
※本記事は『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』のネタバレを多数含んでいます。未プレイの方はご注意ください。
2025年5月5日に東京・すみだトリフォニーホールで開催されたオーケストラコンサート“Symphonic Poem from 幻想水滸伝 Remaster”。本公演はグランドフィルハーモニック東京が管弦楽を担当し、3月6日に発売された『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』と、新作モバイル向けアプリ『幻想水滸伝 STAR LEAP』の楽曲がひと足先に演奏されました。
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公演はタイトルごとにセクションで分けられ、“連作交響詩”というスタイルでゲームの冒頭からエンディングまでの印象的なシーンをつなぐ映像とともに演奏。楽曲によってはピアノ、ビブラホーン、尺八、琴のソロパートがあり、聴きごたえがある内容となっていました。
<出演者(敬称略)>
- 松村秀明/指揮者
- 東野美紀/スペシャルゲスト
- 山本和哉/演出
- 庄司燦/編曲
- 湖東ひとみ/編曲
- グランドフィルハーモニック東京/管弦楽
【幻想水滸伝I】ソウルイーターの紋章を受け継いだぼっちゃんの過酷な人生を音楽と映像で振り返る
第一部はシリーズの原点たる『幻想水滸伝I』で、オデッサ、グレミオ、テオ・マクドール、テッドとぼっちゃん(主人公)とパートごとに作品の重要人物名が題名につけられているのがポイントです。ゲームではとくに章仕立ての区分けはありませんが、リマスター版をクリアしたうえでこのセットリストを見た方は、きっと「ですよね!」と大きくうなずかれたのではないでしょうか。
主人公の父であり、赤月帝国の帝国五将軍である“百戦百勝のテオ・マクドール”で構成されたパートがあるところも、ニクい構成ですよね。選曲も素晴らしいです。
楽曲は来場者が手拍子で参加したグレッグミンスターの『美しき黄金の都』、冒険に出かける気分を高揚させるフィールド曲の『大草原の小さなキャラ』など明るいものがありますが、非業の死を遂げる人物が多い物語だけに『悲しみのテーマ』や『失われた日々』など、涙を誘うようなシリアスめな楽曲が多く使われていたなと、あらためてコンサートを通して実感しました。
主人公の父であり、赤月帝国の帝国五将軍である“百戦百勝のテオ・マクドール”で構成されたパートがあるところも、ニクい構成ですよね。選曲も素晴らしいです。
楽曲は来場者が手拍子で参加したグレッグミンスターの『美しき黄金の都』、冒険に出かける気分を高揚させるフィールド曲の『大草原の小さなキャラ』など明るいものがありますが、非業の死を遂げる人物が多い物語だけに『悲しみのテーマ』や『失われた日々』など、涙を誘うようなシリアスめな楽曲が多く使われていたなと、あらためてコンサートを通して実感しました。
個人的に聴きごたえがあった楽曲は、悲劇的なシーンで流れる『悲しみのテーマ』です。今回はギターやアンサンブルなどでアレンジされた楽曲が用意され、いろいろな方向から悲しみの感情が揺さぶられて涙が自然とこぼれてしまいました。
また、一騎打ちのシーンに使われる『一触即発』も印象的でした。
オリジナル版をプレイした当時、「なんだか違うシステムのバトルが出てきた!?」と驚かされたクワンダロスマンとの戦いや、しっかりパーンのレベルを上げておかないと勝つことが難しいテオとの一度目の戦い、そして親子が互いの譲れないものをかけて刃を交えることとなってしまった、二度目のテオとの(ぼっちゃんの視点だと父親との最初で最後の戦いですが)一騎打ち……。
そしてもうひとつはずせないのが、戦争イベントで流れる『出陣のテーマ』です。こちらも一騎打ち同様にガラッと遊びかたが変わり、しかも戦局によっては仲間が死亡するなど緊迫感があるんですよね。
当時は攻略関連の知識がなく、何度も仲間を死なせてしまったので、ある意味トラウマな曲でもありますが、オーケストラの演奏ではトランペットで高揚感を煽るようなフレーズがホールによく響き、「戦意高揚にピッタリな曲だな」と印象が変わって、好きな曲になりました。
当時は攻略関連の知識がなく、何度も仲間を死なせてしまったので、ある意味トラウマな曲でもありますが、オーケストラの演奏ではトランペットで高揚感を煽るようなフレーズがホールによく響き、「戦意高揚にピッタリな曲だな」と印象が変わって、好きな曲になりました。
【幻想水滸伝I】グレミオのシチューやオデッサとの別れ…壮大なネタバレも含めて、思い出に残る名場面もすごかった!
