ウーバーイーツ配達員7200件の配達の中から珠玉のカスハラ暴言を紹介してもらった Photo:JIJI

ウーバーイーツの配達員として6年、累計7200件以上の配達をこなしてきた著者が、これまでに遭遇した「信じられないカスハラ暴言」とは? 再配達を当然と考える客、怒りにまかせて罵声を浴びせる人、そして、子どもの夕食を職場から注文した口実に異常な責任追及をしてくる母親…。配達員の努力やルール無視の末に飛んでくる「カスハラ」に、さすがのベテランも絶句。果たして、ワースト1に輝いた“最恐クレーマー”のカスハラ暴言とは――?(ライター・ウーバー配達員  佐藤大輝)

7200人のお客様から頂戴した
「最恐の暴言」ワースト3

 ウーバー配達員として生まれて6年目を迎えた。これまでに僕がウーバーで配達した件数は、この記事を書いている時点で7200回を超えている。日本一周の距離は約1万2000キロと言われているので、まず間違いなく日本二周目に突入した。アシストの付いてない自転車でよく頑張っているなと、今年で35歳になる僕は我ながら驚いている。

 ウーバーの仕事を始めたキッカケは「不当解雇」だった。僕は29歳のとき、中途入社した運送会社からクビを宣告された。解雇理由は、会社携帯を夜間休日に対応しないから(正確には、サービス残業で対応させるのはいかがなものかと意思表明をしたから)。とどのつまり「つながらない権利」を主張した結果、僕は約3年間勤めた会社をクビになった。

 路頭に迷っていた僕の「雇用の受け皿」になってくれたのがウーバーだった。生活を回すためにママチャリのペダルを回す機会を与えてくれた、ウーバーイーツジャパンには感謝しかない。

 しかし、そうは言ってもウーバーイーツは、老若男女が利用するサービス業だ。ここだけの話、ベテラン配達員の僕は「二度と遭遇しませんように……」と心の底から願っているお客様が何人かいる。

 勘違いのないよう前置きしておくが、ウーバーを利用しているお客様のほとんどは常識人だ。むしろ、善良な方の割合がかなり高い。配達員の私に飲み物やカイロを差し入れしてくれたり、5000円札で「チップ」を頂戴したりすることもある。

 このような現場があるうえで、まれにカスタマーハラスメント(カスハラ)の被害を受けることもある。

 メディアでは飲食店の前でたむろしたり、危ない運転をしたりする配達員のマナーの悪さが指摘されることが多い。しかし、マナーの悪いお客様もゼロではないという事実を僕はお伝えしたい。ではさっそく、個人的にもう会いたくないウーバーイーツ利用客ワースト3をご紹介しよう。