アジア時間12日午後遅くの取引で、米国株先物が急上昇し、ドルも値上がりした。米国と中国がスイス・ジュネーブで開催した貿易協議で、関税率を一定期間引き下げることで合意したことを受けた。金は急落した。
ベッセント財務長官が協議について「非常に力強く生産的だった」と評価したことを受け、あらゆるリスク資産が上昇した。
S&P500種先物は上げ幅を3%に拡大。ナスダック100指数の先物は3.8%高となった。ドルはユーロと円に対し1カ月ぶりの高値を付けた。利下げ観測の後退を背景に米国債は売られた。金相場は2.7%下落。
また、香港上場の本土銘柄から成るハンセン中国企業株(H株)指数および香港株の指標、ハンセン指数はともに一時3.6%上昇。中国のCSI300指数は米中からの発表のタイミングと重なる形で12日の取引を1.2%高で終え、トランプ氏が「解放の日」と銘打った4月2日からの下げを全て取り戻した。
オフショア人民元も対ドルで上げ幅を広げ、約0.4%上昇した。
米中協議の進展は、二大経済大国の貿易戦争が世界経済をリセッション(景気後退)に追い込むのではないかと懸念していた投資家に安堵(あんど)をもたらした。
エコフィの株式ファンドマネジャー、カレン・ジョージス氏は株式相場の反発について「多くのキャッシュを抱える機関投資家が株式への投資比率拡大を検討しているタイミングで起きた」と指摘した。

原題:S&P 500 Futures Jump 3% as US, China Cut Tariffs: Markets Wrap、Chinese Stocks Jump After Agreement with US on Tariff Reductions(抜粋)
(市場関係者のコメントなどを追加して更新します)