アメリカのシンクタンクであるPew Research Centerが、アメリカの10代の若者とその保護者1391人を対象にオンライン調査を実施した結果を発表しました。その結果、SNSに悪影響があると考える若者が増加した一方で、友人とのつながりや創造性を発揮する場としてポジティブな価値をSNSに見出す若者も増えていることが明らかになりました。

Social Media and Teens’ Mental Health: What Teens and Their Parents Say | Pew Research Center
https://www.pewresearch.org/internet/2025/04/22/teens-social-media-and-mental-health/

Social media is not wholly terrible for teen mental health, study says | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/04/22/social-media-is-not-wholly-terrible-for-teen-mental-health-study-says/

SNSの悪影響についてはすでに周知の通りで、Metaは内部調査で「Instagramは10代の若者にとって有害」と認識していたことが明らかになりました。

Instagramが10代の若者にとって有害だとFacebookは認識し続けていたことが判明 – GIGAZINE


また、元アメリカ公衆衛生局長官も若者のSNS使用のリスクについて勧告を出しています。

SNSは子どもや若者にいい影響も与えるが深刻なリスクをもたらす可能性があるとの報告、公衆衛生局長官が政策立案者・テクノロジー企業に行動を促す – GIGAZINE


今回、Pew Research Centerが2024年9月18日~10月10日に実施した調査では、10代の若者の48%が「SNSは同年代の人々に悪影響を与えている」と回答しており、この数字は2022年に実施した同様の調査の32%から大幅に増加しています。ただし、「SNSが自分自身に対してネガティブな影響を与えている」と回答したのはわずか14%にとどまり、逆に「SNSが自分自身に対してポジティブな影響を与えている」と答えたのは28%でした。

SNSが与える悪影響について、「睡眠への悪影響がある」と答えたのは45%、「生産性への悪影響がある」と答えたのは40%、「メンタルヘルスへの悪影響がある」と答えたのは19%、「学業成績への悪影響がある」と答えたのは22%でした。

さらに使用時間については、10代の若者の45%が「SNSに費やす時間が多すぎる」と自覚しています。2022年の調査では36%だったことから、SNSに時間を奪われていると感じている若者は増えていることになります。加えて、「SNSによって自分の生活に否定的な感情を抱くことがある」と回答した10代の若者は27%、そして31%が「友人たちから取り残されている」という社会的疎外感を覚えたと訴えました。


そして、10代の若者とその保護者でもSNSへの認識に差が見られました。例えば、メンタルヘルスへの悪影響について「非常に懸念している」あるいは「かなり懸念している」と答えたのは、10代の若者が35%だったのに対して、保護者は55%に及びました。保護者は子どもよりもSNSの悪影響を指摘する傾向が強く、メンタルヘルスへの懸念を表明した親の44%がSNSを主な悪影響の要因として挙げています。

一方で、10代の若者の74%が「SNSによって友人の生活の出来事についてより繋がりを感じる」と回答しています。また、「SNSは創造性を表現する場である」と答えたのは63%、「SNSには、大変な時期に自分をサポートしてくれる人々がいる」と答えたのは52%、「SNS上で自分は受け入れられている」と答えたのは52%で、SNSに対してポジティブな印象を述べた若者も少なくありませんでした。この結果は、批判の多いSNSにも若者にとって社会的繋がりや自己表現、支援の場としての重要な役割があることを示しているといえます。


IT系ニュースサイトのTech Crunchは、「アメリカ政府が10代の若者のためにSNS規制法案を可決しようとしている中、今回の調査結果は一部の若者がSNSから良い影響を受けていると考えていることを示している」と指摘しています。

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