議員はイスラム組織ハマスとの関係を理由にカタールを非難したほか、「米国史上前例のない大統領による不当利得」だとトランプ氏を批判した。
ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウス報道官を務めたアリ・フライシャー氏も、この取引案に懸念を示している。同氏は「エアフォース・ワンは最初から最後まで米国製であるべきだ。外国の手を経るべきではないし、王族からの贈り物であってはならない。そんなことはすべきではない」と語った。
ホワイトハウスのレビット報道官は12日、FOXニュースの番組でこの問題について言及し、現在も法的な詳細を詰めている段階だと説明した。
原題:Trump Says He Won’t Use Luxury Qatari Jet After Leaving Office(抜粋)