米The Walt Disney Companyとアラブ首長国連邦（UAE）の開発会社Miralが、アブダビ近郊に最先端のDisneyテーマパーク兼リゾートを開業する計画を発表した。名称未定のこのウォーターフロント施設は、アブダビ市から約20マイル（約32km）離れたヤス島に建設され、早ければ2030年代前半に開業する可能性がある。Disneyが新しいパークを開設するのは、2016年の上海ディズニーランド以来だ。
「当社7番目のテーマパークとしてこの地に壮大な姿で誕生し、現代建築と最先端技術を融合させて、ユニークかつ最新の方法でゲストに没入型エンターテインメント体験を提供するものになる」とDisneyの最高経営責任者（CEO）であるBob Iger氏は米国時間5月7日のプレスリリースで述べた。
DisneyとMiralは、「モアナと伝説の海」「アナと雪の女王」「トロン」などのディズニー作品の映像やコンセプトアートを含む動画を公開した。動画では、ヤス島のウォーターフロントという立地は、このパークならではのインタラクティブな体験を創出できる機会になるとしている。
Disneyの広報担当者が米CNNに語ったところによると、同社は10年前から本プロジェクトを検討しており、Unreal Engineなどの技術を取り入れてキャラクターと物語をアトラクションに融合させることに関心を持っているという。
「この画期的なリゾートは、テーマパーク開発の新たなフロンティアになる」と、Disney Experiences会長のJosh D’Amaro氏は発表の中で述べ、「アブダビのリゾートは当社ポートフォリオで最も先進的かつインタラクティブな施設になる」とした。
目的は他のリゾートから客を奪うことではない
DisneyとMiralは、「Warner Bros. World」などがすでに営業しているヤス島の極めて活発なエンタメシーンに参入することになる。今回の発表は、Universalが5月にオーランドでテーマパーク「Epic Universe」を開業する件とも時期が重なっている。
Disney情報サイトWDWMagicを運営するSteve Frearson氏によれば、アブダビの新パークは他の地域から客を奪うよりも、新たなファンを開拓することに重きを置くものとみられる。
「これはDisneyが世界展開における大きな空白を認識した結果だ。中東、南アジア、およびアフリカの一部は、既存のDisneyパークにほとんど行かない潜在的ゲストがいる巨大な市場だ」と同氏は述べ、「このプロジェクトは他のリゾートから客を奪うのではなく、同ブランドにアクセスしづらかった人々にリーチすることが目的だ」とした。
スケジュールとMiralの関与を踏まえ、Frearson氏は「真に次のレベルのものになり得る」大予算のプロジェクトが期待できると語った。
「Miralは存在感を示したいだろうし、通常のような予算の制約がなければイマジニアはこれまでにない形で限界を押し広げられる。ファンは『スター・ウォーズ：ライズ・オブ・ザ・レジスタンス』級の目玉アトラクションがずらりと並ぶパークを期待するだろう」と語った。
Disney経営陣の発言や公開されたイメージから、Frearson氏はDisneyらがロボットや自由に歩き回るキャラクターを活用し、既存のパークよりも未来的な方向性を追求する可能性が高いとみている。
「これは城を中心としたパークになるが、初期のコンセプトアートとIger氏のコメントによると、城はこれまでのどのディズニーパークとも似ていない驚くほどモダンなデザインだ」とFrearson氏は言う。「それだけでも、このプロジェクトがどれほど斬新で先進的かを示している」
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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