聴きごたえのあるオーケストラとあわせて、大型スクリーンで流されたプレイ映像も今回のコンサートの見どころでした。映像と連動するような演奏演出も多く、例えば戦闘→勝利時のジングル曲といった自然な流れでの演奏は、まるで大画面で実際にゲームを遊んでいるようなシンクロ感を受けることに。
ストーリー的にも、キャラごとにまとめられている構成ではありつつも、ほぼオープニングからエンディングまでの物語を追体験できるような映像&楽曲構成となっており、なつかしの名場面も次から次へと投影され、耳(音楽)からも目(ゲーム画面)からも『幻想水滸伝』の思い出を刺激されます。
リマスター版で遊びなおした時にも感じましたが、主人公が親友のテッドから“27の真の紋章”のひとつである“生と死を司る紋章”ことソウルイーターの紋章を託される場面なども、発売当時と違って『幻想水滸伝IV』を遊んだ後に見直すと、いろいろと思うところが増えたりしますし、名場面をあらためて見直すことって本当に大事ですよね。
リマスター版で遊びなおした時にも感じましたが、主人公が親友のテッドから“27の真の紋章”のひとつである“生と死を司る紋章”ことソウルイーターの紋章を託される場面なども、発売当時と違って『幻想水滸伝IV』を遊んだ後に見直すと、いろいろと思うところが増えたりしますし、名場面をあらためて見直すことって本当に大事ですよね。
シチューをつくるグレミオに対する複数パターンのいたずら選択肢をちゃんと見せてくれたり、オデッサとの別れに関連したフリックのシーンもしっかりと見せてくれたり……。
ソニエール監獄でのミルイヒによる人食い胞子のシーンも、オーケストラによる荘厳な演奏で演出されることでいっそう心に刻まれました。
そしてもちろん、あの条件を満たして108星がそろうハッピーなルートも映像で追体験させてくれるという神演出。このあたりは、ネタバレどんとこいの濃いファンが集うであろうオーケストラコンサートならではの出し惜しみのない非常によい演出で、とても効果的だったと思います。
そしてもちろん、あの条件を満たして108星がそろうハッピーなルートも映像で追体験させてくれるという神演出。このあたりは、ネタバレどんとこいの濃いファンが集うであろうオーケストラコンサートならではの出し惜しみのない非常によい演出で、とても効果的だったと思います。
【幻想水滸伝 STAR LEAP】リリース前の新作楽曲を新規映像とともにメドレーで紡ぐ
第二部では27の真の紋章“変化の紋章”にスポットを当てたシリーズ最新作『幻想水滸伝 STAR LEAP』から5曲を演奏。
注目は第1楽章の“カンパニュラ オーケストラアレンジVer.”で、こちらは公開中のトレーラーで聞くことができる本作の主題歌。原曲は作詞・作曲を手掛けた中村佳穂氏によるボーカルを軸にした楽曲ですが、今回はオーケストラアレンジされたバージョンとなっています。
タイトル発表時に中村氏が語っていたアジアの平原を駆け抜ける馬の足音を彷彿させるリズム感、オリエンタルな空気感など、メロディラインがはっきり聴こえるオーケストラサウンドだからこその味わい深さがありました。
タイトル発表時に中村氏が語っていたアジアの平原を駆け抜ける馬の足音を彷彿させるリズム感、オリエンタルな空気感など、メロディラインがはっきり聴こえるオーケストラサウンドだからこその味わい深さがありました。
第2楽章“本拠地の里”では『幻想水滸伝』シリーズの核ともいえる本拠地の楽曲を披露。本作では本拠地となる里の発展に合わせて楽曲が変化する仕組みが取り入れられているようで、しっとりと聴かせるメロディラインの楽曲やジャズ調の楽曲など、プレイ前ではありますが「今回の本拠地はどんな姿なんだろう」とワクワク感が止まらなかったです。
第3楽章『三華繚乱!乱凛天』は『幻想水滸伝II』でトラン共和国に向かう際に出会う、敵の3人娘こと、ランラン、リンリン、テンテンのテーマ曲です。
