MSIのウルトラハイエンドゲーミングPC「MEG Vision X AI 2NVZ9-014JP」が編集部にやってきた。
フロントの大部分が液晶パネルになっているユニークな筐体に、GeForce RTX 5090とCore Ultra 9 285Kといった現在最高峰のパーツを搭載。MSIストアでの販売価格は928,000円で、価格の面でも超ド級モデルだ。MSIのこだわりが詰まった本機のユニーク機能と性能をチェックしてみよう。
4K/240Hzの有機ELモニターの性能も存分に引き出せる!ウルトラハイエンドPCらしい性能のMEG Vision X AI 2NVZ9-014JP
ここからは、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPのパフォーマンスをベンチマークテストなどで確認する。
テストに際して240Hzの高速駆動と3,840×2,160ドットの高精細を両立するMSIの高性能ゲーミングモニター「MPG 321URX QD-OLED」を接続。ハイエンドゲーミングモニターの性能をしっかりと活かせる性能があるのか実際に試してみた。

4K解像度でもゲームプレイはかなり快適、DLSS 4対応でAAAタイトルも高フレームレート動作
まずは、ゲーム用途でのパフォーマンスを確かめるべく、「モンスターハンターワイルズ」と「サイバーパンク2077」をテストした。
モンスターハンターワイルズでは、DLCの「高解像度テクスチャパック」を導入した状態で、グラフィックプリセットを「ウルトラ」、レイトレーシングを「高」、超解像を「DLSS」、フレーム生成を「オン」にそれぞれ設定し、ゲーム内でフレームレートを計測した。
計測の結果、フルHD/1080pで「156.2fps」、WQHD/1440pで「143.6fps」、4K/2160pでも「122.1fps」と、いずれも100fpsを余裕で超える平均フレームレートを記録。高解像度テクスチャパックまで導入した最高の条件でも快適にプレイできるだけのパフォーマンスが得られた。

サイバーパンク2077では、グラフィックプリセット「レイトレーシング:オーバードライブ」、超解像を「DLSS」、フレーム生成を「DLSS FG 4X」に設定し、ゲーム内ベンチマークモードで平均フレームレートを計測した。
AAAタイトルの中でもPC負荷が高いことで知られたサイバーパンク2077だが、DLSS 4のマルチフレーム生成を最大限に活用することで、フルHD/1080pで「443.10fps」、WQHD/1440pで「338.99fps」、4K/2160pでも「290.44fps」という高フレームレートを実現。4K/240Hz駆動というMPG 321URX QD-OLEDの表示性能を最大限に引き出せるほどのパフォーマンスを発揮した。

クリエイティブ&AI用途もウルトラハイエンドらしい性能を発揮
続いて、クリエイター向けアプリや生成AIでのパフォーマンスを確認してみよう。
CPUの3DCGレンダリング性能を計測する「Cinebench 2024」を実行した結果が以下のグラフ。
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが搭載するCore Ultra 9 285Kが記録したスコアは、マルチコアテストが「2,340」、シングルコアテストは「135」。いずれも現在のデスクトップ向けCPUとしては最上級と言えるパフォーマンスだ。
3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトを使い、CPUとGPUのレンダリング速度を計測した結果が以下のグラフ。
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPに搭載されたCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 5090は、いずれもプロセッサ本来の性能を発揮していると言えるレンダリング速度を記録しており、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが両プロセッサの性能をしっかり引き出していることが分かる。

Blender Benchmark│GPU
Adobeの画像/写真編集系アプリである「Photoshop」と「Lightroom Classic」でのパフォーマンスを計測するUL Procyon「Photo Editing Benchmark」を実行した結果が以下のグラフ。
総合スコアは1万を超える「10,141」を記録しており、サブスコアについてもレタッチで「9,977」、バッチ処理では「10,309」を記録した。スコアとしては十分に優秀と言えるものであり、写真編集作業でも高いパフォーマンスが期待できる。

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」
画像生成AIの「Stable diffusion」でのパフォーマンスを計測するUL Procyon「AI Image Generation Benchmark」では、FP16演算で512×512pxと1024×1024pxの画像を生成したさいのパフォーマンスを計測した。
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが画像1枚を生成するのに要した平均時間は、512×512pxが「0.763秒」で、1024×1024pxが「5.404秒」だった。十分に大容量のVRAMと優れたAI演算性能を備えるGeForce RTX 5090を搭載していることにより、画像生成AIでもMEG Vision X AI 2NVZ9-014JPは抜群のパフォーマンスを発揮した。

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark」│スコア

UL Procyon「AI Image Generation Benchmark」│生成時間
騒音を抑えながらもCPUとGPUを完璧に冷却高付加状態でも中程度のファンスピードで冷しきってしまう優秀な性能
最後に、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPの冷却システムがCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 5090をどの程度冷やせているのか、高負荷テスト中のモニタリングデータを計測して確認してみた。実行したテストはCinebench 2024「CPU (Multi Core)」と「サイバーパンク2077(4K/2160p)」で、計測時の室温は約24℃。
CPUにのみ負荷が生じるCinebench 2024において、CPU温度は平均80.5℃で最大でも88℃を記録。上限の105℃までには十分な余裕を確保できていた。
温度的に余裕があるのはサイバーパンク2077実行中も同様で、CPU温度は平均65.8℃の最大76℃、GPU温度が平均71.6℃の最大73.8℃だった。

Cinebench 2024実行中のモニタリングデータ

サイバーパンク2077実行中のモニタリングデータ
温度上昇によるサーマルスロットリングの作動が無いことで、CPUとGPUは終始安定した動作クロックを維持しており、一貫性の高いパフォーマンスを発揮できている。
素晴らしい冷却性能を実現していると言えるMEG Vision X AI 2NVZ9-014JPの冷却システムだが、冷却ファンの回転数をみるといずれも2,000rpm未満で動作している。流石に無音というほどでは無いが、システム消費電力が800Wを超えるサイバーパンク2077実行中でも中程度のファンスピードで十分な冷却を実現しているのは素晴らしい。

冷却ファンの回転数
最上級の性能を実現する豪華絢爛なウルトラハイエンドPC
MSIのMEG Vision X AI 2NVZ9-014JPは、最新のCPUとGPUが持つ性能を最大限に発揮できる実力と、フロントパネル内蔵モニターを備えるオリジナル筐体のユニークなビジュアルを兼ね備えた、豪華絢爛なウルトラハイエンドPCだ。
PCに対して928,000円というコストは誰もが出せるものでは無いが、その高い完成度は汎用パーツで構築する自作PCやBTO PCでは得難いものだ。まさしく「ウルトラハイエンド」と呼ぶに相応しい1台であると言えよう。
🧠 編集部の感想:
MSIの「MEG Vision X AI」は、価格こそ90万円を超えますが、驚異的な性能と独自のデザインを持ち合わせたPCですね。特に液晶パネル内蔵のスタイルが斬新で、創造的な用途にも対応できるスペックが非常に魅力的です。ハイエンドゲーミングPCとして、その完成度の高さは確実に価格に見合った価値があると思います。
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