ウォーシュ元米連邦準備制度理事会(FRB)理事は9日、関税に起因する物価上昇が持続的なインフレ加速を招いた場合、FRBに責任があるとの考えを示唆した。同氏は2006年から11年まで理事を務め、次期FRB議長候補の一人と目されている。

ウォーシュ元FRB理事
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg
「仮に中央銀行が外部要因による物価水準の変動が影響して一連のインフレをもたらすと主張するなら、それはある意味、自らの利益に反することを認めているようなものだ」と、カリフォルニア州スタンフォードのイベントで指摘。
「それはある意味、中銀の信認が損なわれていると主張している。中銀にそれを阻止する信認や信頼がないためインフレが起こると言っているに等しい」と述べた。
トランプ大統領の関税措置は物価を押し上げ、経済成長を減速させるというのがエコノミストのほぼ一致した見解だ。パウエル議長らFRB高官は、関税措置とそれに伴う経済への影響を巡る不確実性から、インフレと失業率がいずれも上昇するリスクが高まっていると述べている。
ウォーシュ氏は、中銀が物価を安定させるという確信を国民が持っていることこそが、物価安定の「前提条件」だと強調。「国民の信頼を得る最善の方法は、それを実現することだ」と述べた。
原題:Warsh Suggests Fed’s Tariff Remarks Imply Impaired Credibility(抜粋)
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