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概要
2023年6月4日の米国マーケット情報では、株式市場の動向、経済指標、そして特定企業の決算の内容が報告されています。株式市場は全体としてまちまちの動きを示した一方、ADP民間雇用者数やISMサービス指数が予想を下回る結果となり、今週のNFP(非農業部門雇用者数)の発表が注目されています。
要約
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株式市場の状況
- 米国株式市場はまちまちの動きであり、Dowが-0.22%、S&P500が+0.01%、NASDAQが+0.32%。
- S&P500は3営業日連続で上昇。
- 住宅建設やテクノロジー関連が好調だったが、ドルストアやカジノ、航空会社は不調だった。
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経済指標
- 5月のADP民間雇用者数が予想の130,000人を下回る37,000人。
- 5月のISMサービス指数も縮小領域に入り、最低水準となった。
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トランプ大統領の動向
- 貿易交渉や金利に関する発言が注目されている。
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企業情報
- WFCの株価は資産上限撤廃を受けて上昇。
- CRWDやHPEは決算を発表し、期待したほどの結果に至らなかったケースもあった。
- 今後の注目指標
- 6月6日に発表予定の非農業部門雇用者数や失業率に関するデータに注目が集まっている。
🇺🇸株式市場振り返り
HEADLINE
✅ 米国株式は、乱高下したものの、おおむね静かな水曜日の取引でまちまちの動きとなった
本日の主要なニュースは、弱い経済指標とそれに伴う金利上昇だった。
5月のADP民間雇用者数は予想を大幅に下回り、5月のISMサービス指数は縮小領域に戻った(ただし雇用指数は拡大領域に戻った)。これにより、今週金曜日に発表される5月のNFP(非農業部門雇用者数)に対する注目が高まっている。NFPは、堅調なマクロ経済シナリオを裏付ける追加の硬直的なデータを提供するものと期待されている。 また、トランプ大統領が早期に緩和要請を再表明したことで、FRBへの注目も高まっている。貿易市場では、ホワイトハウスが予告した通り、トランプ大統領と習近平国家主席が今週電話会談を行うかどうかを確認するのを待っている。大きな疑問は、電話会談への期待が過度に高まっている可能性で、特にトランプ大統領が習近平氏との合意は困難で、「TACO」ナラティブに敏感だと述べた点だ。 前向きな点としては、米通商代表部(USTR)がEUとの貿易交渉の進展を強調した。上院での共和党の予算調整法案(SALT、メディケイド、IRA税額控除)の複雑化に関する多くの報道があるが、最終的には可決される見込みだ。CBOが本日、同法案が今後10年間で予算赤字を$2.42兆ドル増加させると指摘したため、広範な財政赤字の影響は引き続き注目されている。
🇺🇸 米国株式はまちまち
🔘 DOW:
– 0.22%
🔘 S&P500:
+ 0.01%
🔘 NASDAQ:
+ 0.32%
🔘 RUSSELL2000:
– 0.21%
◉ S&P 500 は3営業日連続の上昇となり、4月8日の解放記念日後の終値から19.8%上昇した
◉ 好調だったセクターは、住宅建設(金利)、中国テクノロジー、半導体、エンターテインメント、決済、ライフサイエンス、バイオテクノロジー、製薬、銅、一部の化学、不動産などだった
◉ 大手テクノロジー株は概ね上昇し、メタが大幅上昇、テスラが顕著な下落となった
◉ 下回ったセクターには、ドルストア(DLTR)、カジノ、クルーズライン、航空会社、道路・鉄道、エネルギー(原油安)、アパレル、自動車部品、取引所、生活必需品などが含まれた
✅ 🇺🇸経済指標・経済ニュース
◉ 5月ADP民間雇用者数
37,000人で、コンセンサスの130,000人を下回り、2023年3月以来の最低水準となった。前月分も2,000人下方修正され60,000人となった。ただし、賃金上昇率は前月比でほぼ横ばいだった。
