水曜日, 5月 28, 2025
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1社目_株式会社kubellを勝手に分析してみた凡人の好奇心

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概要

この記事では、株式会社kubellについての分析が行われている。kubellは旧社名Chatwork株式会社であり、主にビジネスチャットツール「Chatwork」とBPaaS(業務プロセスのクラウド提供)サービスを提供している。記事は同社の事業構成、成長戦略、中期経営計画を分析し、投資の是非についても考察している。

要約

  • 会社概要

    • 社名:株式会社kubell(旧Chatwork)
    • 設立:2004年
    • 従業員数:589名(2024年12月)
    • ミッション:「働くをもっと楽しく、創造的に」
    • 主なサービス:ビジネスチャット「Chatwork」とBPaaS
  • 主力サービス

    • ビジネスチャット「Chatwork」
    • 中小企業向け業務用チャットツール
    • 国内利用社数62万社、解約率0.25%
    • BPaaS
    • 業務をクラウドで代行
    • 勤怠・経理などの非コア業務を代行
  • 事業の因数分解

    • 売上高はSaaSとBPaaSに分かれる
    • 費用は変動費と固定費に分類
  • 中期経営計画

    • 2026年には売上高150億円、営業利益率1〜5%を目指す
    • SaaSドメイン100〜110億円、BPaaSドメイン20〜25億円
  • 投資検討

    • 現在の状況を踏まえ、投資を見送る
    • チャットワークの導入社数62万社が強みではあるが、新たなサービス提供の実績が不足
  • 次回予告
    • 次回は「THECOO株式会社」の分析を予定

1社目_株式会社kubellを勝手に分析してみた凡人の好奇心

凡人の好奇心

1.勝手に会社概要をまとめてみた

  • 社名:株式会社kubell(クベル) 
    ※旧社名:Chatwork株式会社

  • 設立:2004年

  • 従業員数:589名(2024年12月末時点)

  • ミッション:「働くをもっと楽しく、創造的に」

  • 主なサービス:ビジネスチャット「Chatwork」、およびBPaaS(業務プロセスのクラウド提供)

■ 1.主力サービス:ビジネスチャット「Chatwork」

  • 概要:中小企業向けの業務用チャットツール。国内利用社数62万社、ID数約738万の国内最大級

  • 特徴

    • 社外とのやり取りも簡単に可能なUI

    • 長時間使われる「業務の中心」にあるツール

    • 継続利用率が高く、解約率はわずか0.25%

■ 2. 主力サービス:BPaaS(Business Process as a Service)

  • 概要:「業務をそのままクラウドで代行」する新たなサービス領域

  • 特徴

    • SaaSを使いこなせない中小企業の代わりに、業務全体を“まるっと”請け負う

    • チャットでのやり取りを通じて、勤怠・経理・人事・採用・労務などの非コア業務を代行

    • 高効率な業務テンプレートや自動化でスケーラブルに展開可能

2.勝手に事業を因数分解してみた

株式会社kubell2025年12月期 第一四半期決算説明資料を基に作成

~営業利益の構造を数字で読み解く~
ビジネスモデルを「因数分解」して、どこに成長ドライバーがあるのか、どこで利益が削られるのかを見える化してみました。

■ 1.全体像について

営業利益を構成する要素は、ざっくり言うと以下の式に分解できます。

営業利益 = 売上高(収入)− 費用

これをもっと具体的に落とし込むと、こんなふうに分かれます👇

■ 2.売上は「SaaS」と「代行業」に分けて考える

この会社では、2つの主力ビジネスがあります。

  1. SaaS(チャットツール)

  2. Bpass(代行業務サービス)

それぞれの売上は、さらに以下のような数式で表せます。

① SaaS(チャット)の売上

売上 = アカウント数 × ARPU(平均単価)

ここでいう「アカウント数」は、さらにこんな感じで因数分解できます。

  • アカウント数 = 導入社数 × 1社あたり平均アカウント数

  • 導入社数 = 既存契約社数 + 新規契約社数
    − 解約社数

つまり、「導入社数を増やす」または「解約を防ぐ」「価格(ARPU)を上げる」といった複数の打ち手があるわけですね。
※「1社あたりのアカウント数を増やす」は顧客都合部分が大きいため、打ち手からは外しています。

② Bpass(代行業)の売上

売上 = 稼働時間 × 単価

この「稼働時間」もさらに分解できます。

  • 稼働時間 = 導入社数 × 1社あたりの稼働時間

  • 導入社数=Saas利用先+Saas利用なし

SaaSと連携して提供している場合もあるため、

  • SaaS導入社がそのままBpassを導入しているか?

