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概要
この記事は、労働者の「燃え尽き感」やその原因、対策について考察しています。特にアメリカでの調査から、88%の労働者が何らかの形で燃え尽き感を感じていることが伝えられています。また、企業が取るべき対策や「仕事の意義」がメンタルヘルスに与える影響についても触れています。
要約
- アメリカの調査によると、88%の労働者が「燃え尽き感」を感じている。
- コンサルティングファームの調査でも48%の労働者がバーンアウトと回答。
- 燃え尽き感の原因として、個人的要因(完璧主義、責任感など)と環境要因(過剰な業務量、評価への不満など)がある。
- サバティカル休暇制度の採用が増えている理由は、働き手の疲れの根本原因を見直すため。
- 労働者の意見として、給与引き上げや職務の明確化、柔軟性が求められている。
- 仕事の意義を感じることがワーク・エンゲージメントやメンタルヘルスの改善に寄与。
- 目指す目標を持つことが「青春」を感じさせ、仕事への情熱を与える。
- 80歳以上の労働者も増加しており、充実感や社会的つながりのために働く人が多い。
- 仕事の捉え方が人生における目的や意義を見出す鍵となる。
- 最後に、単なる100年人生を超え、100年青春時代の生き方を提唱。
vol.1455
88%の労働者が「燃え尽き」実感。
アメリカの履歴書作成サービス「MyPerfectResume」が1200人以上の米国在住労働者を対象にした調査で、そのような実態が明らかになりました。
〈Forbes JAPAN / 2025年5月6日〉
もちろん、この結果が全てではないですが、最近は「静かな退職」など、さまざまなネガティブワードが世界中に広まっている。
実際、コンサルティングファームの「ボストン コンサルティング グループ」が昨年行ったグローバル調査(日本を含む)でも、世界の労働者の48%がバーンアウト(燃え尽き症候群)という結果になっているのです…
一体、なぜこんなにも燃え尽き感を実感している人が多いのか?
燃え尽きないためには、どうしたら良いのか?
今日は、そんなことを考察したいと思います。
サバティカル休暇が増えるワケ
そもそも燃え尽きる原因は何でしょうか?
まず、完璧主義や責任感が強い性格、自己肯定感の低さなどといった個人的要因があるかと思います。
そして、過剰な業務量や、評価への不満、プレッシャー(身の丈以上の仕事)などといった環境要因もある。
そうした要因はビジネスをしている上で付きものではありますが、最近ではサバティカル休暇(一定期間以上勤続した従業員に対して企業が与える長期休暇制度)を採用している企業も増えています。
なぜなら、働き手の疲弊の根本原因を見直すきっかけになるからです。
ちなみに、MyPerfectResumeの調査では
・27%は、給与の引き上げが必要だと回答
・22%は、各人の職務を、より明確にしてほしいと要望
・21%は、柔軟性や自主性をもっと重んじてほしいと述べた
・21%は、昇進が必要だと回答
・20%は、業務負担の軽減を望んだ
という結果に。
そうした根本原因を、しっかりと明らかにしていく。
一方、自分を苦しめていた要因だけに目を向けるだけでは、なかなか働く活力が湧いてこないことも予想されます。
なぜなら、そもそも自分が何のために働いているのかを答えられる人ばかりじゃないからです。
もちろん、基本的には生活のためなのでしょうが、それだけだと苦しいだけのような気もしています…
目指すものがある限り、青春
実際、さまざまな研究から、社会貢献など「仕事の意義」を感じることは、ワーク・エンゲージメント(仕事への前向きな没頭感)を高め、メンタルヘルスの安定やウェルビーイングの向上に寄与することが分かっています。
企業の取り組みを見ても、SOMPOグループでは、社員一人ひとりが「MYパーパス」を持つことを推奨。
それが社員の幸福感ややりがい、エンゲージメントの向上につなげようとしているのです。
以前、元WBC日本代表ヘッドコーチの白井一幸さんから、大谷翔平選手の野球人としての目的について「世界一感動を与える選手」と設定していると聞いたことがあります。
目的を持つと毎日がイキイキする。
建築家の安藤忠雄さんは、大阪梅田のグラングリーン大阪「VS.(ヴイエス)」で開催されている展覧会「安藤忠雄展青春」のインタビューの中で
「ただ単に生きてるというだけではなしに、ひたすら前を向いて生きること。60歳でも70歳でも目標がある限り、それは青春。そう思って100歳まで走り続ける。そのためには知的体力と肉体的な体力、おもしろいことをやろうという心意気が必要」
と語っていらっしゃるのですが、「目指すものがある限り、それは青春」というのは、非常に胸が高鳴ります。
〈Forbes JAPAN / 2025年5月12日〉
さらに、ほかにも
「ここを乗り越えれば、もっと遠くに行ける、違う世界を切り拓けるという希望と好奇心、命がけの覚悟があれば、人は生きていけるし、いつか光も見えてくる」
「希望は感動から生まれる。心の震えが、次の一歩を踏み出す勇気になる。大切なのは、その瞬間を見逃さず、無心で追いかける情熱と覚悟を持つこと、全力を尽くすことだ」
といった仕事、いや人生そのものへの向き合い方を示してくださっている。
超一流のプロフェッショナルの情熱の源泉に少し触れられたような気がしますね😊
アンチエイジングの秘訣は仕事
88%が燃え尽き感を感じているとされる(?)アメリカでも、その話と裏腹に、2022年以降、80歳以上の労働者数は増えている。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2025年5月19日〉
中小企業向けの給与支払い・人事プラットフォーム「ガスト(Gusto)」のシニアエコノミストであるニッチ・トレンパーさんよると、80歳以上の労働者は、教育や医療サービスで雇用されることが最も多いとのこと。
そして、2022年以降の雇用増の大部分は、小売と卸売の分野で生じたものだそうです。
この分野の仕事は、パートタイムの仕事を見つけやすい。
実際、ガストのデータによれば、80歳以上の労働者の85%はパートタイムで雇用されています。
この働くモチベーションについて、ビジネスインサイダーが数十人の80代の方々に聞いたところ
「充実感と社会的なつながりのためだ。お金が必要だから働いているわけではない」
と結論づけています。
インタビューに応じた一人、オフィス向けの新品と中古の家具を販売する会社を経営する83歳のジェイ・クリスフォードさんも
「何歳で退職すべきなのかはわかりません。仕事をしない方がよい人もたくさんいると思います。楽しくないのならね」
と語りながらも、ご自身の仕事を続ける理由は、社会に留まり、職業上の目標や個人の目標を達成し続けるためとのこと。
ビジネスインサイダーに登場する80歳以上の皆さんの話を読んでいると、「アンチエイジングの秘訣は仕事である」と感じます😊
もちろん、それが仕事でなくても良いのですが、人生に目的や意義を見出し、世のため、人のためになっている自分を実感する。
それこそが幸せと思うと、仕事をどう捉えるのかがカギを握ることになるでしょう。
単なる100年人生ではなく、100年青春時代へ。
私の場合、80代になっても働いているとしたら、まだまだ30年以上もある。
今一度、マイパーパスを確認しながら、仕事の喜びを追求してみることにいたします〜
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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