金曜日に発表される5月の雇用報告を控えている。
◉ 非農業部門雇用者数
4月の177,000人増を受けて、125,000人増が見込まれている
◉ 失業率
4.2%で横ばいが予想されるが、年間賃金上昇率は6ヶ月連続で減速が見込まれる
◉ 5月ISMサービス指数
予想を下回り、収縮領域に陥り、2022年6月以来の最低水準となった。新規受注はほぼ6ポイント減少し、2022年12月以来の最低水準となった。支払価格はやや上昇し、2022年11月以来の最高水準となった。
ただし、雇用指数は改善し、拡大領域に戻った。
ワシントンでは、トランプ大統領が上院財政委員会メンバーと会談し、調整法案の税制措置について議論する予定だ。
今後の注目点は、木曜日に発表される貿易収支、新規失業保険申請件数、第1四半期最終生産性指数、単位労働コストだ。
✅ Fed Speak
◉ FRBのボスティックとクック
本日朝、新たな発言はなかった。ボスティックは昨日、今年中に利下げは1回のみと述べた。
◉ 5月FOMC議事録
新たな情報はほとんどありませんでした。議事録では、当局者が不確実性の中での慎重なアプローチが適切と述べ、FRBは見通しの明確化を待つ立場にあると指摘しました。また、インフレが持続し労働市場が弱含む場合、困難な政策のトレードオフに直面すると指摘。スタッフは2025年と2026年の成長率を3月予想より鈍化と見込んでいる。議事録のメッセージは、米中貿易摩擦の緩和後も忍耐を強調する最近のFRBの言動と一致し、市場は年末までの金利引き下げ経路が平坦化する方向へ動いた。
🔘 FRB最新ベージュブック (June 2025)
前回の報告以来、経済活動がやや減速したと述べた。 雇用は前回報告からほぼ変化なしだったが、一部では今後価格上昇が加速するとの見方も示された。
◉ パウエルFRB議長の発言にはタカ派的な見方もある。 関税引き上げ幅が予想を大幅に上回ったため、インフレ率の上昇と成長鈍化につながる可能性があると指摘した。 とはいえ、FRBは利上げを検討する前に、より明確な見通しが出るのを待つべきとした。
✅ 🇺🇸企業情報、決算情報
◉ WFC
018年から適用されていた資産上限の正式な撤廃を受けて上昇した
◉ T
サイバーセキュリティインシデントの影響を受けたとの報道がある
◉ BLK
ESG関連活動から撤退したため、テキサスの制限リストから削除された
◉ CRWD
発表内容は概ねポジティブだったが、第1四半期の売上高がやや鈍化し、第2四半期の売上高見通しが据え置かれたこと、通期売上高見通しが変更されなかったこと、発表前の期待が高まっていたことが要因で株価は一時下落した
◉ HPE
2023年度第2四半期は改善、第3四半期見通しは上方修正、通期見通しはまちまちで、発表前の低期待感が一部で指摘されている
◉ DLTR
第1四半期は予想を上回ったが、第2四半期EPS見通しは控えめで、火曜日のDGの追い風を受けてハードバーが引き上げられた
その他 パフォーマンス
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🇺🇸国債: 曲線全体で堅調に推移し、後端の利回りは10~11bp低下した
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ドル・インデックス: 0.4%下落📉
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金: 0.7%上昇📈
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Bitcoin先物: 1.2%下落📉
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WTI原油: 0.9%下落📉し、サウジアラビアがOPEC+の増産拡大を推進する可能性に関する既報が再浮上したことで、前場の上げを消した
今週の🇺🇸経済指標発表
(日本時間)
✅ 6/2(Mon)
22:45★★★ 製造業購買管理者指数 (5月)
🔘結果:52.0 🔘予想:52.3 🔘前回:50.2