  • それ以外の会社にもBpassを提供できているか?

といったクロスセルの状況も重要な指標になります。

■ 3. 一方、費用は「変動費」と「固定費」に分かれる

  • 変動費:Bpassの人件費やアウトソースコストなど、利用量に比例して増える費用

  • 固定費:社員の人件費やオフィス費用、広告費など、売上に関係なく発生する費用

このあたりを見ていくと、「固定費が重いけど売上が不安定」な赤字体質なのか、それとも「スケールすれば一気に利益が出る」高収益型なのかが見えてきます。

3.勝手に中期経営計画についてまとめてみた

出典:株式会社kubell2025年12月期 第一四半期決算説明資料出典:株式会社kubell2025年12月期 第一四半期決算説明資料出典:株式会社kubell2025年12月期 第一四半期決算説明資料株式会社kubellのIR資料(2022年-2025年)を基に作成

上記、画像を要約すると以下のようにまとめることができます

■ 1. 中期経営方針(2024〜2026年)

  • 最終目標(2026年)
    売上高150億円、営業利益率1〜5%を目標
    ※24/12期:売上高85億円、営業利益率1%

■ 2. 成長戦略の内訳(2026年 売上150億円の構成)

  • SaaSドメイン(オーガニック):
    100〜110億円(24/12期:78億円)

  • BPaaSドメイン(オーガニック):
    20〜25億円(24/12期:7億円)

  • M&A/新規事業(BPaaS中心):
    15〜30億円

■ 3. 中長期の財務ターゲット(高収益性の実現)

  • 高収益体質に向けて:→ マーケティングやセールスの効率化

    → 管理費・研究開発費の適正化を図る方針

4.勝手に中期経営計画について物申してみた

■ 1.Bpaasドメイン(オーガニック)の売上高増加とマーケティングやセールスの効率化は同時に進めることができるのか

Bpaasドメイン売上高は以下のように分解できます(因数分解を参照)。Bpaasドメイン売上高=稼働時間×単価稼働時間=1社あたりの稼働時間×導入社数導入社数=Saas導入社数+Saas導入なし社数一方、売上高を増やすためのS&Mは以下のターゲットの順で大きくなると思います。※S&M:Sales & Marketingの略。営業活動とマーケティング活動にかかる費用を指します。Saas導入なし社数>Saas導入社数>1社あたりの稼働時間つまり、Bpaasを利用している会社が多い、または、Bpaasドメインの顧客の大半はSaas導入社である場合は「Bpaasドメイン(オーガニック)の売上高増加とS&M効率化」は同時に進めることができるということです。

ただ、Bpaasの利用顧客の属性についてはIRで公開されておらず、判断がつかなそうですね、、、

■ 2. M&A/新規事業(BPaaS中心)戦略で30億円はつくれるのか?

まず、この会社は24/12期に1,249百万円の減損損失を計上しております
以下、減損損失の要約になります。

-背景

  • kubellはBPaaS事業を強化するために、2024年4月に新会社「kubellパートナー」を設立。

  • さらに、子会社のミナジンを2025年7月に合併し、kubellパートナーに統合予定。

  • この一連の流れで、グループ全体の事業を再編。

-何を評価したのか?

  • 過去に買収した会社(例:ミナジンやkubellストレージ)にかかったのれん(将来の利益期待分)や設備・システムなどの固定資産の価値を再評価。

結果どうなった?

  • このままでは当初期待した利益が見込めない」と判断し、約12.49億円を「減損損失」として計上しました。

なにがいいたいかというと
「過去のM&Aは当初計画どおりに利益を出せていない」ということです。

中期経営計画には、「Bpaas領域でのM&Aロールアップ戦略による成長の蓋然性が高まったため、M&Aの実施を含んだ財務目標へと修正」と記載がありますが、IR資料からは蓋然性が高まった根拠は読み取れませんでした。

5.勝手に分析結果を踏まえ投資を検討したみた

■ 1.投資検討

上記分析を踏まえ、今回は、、、、

投資を、、、、

しませんでした!!

■ 2.個人的な意見

私は株式会社kubellの強みはなんといっても「チャットワークの導入社数」にあると思います。62万社は日本の中小企業の約1/5に該当します。上記取引先に対して、新たなサービスを提供できている実績やその可能性を数値で示めすことができていれば、投資をしたいと思いました。

今後の事業活動やIR活動に期待したいと思います。

■ 3.次回予告

次回はインフルエンサーマーケティングの「THECOO株式会社」を勝手に分析してみたいと思います。

凡人の好奇心



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