金曜日, 5月 23, 2025
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30歳のトム・クルーズ / 「ア・フュー・グッドメン」すだちくん

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

映画「ア・フュー・グッドメン」は、海軍法務部の弁護士たちが海兵隊の不祥事を捜査する様子を描いた法廷ドラマです。キューバのグァンタナモ海軍基地で発生した発砲事件が発端となり、その背後にある命令の正当性や権限について問いかけるストーリーが展開されます。トム・クルーズ演じるキャフィ中尉が、デミ・ムーア、ジャック・ニコルソン、ケヴィン・ベーコンらと共に、軍の組織や上層部の告発を試みます。

記事の要約

この記事は、「ア・フュー・グッドメン」の魅力を紹介し、その法廷劇としての特性や俳優陣の演技について考察しています。映画が持つテーマ、特に「階級による命令の不当性」と「真実に対する対処の難しさ」が強調され、ジャック・ニコルソンのセリフ「You can’t handle the truth!」の重要性が論じられています。法廷劇が一般的に地味である中、この映画がどのようにして観客を引き込む工夫を施しているかを説明。また、トム・クルーズの今後の役柄への期待も述べています。

30歳のトム・クルーズ / 「ア・フュー・グッドメン」すだちくん

You can’t handle the truth!
(お前では真実に対処できん!)

Colonel Nathan R. Jessep

ここ最近、 の映画の記事といえば、トム・クルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」と、デミ・ムーア主演の映画「サブスタンス」ばかりだ。トム・クルーズとデミ・ムーアの顔写真ばかり眺めているので、1992年の映画「ア・フュー・グッドメン」について書く。海兵隊の不祥事を捜査する海軍法務部の人たちを主人公にした”法廷モノ”の映画である。
なお、人気のあるテレビドラマシリーズ「犯罪捜査官ネイビーファイル」や「NCIS〜ネイビー犯罪捜査班」は、主人公の職業が本作と同じである。「ア・フュー・グッドメン」が大ヒットしたことで発掘されたジャンルだ。

「デイズ・オブ・サンダー」の2年後

このような法廷劇というものはとにかく地味であり、ジョン・グリシャムの小説のようにサービスとしてのドンパチやカーチェイスもないため、ヒットしにくい分野なのだが、本作はなるべく観客が楽しみながら鑑賞できるよう、俳優たちの演技を大袈裟にし、説明的なセリフが多くなっている。これは良い意味での”漫画化”である。みんなに観てもらおうと思えば、全てを単純にせねばならない。
また、著名な俳優を多数起用したことにより、退屈に感じる暇を与えていない。主要な登場人物はトム・クルーズ、デミ・ムーア、ジャック・ニコルソン、ケヴィン・ベーコンである。また、若き日のキーファー・サザーランドや、キューバ・グッディング・ジュニアも出演している。ジャック・ニコルソンは1973年の名作「さらば冬のかもめ」において海軍という組織に疑問を抱く若き兵士を演じていたが、およそ20年後の本作では、海兵隊の大佐という逆の立場を演じることになった。

デミ・ムーアも当時30歳

さて、本作はキューバにあるグァンタナモ海軍基地における発砲事件に端を発した物語であるが、実は劇中では明記されていないものの、ほぼ実話である。脚本家のアーロン・ソーキンがこの実話を基にしたブロードウェイの舞台を執筆し、それを映画のために書き換えたものが「ア・フュー・グッドメン」だ。この映画の根幹には、従うべきではない命令が存在するということ、また、そのような命令を発する者に階級を与えるべきではない、という批判がある。大日本帝国軍においても幾つかの抗命事件あるいは部下の独断が知られているように、階級の高い少数の者によって大勢の部下を動かすのだから、どうしてもその権限がくだらないことにも使われてしまう。いくら士官学校などで教育しようとも、人の性根は変わらないものだ。つまり、「ア・フュー・グッドメン」という言葉は、軍などの組織のトップにいる人こそ、そうであるべきだというメッセージでもある。だから、本作を象徴するようなジェセップ大佐のセリフを冒頭に紹介した。字幕では「おまえに真実は分からん」と訳されていたが、ほぼ誤訳である。英語は大切なことほど、意味が二重になるような掛け言葉(double entendre)にすることが多いので、よく考えて訳さないと観客に本当の意味が伝わらない。ここでジェセップ大佐は handle という単語を使っている。この言葉には「対応/対処する」という意味がある。トム・クルーズ演じるキャフィ中尉に対して、「真実はとてもややこしいのだからお前の手には負えない」と言っている。「分からん」のではない。お前の手に余る、ということだ。また同時に、handle という英単語には「任務/使命を帯びて扱う」という意味もある。この場合、海兵隊大佐であるジェセップが法務部中尉のキャフィに対し「お前の階級では真実に接することはできない」と告げていることになる。つまり、「真実はお前の手に負えない」という意味と「お前の階級で何をほざく」という意図がある発言なので、僕が字幕を付けるとすれば「お前では真実に対処できん」となる。字幕に頼って洋画を観ていると、誤解してしまうことの方が多い。僕はいつも字幕を表示させながら「んなこと言ってねぇよ」と思いながら観ているくらいだ。ともあれ、漫画のように分かりやすく展開させた本作も、このジャック・ニコルソンのセリフが実によく出来た一言だったので、今日でも「映画の名セリフ」として知られている。こういう気の利いたセリフもなく、CGとスタントとドカーン!によって口を開けたままの観客を楽しませるものが「ミッション:インポッシブル」などの”ハリウッド超大作”である。

62歳でも元気なトム・クルーズは、「トップガン」を除けば2004年の映画「コラテラル」での悪役ヴィンセントがとても良かった。くだらないシリーズも終えたことだし、またあのようなシリアスな役をぜひ演じてほしい。



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