23:00★★☆ 建設支出 (前月比) (4月)
🔘結果:-0.4% 🔘予想:0.4% 🔘前回:-0.8%
★★☆ ISM製造業雇用指数 (5月)
🔘結果:46.8 🔘前回:46.5
★★★ ISM製造業購買担当者景気指数 (5月)
🔘結果:48.5 🔘予想:49.3 🔘前回:48.7
同指数は50が拡大と縮小の境目
3カ月連続で縮小。企業が関税引き上げの影響を受ける中、輸入の指数は16年ぶりの低水準
★★☆ ISM製造業価格 (5月)
🔘結果:69.4 🔘予想:70.2 🔘前回:69.8
✅ 6/3(Tue)
23:00★★☆ 製造業新規受注 (前月比) (4月)
🔘結果:-3.7% 🔘予想:-3.1% 🔘前回:3.4%
★★★ JOLTS求職 (4月)
🔘結果:7.391M 🔘予想:7.110M 🔘前回:7.200M
予想外に増加
幅広い業種で拡大し、採用も活発化し経済的な不確実性が高まっているものの、労働者への需要が依然として強いことを示唆
✅ 6/4(Wed)
21:15★★★ ADP非農業部門雇用者数 (5月)
🔘結果:37K 🔘予想:110K 🔘前回:60K
2年ぶりの低い伸びにとどまり、労働需要の軟化が示唆された。ビジネスサービスや教育・保健サービスなど一部分野では雇用が減少
21:30
★★☆ FOMCボスティック委員発言
22:45★★☆ マーケット総合PMI (5月)
🔘結果:53.0 🔘予想:52.1 🔘前回:50.6
★★★ サービス業購買部協会景気指数 (5月)
🔘結果:53.7 🔘予想:52.3 🔘前回:50.8
23:00★★☆ ISM非製造業雇用指数 (5月)
🔘結果:50.7 🔘予想:49.0 🔘前回:49.0
★★★ ISM非製造業指数 (5月)
🔘結果:49.9 🔘予想:52.0 🔘前回:51.6
約1年ぶりに縮小圏に沈んだ。需要の急減が影響した。一方で関税の引き上げが経済全体に波及し、価格の上昇は加速
★★☆ ISM非製造業物価指数 (5月)
🔘結果:68.7 🔘予想:65.1 🔘前回:65.1
✅ 6/5(Thu)
21:30★★☆ 失業保険継続申請件数🔘予想: 🔘前回:1,919K★★★ 失業保険申請件数🔘予想:232K 🔘前回:240K★★☆ 非農業部門生産性 (前期比) (Q1)🔘予想:-0.8% 🔘前回:-0.8%★★☆ 貿易収支 (4月)🔘予想:-120.40B 🔘前回:-140.50B★★☆ 単位労働コスト (前期比) (Q1)🔘予想:5.7% 🔘前回:5.7%
✅ 6/6(Fri)
21:30★★☆ 平均時給(前年比) (前年比) (5月) 🔘予想: 🔘前回:3.8%★★★ 平均時給 (前月比) (5月) 🔘予想:0.3% 🔘前回:0.2%★★★ 非農業部門雇用者数 (5月)🔘予想:130K 🔘前回:177K★★☆ 行動者率 (5月)🔘予想: 🔘前回:62.6%★★☆ 非農業部門民間雇用者数 (5月)🔘予想:110K 🔘前回:167K★★☆ U6 失業率 (5月) 🔘予想: 🔘前回:7.8%★★★ 失業率 (5月)
🔘予想:4.2% 🔘前回:4.2%
決算情報
CRWDとHPEは本日取引終了後に決算を発表する。DLTRは水曜日朝に決算を発表する。FIVEとMDBは水曜日取引終了後に決算を発表する。AIに焦点を当てた今週最も注目されている決算発表の一つであるAVGOは、木曜日取引終了後に発表される。LULUとDOCUも木曜日取引終了後に決算を発表する。
6/2〜6/6 🇺🇸決算スケジュール
earningswhispers.com/calendar注目は6/3 $CRWD6/4 $DLTR $MDB
6/5 $AVGO $LULU
Pick Up Earnings
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予想を上回る利益と売上高を報告
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急成長中のデータセンター事業は前年比73%増を記録
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株価は約3%上昇📈
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