2025年6月26日に小島秀夫監督の最新作『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』が発売されます。比類ないゲーム体験をもたらせてくれた『DEATH STRANDING』の続編とあって期待している方も多いでしょう。『DEATH STRANDING』は冒頭で、とある小説の一節が引用されています。それは小説家、安部公房が書いた短編「なわ」です。“「なわ」は、「棒」とならんで、もっとも古い人間の「道具」の一つだった。”……安部公房と小島監督の“つながり”は確実にあり(『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』で安部公房の影響が強いかはわかりませんが!)、公房作品を読むことは『DEATH STRANDING』を理解する一助になるでしょう。https://www.youtube.com/watch?v=J16-2kFBflYそこで、(木っ端ではありますが)大学院博士課程まで安部公房の研究をしていた筆者が、安部公房とはどういう作家かということを解説していこうというのが本記事の目的です。「研究していた」を言い換えれば「つまんないかもしれないが、間違いだと突っ込まれづらい見解」を持っていたことになります。つまり「安部公房はこう!」と言って「ちゃうやろ!」と言われないことに特化した感じですね。自信を持って言える分、独自性にかけ「なんだかなぁ」と思うことも自分自身あります。しかし安部公房が好きで研究していたので、きっと読んだことのないゲーマーにもオススメはできるはず! 『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』発売まであとわずかではありますが、それまでに「安部公房とはどんな作家だったのか」知るのもいいでしょう。『DEATH STRANDING』に出てくる名著「なわ」をざっくり雑考―絶望と希望、道具と人間の狭間にかかる「繋がり」...