和中華風な衣装に身を包んだ彼女たちを象徴するかのように楽曲も中華属性が強く、全体的ににぎやかで明るくノリのいいメロディでした。この楽章では登場イベントに使われるであろうテーマ曲的なものやバトル時の専用曲らしきものなど、複数の曲が演奏されているようでした。ランラン、リンリン、テンテン、めっちゃ優遇されているような!? かなりの重要キャラになるようですね。
和中華風な衣装に身を包んだ彼女たちを象徴するかのように楽曲も中華属性が強く、全体的ににぎやかで明るくノリのいいメロディでした。この楽章では登場イベントに使われるであろうテーマ曲的なものやバトル時の専用曲らしきものなど、複数の曲が演奏されているようでした。ランラン、リンリン、テンテン、めっちゃ優遇されているような!? かなりの重要キャラになるようですね。
第4楽章の“街の音楽 ~昼夜の移ろい~”では、昼と夜で変わる街の楽曲を楽しめました。シリーズ作でおなじみのグレッグミンスターのほか、『STAR LEAP』で新登場となるふたつの街の楽曲が演奏されました。夜の楽曲は昼の楽曲をベースにジャズ風でシックなアレンジとなっているものが多いようで、ヴィブラフォンの軽快な音色が印象的でした。『幻想水滸伝』は土地ごとに特色があるタウン楽曲が多いので、それらが夜用にどうアレンジされていくのかも楽しみですね。
また、グレッグミンスターのように原作に登場する街の楽曲は、原曲のイメージをガラッと変えるアレンジがなされており、実際のゲームで訪れるのが楽しみになりましたね。
また、グレッグミンスターのように原作に登場する街の楽曲は、原曲のイメージをガラッと変えるアレンジがなされており、実際のゲームで訪れるのが楽しみになりましたね。
第5楽章の“未だ見ぬ冒険への指標 ~フィールド音楽&バトル音楽メドレー~”では、フィールド楽曲の『芽吹きの荒野』『風を切る航海』、バトル・戦争楽曲の『苦難を越えて』『戦旗を掲げよ!』、主人公を象徴する楽曲の『行軍、星のもとに』の5曲を披露。冒険のワクワク感、そしてバトルの緊迫感が伝わる楽曲で、名は体を表すという言葉がピッタリでしたね。
なお、演奏中に上映された映像では先述したランラン、リンリン、テンテンが仲間に加わることや、戦争イベントがリアルタイムストラテジー風になっているように見えることなど、初出しの情報を確認することもできました。
なお、演奏中に上映された映像では先述したランラン、リンリン、テンテンが仲間に加わることや、戦争イベントがリアルタイムストラテジー風になっているように見えることなど、初出しの情報を確認することもできました。
以前の公式番組では、『幻想水滸伝 STAR LEAP』の情報は公式番組などで発表していくと語られていましたが、こういったリアルイベントでもサプライズ的に新情報が明かされるとは。まだ配信時期は明言されていませんが、今後の新情報も楽しみですね。
作曲者の東野美紀氏がピアノソロで贈る、『幻想水滸伝II』屈指の人気曲『月夜のテーマ』
第二部のラストをしめくくったのは『STAR LEAP』用の新曲ではなく、『幻想水滸伝II』の楽曲でした。『幻想水滸伝』と『幻想水滸伝II』の作曲を担当した東野美紀氏が登壇し、『幻想水滸伝II』でも屈指の人気を誇る『月夜のテーマ』をピアノで演奏。
ピアノコンチェルト風にアレンジされた単曲は、月夜の静寂さをしっとりと伝えるメロディで、目を閉じながら聴きたくなる耳心地のよさが印象的でした。
【幻想水滸伝II】ふたつの紋章に運命を左右された幼なじみたちが選んだ道を2本のヴァイオリン演奏で表現
主人公が受け継いだ輝く盾の紋章、そして親友のジョウイが受け継いだ黒き刃の紋章。このふたつの紋章をその身に宿した時から、交じり合うことのない道を歩き始めた彼らは、やがて刃を交えることになっていく……。
第三部ではそんな長大な物語が、プロローグからトゥルーエンドまで全7楽章にわけて演奏されました。映し出された映像もプレイした人なら納得のシーンが切り出されており、オーケストラ演奏の没入感をより後押ししていました。
