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0177_関税1000億円の逆風と、ソニーの「半導体に賭ける未来」本当の注目点はどこ??こーへい半導体をやさしく解説

🧠 概要:

この記事は、ソニーが直面している「関税1000億円」という逆風と、それに対抗するために賭けている「半導体事業」の将来性について探求しています。

概要

ソニーは、米国の関税強化が2026年3月期の純利益に大きな影響を及ぼすことを報告しましたが、一方で半導体事業の成長を重視しています。特に、イメージセンサー市場でのリーダーシップを生かし、今後も積極的な投資を続ける計画です。また、地域の経済との結びつきにも期待を寄せています。

要約(箇条書き)

  • 主題: ソニーの関税影響と半導体事業の未来。
  • 関税問題: 米国の関税強化が純利益を1,000億円減少させる見込み。
  • 半導体事業の重要性: ソニーは「イメージセンサー」で世界トップシェアを持ち、市場の需要が高まっている。
  • 熊本との関わり: TSMCの工場が創設され、ソニーの半導体生産の基盤となっている。
  • スピンオフ計画の変更: 半導体事業はグループ全体の戦略に不可欠と判断され、分社化は見送られた。
  • 生産戦略の変化: 関税回避のため、アメリカ国内での製造比率を高める動きが見られる。
  • ソニーの成長戦略: ゲーム、映画、音楽、半導体の3本柱で成り立っている。
  • 地域貢献: 地元産業もグローバルな競争力を持つ部分として重要視されている。

この記事は、ソニーが直面する経済的課題と、それに対する企業戦略、さらには地域経済との関係を多角的に示しています。

0177_関税1000億円の逆風と、ソニーの「半導体に賭ける未来」本当の注目点はどこ??こーへい半導体をやさしく解説

こーへい半導体をやさしく解説

2025年5月18日 18:06

こんにちは!こーへい127です。皆様いかがお過ごしでしょうか!

きょうは5月18日の日曜日!最近、仕事に趣味に多忙すぎてバーンアウト君だったので、今日は家族でゆっくり。家の片付けをしてデジタルデトックスをしていました!

さて本日のテーマは「0177_関税1000億円の逆風と、ソニーの「半導体に賭ける未来」です。
先日、ソニーグループの最新決算が発表されました。

この決算から見える半導体事業への影響について考察してみようと思います!

はじめに──“世界のソニー”が直面する2つの課題

ソニーと聞くと、PlayStationやテレビ、ウォークマンのような家電製品を思い浮かべる方も多いかもしれません。かつての「電機メーカー」のイメージはいまや過去のもの。現在のソニーは、ゲームや映画、音楽、金融、そして半導体といった多岐にわたる事業を手がける巨大グループ企業です。

そんなソニーが2026年3月期の業績見通しを発表し、大きな注目を集めました。今回のポイントは2つです。

1つ目は、米国の関税強化によって利益が大きく減る見込みであること。
2つ目は、それでもソニーが今後も力を入れていくと明言した「半導体事業」の方向性です。

熊本で半導体材料の営業をしている私にとって、これらの情報は極めて実感を伴って響きます。
今回は、専門用語をなるべく避けつつ、読者の皆さんにとっても身近な視点から「ソニーの今」と「これからのチャンス」について考えてみたいと思います!

米中摩擦の直撃──関税が利益を1,000億円削る

今回の決算で何より驚きだったのは、「アメリカによる関税強化」が1,000億円ものマイナス要因として計上されたことです。ソニーは2026年3月期の純利益(いわゆる“最終的な儲け”)を9,300億円と見込んでいますが、これが前の年と比べて13%も減る背景には、この関税負担があるのです。

これは、アメリカ市場に製品を売る際に「追加でお金を払わなければならなくなった」ということで、特に北米向けにテレビやカメラなどを多く出荷しているソニーにとっては大きな痛手です。

面白いのは、それでもソニーの株価は決算発表後に4%以上上昇したこと。なぜかというと、関税の影響があっても「中身の稼ぐ力」がしっかりしていたからです。その柱の一つが、今回焦点となる「半導体事業」でした。

半導体ってなに?──あなたのスマホにも、あのCMにも

半導体という言葉、なんとなく耳にしたことはあっても、よくわからないという方がほとんどだと思います。簡単にいうと、電気を制御するための“電子部品”です。スマートフォンやゲーム機、家電製品、自動車に至るまで、現代のあらゆる機械の中で使われている“心臓部”のような存在です。

ソニーが力を入れているのは「イメージセンサー」と呼ばれる半導体です。これは、スマホのカメラなどに使われるもので、「光」を「デジタル情報」に変える役割を持っています。皆さんがスマホで写真を撮ったとき、その鮮明さや色の再現性を支えているのが、このセンサーの性能です。

ソニーはこのイメージセンサーの分野で、世界トップのシェアを持つ企業です。特にiPhoneやXperiaをはじめとする高性能スマホには、ソニー製のセンサーが多く使われています。これがソニーの“稼ぎ頭”の一つとなっているのです。

