2025年3月、トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めていたマイケル・ウォルツ氏が、誤ってメッセンジャーアプリ・Signalのグループチャットに民間人を追加してしまい、極秘の軍事作戦を外部に流出させるという事態が発生しました。ウォルツ氏は5月1日に大統領補佐官を解任され、次期国連大使に指名されることが発表されていますが、これは事実上の更迭とみられています。そんなウォルツ氏が、「Signalのメッセージをアーカイブする非公式アプリ」を使っていたと海外メディアの404 Mediaが報じました。Mike Waltz Accidentally Reveals Obscure App the Government Is Using to Archive Signal Messageshttps://www.404media.co/mike-waltz-accidentally-reveals-obscure-app-the-government-is-using-to-archive-signal-messages/
アメリカは2025年3月15日、紅海で商船襲撃を続けるイエメンの親イラン武装組織「フーシ派」の拠点を爆撃しました。この攻撃が行われる直前の3月11日、ウォルツ氏は月刊誌・The Atlanticの編集長であるであるジェフリー・ゴールドバーグ氏を、誤って政府高官が集まるSignalのグループチャットに招待してしまいました。政府高官らはゴールドバーグ氏の存在に気付かないまま会話をしており、爆撃前日の14日には紅海を巡る情勢や攻撃のタイミングについての相談を行いました。そして15日には、ピート・ヘグセス国防長官が、攻撃目標や配備される兵器、攻撃の順序に関する情報などを投稿したため、ゴールドバーグ氏は半信半疑だったとはいえ、攻撃が発生する前にその事実を知ることができたとのこと。グループチャットで交わされた詳しい会話については、以下の記事を読むとよくわかります。トランプ大統領の側近が誤って極秘の戦争計画をリーク、実際のスクリーンショットも公開される - GIGAZINE
その後、トゥルシー・ギャバード国家情報長官が公聴会で、Signalが政府機関の機器にあらかじめインストールされていることを証言しました。Signalはエンドツーエンドの暗号化を行っている機密性の高いメッセンジャーアプリとされていますが、アメリカ国家安全保障局(NSA)は職員に対し、ロシアのプロフェッショナルハッキンググループがSignalの暗号化を回避する方法を持っていると警告しています。アメリカの情報機関を統括するトップが「政府の機器にはSignalがプリインストールされている」と認める、政府が職員にSignalを使わないよう指示していたにもかかわらず -...