第三部ではそんな長大な物語が、プロローグからトゥルーエンドまで全7楽章にわけて演奏されました。映し出された映像もプレイした人なら納得のシーンが切り出されており、オーケストラ演奏の没入感をより後押ししていました。
“第1曲:プロローグ”では、ハイランド軍のユニコーン隊に所属する主人公とジョウイの物語の始まりを追体験。2人の心情を表現するために、本公演ではヴァイオリンソロが2枠用意され、さらには管楽器を対向配置にするなど、『幻想水滸伝II』のための特別な構成で音を紡ぐといったこだわりも。
最後の曲『救出』では、『幻想の世界へ』が勇ましくアレンジされた形で挿入されるなど、「お!?」と思わせる隠し演出が印象的でした。
”第2曲:過ぎた日々”は、フリックとビクトールに助けられた主人公とジョウイの旅立ちから、輝く盾の紋章と黒き刃の紋章をその身に宿し、ハイランド軍と対峙していくシーンまでをカバー。
全体的にガッツリとアレンジを効かせるのではなく、原曲とともに思い出を振り返るような構成になっているなという印象でした。とくにミューズで捕らわれて牢の中で満月を見上げるシーンで流れる『月夜のテーマ』は、リマスター版での月夜の表現が見事で、音楽との調和がとれていてものすごくよかったんですよね。ここはオーケストラ演奏で聴くのが楽しみだっただけに、期待通りの1曲でした。
”第2曲:過ぎた日々”は、フリックとビクトールに助けられた主人公とジョウイの旅立ちから、輝く盾の紋章と黒き刃の紋章をその身に宿し、ハイランド軍と対峙していくシーンまでをカバー。
全体的にガッツリとアレンジを効かせるのではなく、原曲とともに思い出を振り返るような構成になっているなという印象でした。とくにミューズで捕らわれて牢の中で満月を見上げるシーンで流れる『月夜のテーマ』は、リマスター版での月夜の表現が見事で、音楽との調和がとれていてものすごくよかったんですよね。ここはオーケストラ演奏で聴くのが楽しみだっただけに、期待通りの1曲でした。
“第3曲:ジョウイ”では同盟軍を抜けたジョウイが、ルカ・ブライトの配下につき、皇女ジルをめとるまでのエピソード楽曲が演奏されました。
このパートのタイトルはジョウイですが、個人的にはRPG史上でも強烈な敵キャラとして名を残すルカ・ブライトの出番も多め。主に彼の登場シーンで使われる『緊迫』は、『幻想水滸伝II』で忘れられない1曲だなとあらためて実感しました。曲名通りに緊張感を煽るメロディで、この曲を聴くだけでルカの高笑いと狂気の笑みが思い出される人も多いのでは?
このパートのタイトルはジョウイですが、個人的にはRPG史上でも強烈な敵キャラとして名を残すルカ・ブライトの出番も多め。主に彼の登場シーンで使われる『緊迫』は、『幻想水滸伝II』で忘れられない1曲だなとあらためて実感しました。曲名通りに緊張感を煽るメロディで、この曲を聴くだけでルカの高笑いと狂気の笑みが思い出される人も多いのでは?
主人公の宿星の名がつけられた“第4曲:天魁星”。楽曲的にはフィールドや通常バトル、戦争イベント、強敵であるルカ・ブライトとの戦闘などが組み込まれています。「いろいろあったよな」と感慨深いシーンの映像との相乗効果が素晴らしかったです。なかでもルカに引導を渡すシーンで流れる『追いつめる』『Mad Luca』『邪悪なる者』の3曲は、物語の大きな山場を盛り立てた名曲だとあらためて感じましたね。
余談ですが『さらに栄えし美しき黄金の都』ではグレッグミンスターのタウン曲が演奏されましたが……第一部の『1』、第二部の『スターリープ』に続いて、これで今回の公演で3度目のグレッグミンスター楽曲の演奏ということに(笑)。『スターリープ』は昼と夜でアレンジが異なるので、ある意味4回目? なかなか貴重な経験といえますが、途中の手拍子パートを含めて軽妙でノリのよい曲ですし、何回聴いても楽しめました!