熊本にも関わる?──現地で見えるソニーの動き

私が働いている熊本では、近年「半導体関連の動き」が急速に活発になっています。その中心にあるのが、世界最大手の半導体製造企業「TSMC(台湾積体電路製造)」が熊本に建設した工場です。そして、このTSMCと深く関わっているのがソニーなのです。

熊本の工場は、ソニーとTSMC、そして日本政府も出資して建てられた「JASM(ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング)」という合弁企業が運営しています。ここでは、ソニーのイメージセンサーに使われる回路部分が作られます。

つまり、ソニーの「世界で戦う半導体」は、熊本からも支えられているのです。私たち材料メーカーが提供している化学薬品なども、この工場で実際に使われており、まさに地元の仕事がグローバルな競争力につながっていると感じています。

それでも分社しない?──半導体スピンオフの行方

実は昨年、ソニーが半導体事業を独立させて株式を公開する「スピンオフ」の可能性が報じられ、大きな話題となりました。

これはつまり、「半導体だけで会社にして、資金を集めやすくする」という考え方です。

しかし今回の決算では、その動きは見送られました。代わりに、10月に金融事業を切り離すことが決まりました。ではなぜ、半導体ではなく金融を手放すのでしょうか。

それは、半導体事業がまだ「グループ全体の戦略にとって非常に重要」だからです。たとえば、ソニーのゲーム機PlayStationに使われるコントローラーのセンサー、VR機器に使われるカメラ、そして映画制作のための高性能撮影機材――これらすべてに半導体の技術が関わっています。コンテンツ(映画・音楽)と機器(ゲーム・カメラ)を融合させるソニーの“垂直統合”の中心に、半導体があるのです。

スピンオフによって資金は得られますが、グループ内の連携が弱まってしまうリスクもある。だからこそ、当面は手放さず、内部で育て続けるという判断なのでしょう。

関税が変える生産の地図──生産はどこでやるべきか?

今回の決算で示された関税の影響は、単なる“数字”の話では終わりません。実際に現場では、「どこで製品を作るのか」という地図が大きく動き始めています。

たとえば、アメリカに輸出すると関税がかかるなら、アメリカ国内での製造比率の引き上げななど、関税を回避する動きが活発化しています。日本国内で作った部品を、アメリカに輸出して組み立てる。またそもそもアメリカに一気通貫に製造する。こうすれば関税を避けられる可能性があるのです。

実際に私たち材料メーカーのところにも、「アメリカ工場の概要を教えて?」「アメリカの半導体製造工場にはできるだけアメリカ国内でのサプライチェーン構築を検討して」といった問い合わせが増えてきています。政治の動きが、企業の生産戦略、ひいては私たちのような半導体材料業者の営業活動にまで影響してくることを、改めて実感しています。

ソニーのこれから──稼ぐ3本柱と変わるグループ戦略

現在のソニーグループは、以下の3つの事業が主な稼ぎ頭となっています。

1つ目はゲーム。PlayStationは世界中にファンを持ち、毎年安定した利益を生み出しています。2つ目は音楽・映画。鬼滅の刃やスパイダーマンといった人気IP(知的財産)を活かし、映像や音楽配信も強化しています。

そして3つ目が、今回注目してきた半導体です。スマホ向けだけでなく、車の自動運転や医療機器など、今後の伸びしろも大きい分野です。

このように、ソニーは「エンタメとテクノロジー」を両輪にして成長する独自の道を歩んでいます。かつての「家電の会社」というイメージを完全に脱し、「世界で勝てるソフトとハードを内製できる企業」へと進化しているのです。

熊本から見える未来──地域とグローバルの接点として

最後に、地元・熊本で半導体材料の営業をしている私の視点からの見解を述べたいと思います!

今回の決算は、単なる“数字”以上のメッセージを含んでいたと感じています。それは、ソニーというグローバル企業が、関税や地政学といった不確実性の中でも、技術とロジックで突破口を見出そうとしていること。そしてその戦略の一角を、私たち地方のものづくり企業が担っているということです。

ソニーがこれからも半導体に投資を続けるなら、熊本の役割もますます重要になるはずです。材料や装置のメーカーとして、私たちもその期待に応えられるよう、一層の提案力と現場力が求められていきます。

関税の1,000億円は確かに重い。けれど、それすらも跳ね返せるだけの技術と意思を、今回のソニーの決算から私は強く感じました!

グローバル企業とローカルの現場がつながる時代において、熊本発の材料が“次のソニー”を支えることを願って、日々の仕事に向き合っています!

皆様、今回の記事はいかがでしたでしょうか?

この記事が少しでも役立ったら、ぜひ「スキ」とフォローをお願いします!

それでは、良い一日を!

こーへい半導体をやさしく解説

熊本在住・文系出身の半導体材料営業歴10年30〜50代のビジネス&子育て世代にもわかりやすく半導体ニュースを解説TSMCやSONYと日々向き合う営業現場で得た一次情報を発信業界の舞台裏や深掘り考察を毎週更新フォローして、半導体最前線の“いま”を一緒に学ぼう!



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