金曜日, 5月 16, 2025
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8歳の少年が金属探知機で「19Cの失われた沈没船」を発見!


「歴史的発見は必ずしもプロの研究者から生まれるとは限らない」

そんな事実を8歳の少年ルーカス・アチソン(Lucas Atchison)くんが世界に証明しました。

アチソンくんは2023年(当時8歳)に、カナダ・オンタリオ州の湖畔で、金属探知機を使って散策をしていたところ、地中から船のスパイク(釘)を掘り当てたのです。

調査の結果、この船の残骸は19世紀に消息を絶った帆船「セント・アンソニー号」の可能性があるとのこと。

もしこれが本当にセント・アンソニー号であれば、歴史的に価値の高い発見になるといいます。

 

目次

  • 誕生日プレゼントが歴史を掘り起こす
  • セント・アンソニー号の正体と、今後の予定

誕生日プレゼントが歴史を掘り起こす

アチソンくんは2023年、カナダ最南端のオンタリオあるポイント・ファームズ州立公園家族訪れていした。

この場所はアメリカとの境にあり、五大湖の一つである「ヒューロン湖」が目の前に広がっています。

アチソンくんが手にっては、誕生ばかり金属探知機。

ピクニック気分で、なく砂浜スキャンていそのとき、探知が「ビーッと強い反応立てした。

そこでその場所を掘ってみたところ、つい1スパイク(釘)が見つかったといいます。

一緒に来ていた父親は「ただじゃない?留めせんしたが、アチソンくんず、さらに掘り続けました。

すると今度は、またスパイクそれが打たれた木材が現れたのです。

発掘をするアチソンくん/ Credit: CBC News: The National

事態に、アチソンくんの父親もこれはただではないき、現場管理する州立公園職員報告。

その後、同公園が海洋遺産保護活動っているオンタリオ海洋遺産委員会(OMHC)」連絡しました。

アチソンくんの話OMHC考古学たちは、現場を本格的に発掘するための許可が下りるのを待った後、今年初めについに発掘作業を開始。

すると、何本ものスパイクが打たれた「ダブルフレーム構造」船体一部が出土したのです。

これ通常より頑丈スクーナー船(2マスト帆船)特有構造でした。

調査チームスケッチ写真記録取りながら船体全貌把握現時点では一部しかかっていませんが、これは1856沈没したれる「セント・アンソニー号」である可能性が主張されています。

セント・アンソニー号の正体と、今後の予定

セント・アンソニー号は1856年10月、米国イリノイ州シカゴからヒューロン湖を渡って、ニューヨーク州バッファローへ穀物を輸送している最中に、嵐に遭い消息を絶ちました。

座礁した場所はカナダ・オンタリオ州中西部の都市ゴドリッチの北約6キロ地点とされており、これはアチソンくんが船の残骸を発見した場所と、ほぼ一致します。

船体の一部であることが確認されたフレームには、19世紀当時の船舶保険に記された「スパイクの本数」や「間隔」などの仕様と照らし合わせることで、沈没船の年代や正体を特定できる可能性があります。

こちらはアチソンくんと発掘の様子をまとめた映像。

現在、調査チームは沈没船の図面を作成し、資料と照合する作業を進めています。

今後はデジタルモデリングや3Dスキャンを用いた解析も視野に入れ、船の構造や材質、沈没の原因などを詳しく明らかにしていく予定です。

しかし、これほどの貴重な歴史的遺物でも、自然環境の中では急速に劣化してしまうリスクがあります。

そこでOMHCは、発掘した部分を再び埋め戻し、酸素のない「嫌気性環境」で保存する方針を選びました。

「この方法は完璧ではありませんが、船体の構造を今後50年は保つことができる」と語るのは、海洋考古学者のスカーレット・ジャヌサス氏。

酸素を遮断することで、バクテリアや寄生生物による劣化を防ぐのです。

なお、アチソンくんは今も新しい探知機を手に、別の発見を夢見て活動を続けています。

全ての画像を見る

参考文献

8-year-old kid with a metal detector stumbles upon a 19th century shipwreck
https://www.popsci.com/science/8-year-old-shipwreck-metal-detector-canada/

‘I did not expect to find a shipwreck!’ says boy whose treasure is being excavated
https://www.cbc.ca/news/canada/london/i-did-not-expect-to-find-a-shipwreck-says-boy-whose-treasure-is-being-excavated-1.7531183

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部



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🧠 編集部の感想:
8歳の少年が金属探知機で歴史的な沈没船を発見したことは、驚きと感動を与えます。子どもでもできる探査が大きな成果を生む可能性を示唆しており、未来の探検家たちに胸を躍らせる話です。プロだけではなく、誰もが歴史に関わることができるというメッセージが印象的ですね。

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