“第5曲:黒き刃の紋章”では解放軍と帝国軍という異なる立場に立った主人公とジョウイが再会し、戻れない道をたどるまでのエピソードをカバー。なかでもゴルドー戦後に起こるナナミとの別れで流れる『悲しみのレクイエム』は、『幻想水滸伝I』のエンディングで流れる『EQUIEM』がアレンジされたバージョンで、主人公の悲痛な叫びを代弁するかのような音色に涙が……。
“第5曲:黒き刃の紋章”では解放軍と帝国軍という異なる立場に立った主人公とジョウイが再会し、戻れない道をたどるまでのエピソードをカバー。なかでもゴルドー戦後に起こるナナミとの別れで流れる『悲しみのレクイエム』は、『幻想水滸伝I』のエンディングで流れる『EQUIEM』がアレンジされたバージョンで、主人公の悲痛な叫びを代弁するかのような音色に涙が……。
“第6曲:輝く盾の紋章”はハイランド軍を追い詰め、皇都ルルノイエに攻め込んで戦いに終止符を打つまでのエピソードに流れる楽曲を披露。
そのなかで期待以上にしびれたのは、『悲しみのレクイエム』のフレーズが使用されたラスボス戦バトル曲の『銀狼』です。『悲しみのレクイエム』以外にも『勝利への意欲』『幻想の世界へ』などのフレーズが使われており、ものすごく聴きごたえがありました。
そのなかで期待以上にしびれたのは、『悲しみのレクイエム』のフレーズが使用されたラスボス戦バトル曲の『銀狼』です。『悲しみのレクイエム』以外にも『勝利への意欲』『幻想の世界へ』などのフレーズが使われており、ものすごく聴きごたえがありました。
そしてトータル80分の演奏を締めくくった“終曲:始まりの紋章”では、約束の地で主人公とジョウイが相まみえ、大団円を迎えてスタッフロールが流れるまでを演奏。これまでふたりがたどってきた道をプレイバックした映像が、2本のヴァイオリン演奏とともに流されて幕を開ける演出は、自然と涙がこぼれるほどの感動を覚えました。
とくに『彼方の星』からそのまま『エンディングマーチ~我らは常にいつならん(108人のその後)~Coda/勝利』へと続く編曲は、PS版発売当時にトゥルーエンドを見られなかった悔しさと、リマスター版ではしっかり見届けたという達成感が入り交じり、自分の中で感慨深い一曲となりました。
アンコールでは『幻想水滸伝II』で屈指の人気楽曲を特別演出で2曲演奏
第三部の演奏が終了して割れんばかりの拍手が鳴りやまなかった会場。そんな期待に応える形でアンコール演奏がスタートし、まずお披露目されたのは『幻想水滸伝I』と『II』の2作品にわたってプレイヤーを苦しめた吸血鬼・ネクロードのバトル曲の『Gothic Neclord』。
原曲よりもハードロックに寄せた曲調で、会場のボルテージも一気にMAXへ!
演奏後はこの1曲で終了かと思われましたが、さらに追加アンコールが実現。本当の意味のラストナンバーを飾ったのは『幻想水滸伝II』の『Orizzonte(オリゾンテ)』でした。
東野美紀氏らによるピアノ連弾でしっとりと聴かせる形でスタートした楽曲は、中盤でオーケストラの管楽器が前に出て力強く音を奏で、再びピアノ連弾で余韻を残しながら締める演出が心に染みわたりました。
3タイトル分の楽曲が演奏されるだけあって公演時間は約4時間半という長丁場でしたが、オーケストラらしい重厚な音色だけでなく、しっとりと聴かせるピアノ楽曲やハードロック的な攻めた楽曲などバラエティに富んだセットリストで、気づけば「もう終演!?」と驚くほどの没入感が味わえた本コンサート。
終幕時は会場を埋め尽くしたファンから惜しみない拍手が贈られ、公演に対する満足度の高さがうかがえました。
以降のタイトルにフォーカスしたコンサートもいつか実現するといいなと想いを馳せながら、本レポートを締めくくりたいと思います。
なお、オンラインショップでは演奏楽曲の解説や『幻想水滸伝 STAR LEAP』制作陣へのスペシャルインタビューを収録した公演パンフレット、イベントビジュアルを使用したグッズなどが販売中です。パンフレットはファングッズとしても価値が高い内容なので、来場できなかった方もぜひ手に入れてほしいです。
東野美紀氏らによるピアノ連弾でしっとりと聴かせる形でスタートした楽曲は、中盤でオーケストラの管楽器が前に出て力強く音を奏で、再びピアノ連弾で余韻を残しながら締める演出が心に染みわたりました。
3タイトル分の楽曲が演奏されるだけあって公演時間は約4時間半という長丁場でしたが、オーケストラらしい重厚な音色だけでなく、しっとりと聴かせるピアノ楽曲やハードロック的な攻めた楽曲などバラエティに富んだセットリストで、気づけば「もう終演!?」と驚くほどの没入感が味わえた本コンサート。
終幕時は会場を埋め尽くしたファンから惜しみない拍手が贈られ、公演に対する満足度の高さがうかがえました。
以降のタイトルにフォーカスしたコンサートもいつか実現するといいなと想いを馳せながら、本レポートを締めくくりたいと思います。
なお、オンラインショップでは演奏楽曲の解説や『幻想水滸伝 STAR LEAP』制作陣へのスペシャルインタビューを収録した公演パンフレット、イベントビジュアルを使用したグッズなどが販売中です。パンフレットはファングッズとしても価値が高い内容なので、来場できなかった方もぜひ手に入れてほしいです。
“Symphonic Poem from 幻想水滸伝 Remaster”セットリスト
第一部 連作交響詩「門の紋章戦争」
第1曲:プロローグ
- 諸行無常の響き
- 王宮の調べ
- 帝国よ永遠に
- 美しき黄金の都
- メインテーマアレンジ~ギター編
- 飛べ!ブラック
- 黒い森
- 最強の敵
- 感動のテーマ
第2曲:オデッサ
- 大草原の小さなキャラ
- 遥かなる山
- 魔物たちとの対決
- ロックロックランド
- 緊迫のテーマ~アンサンブル編
- 悲しみのテーマ~アンサンブル編
- 神秘の森
- 絶望のテーマ
- 激突!
- Gate
- 一触即発
第3曲:グレミオ
- ひとときのやすらぎ
- ナルシーのテーマ
- ゴージャス・スカーレティシア
- 悲しみのテーマ~ギター編
- ここだけの話
- 緊迫のテーマ~アンサンブル編
- 一触即発
第4曲:テオ・マクドール
- 踊る少女
- 緊迫のテーマ~アンサンブル編
- 一触即発
- 悲しみのテーマ~ギター編
- 集いし戦士たち
- 緊迫のテーマ~インパクト編
- パッサカリア
- 蒼い海、青い空
終曲:テッドとぼっちゃん
- 失われた日々
- メインテーマアレンジ~ギター編
- Penpe
- 緊迫のテーマ~インパクト編
- 彼方の星
- 悲しみのテーマ~アンサンブル編
- 出陣のテーマ
- 感動のテーマ
- 幻想の世界へ
- 最強の敵
- 緊迫のテーマ~Tama-dator
- Avertuneiro Antes Lance Mao~戦いは終わった~
第二部 『幻想水滸伝 STAR LEAP』より
<セットリスト>
- 第1楽章:カンパニュラ オーケストラアレンジVer.
- 第2楽章:本拠地の里
- 第3楽章:三華繚乱!乱凛天
- 第4楽章:街の音楽 ~昼夜の移ろい~
- 第5楽章:未だ見ぬ冒険への指標 ~フィールド音楽&バトル音楽メドレー~
- 『幻想水滸伝II』より月夜のテーマ ~Symphonic Poem from 幻想水滸伝 Special Arrange~ Piano Solo:東野美紀
第三部 連作交響詩「デュナン統一戦争」
第1曲:プロローグ
- オープニングBGM
- 敵襲
- 勝利への意欲
- 回想
- 働かざる者食うべからず
- 冒険の旅
- 強敵出現
- 郷愁
- 救出
第2曲:過ぎた日々
- 過ぎた日々
- ニンジン、食べるかい?
- あの丘に登ろう
- 月夜のテーマ
- 彼方の星
- 囚われた街
- 母への祈り
- 邪悪なる者
- 光のない戦場
第3曲:ジョウイ
- 生け贄の祝祭
- 緊迫
- 戦争
- 儀式
- 王者の行進
第4曲:天魁星
- もっと遠くへ
- さらに栄えし美しき黄金の都
- 魔物たちとの対決ふたたび
- 作戦
- 光のない戦場
- 追いつめる
- Mad Luca
- 邪悪なる者
第5曲:黒き刃の紋章
- 回想~ストリングスバージョン~
- 怒りの鉄拳
- 悲しみのレクイエム
第6曲:輝く盾の紋章
- 迷宮~PENPE2
- 強敵出現
- 対決の時
- 銀狼
- La passione commuove la storia ~情熱は歴史を動かす~
終曲:始まりの紋章
- Chant~あなたと出会い生をうけ、あなたを失い死を知った~
- 彼方の星
- エンディングマーチ ~我らは常にいつならん(108人のその後)~Coda
- 勝利
【幻想水滸伝II】Encore
- Gothic Neclord
- Orizzonte
『幻想水滸伝』オケコンはゲーム冒頭からEdまでを映像付きで追体験できる構成が最高だった。『Ii』主人公とジョウイが選んだ道を2本のヴァイオリン演奏で表現していたのもエモい
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