木曜日, 6月 5, 2025
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🎬️『7月4日に生まれて』感想 正しさって何?信じて突き進んだ先に、残ったものとはゆいのめがね

🧠 あらすじと概要:

映画『7月4日に生まれて』あらすじ

映画『7月4日に生まれて』は、トム・クルーズが主演を務める実話に基づいた物語です。主人公ロン・コーヴィックは、ベトナム戦争に志願して参加しますが、戦場で下半身不随となり、帰国することになります。祖国への信頼を持って戦った彼が、戦争の痛みを経験した後に反戦運動の象徴となっていく姿が描かれます。

記事の要約

この記事では、映画『7月4日に生まれて』を通じて、主人公ロンの戦争への信念とその後の苦悩について考察しています。ロンは幼少期からの愛国心を持ち続け、戦争へと向かいますが、帰国後に直面する現実は厳しく、彼の人生は大きく変わります。家族や周囲の反応、そしてロン自身の感情の揺れ動きが描かれており、彼がどのように自己を見失い、また新たな目標を見出していくのかが焦点となっています。最終的には、ロンが自分の声を見つけ、再び自らの生き方を選ぶことで希望を見いだす姿が印象的です。映画を通じて浮かび上がる「正しさ」の意味と、戦争がもたらす痛みについての深いメッセージが伝わってきます。

🎬️『7月4日に生まれて』感想 正しさって何?信じて突き進んだ先に、残ったものとはゆいのめがね

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ゆいのめがね

映画『7月4日に生まれて』トム・クルーズ主演。ベトナム戦争に志願し、下半身不随となって帰還したロン・コーヴィック。祖国を信じて戦った彼が、反戦運動の象徴となるまでの実話を描く。

正しさって何?信じて突き進んだ先に、残ったものとは。

誰のために、何のために、命を賭けて戦場に行ったのか。この映画を観ながら、私は思った。「この男、バカなんじゃないのか?」

いや、すごく失礼な言い方だとは思う。でも正直、それが最初の感想だった。

ロンはまるで病的なまでに“国のため”を信じていた。信念を貫くまっすぐさ、行動力、覚悟。そのすべては確かに立派だし、素晴らしいと思う。たぶん当時の「理想的な男」の姿が、そこにあったんだろう。でも現代に生きる私たちからすると、どうにも共感しきれない。

私なんて「なんで国のために命張らにゃならんのじゃ」くらいに思っている。

戦争映画って、ときどき“わかりあえなさ”に疲れてしまう。
価値観があまりにも違いすぎて、「この時代に生まれなくてよかった…」と、心の底から思ってしまう。

結局のところ、戦争なんて誰も得しない。命を削って、心を壊して、帰ってくる頃にはすべてが手遅れだったりする。

そう思わせるだけの痛みが、この作品には詰まっていた。

ロンは、小さな頃から「やるからにはトップでなければ」と叩き込まれ、愛国心を美徳として育てられてきた。母親の影響も大きかっただろうし、もはや「自分の意志」なのか「刷り込まれた正義」なのか、境目すらわからないように見えた。

でもその“正義”を信じて選んだ戦争が、彼の人生を変えてしまう。

戦場で下半身不随となり、帰国。家族や町の人たちは拍手で迎えるけど、その空気がなんともいえず微妙だった。温かいようで、どこか他人行儀。「おかえり」というより、「ごくろうさま」とか「かわいそうに」みたいな、腫れ物に触れるような目。上っ面のねぎらいの言葉。

私はあの曖昧な空気が、どうにも気持ち悪かった。

そして、ある夜。ロンが両親に怒りをぶつけるシーン。悔しさ、痛み、絶望、自分でも処理しきれない感情が一気に溢れ出していて、見ていてつらかった。自業自得…と言えなくもない。意気揚々と志願して戦争に行ったのは自分なのだから。けど、自分を“そういう人間”に育てたのもまた、家庭や社会だった。だからこそ、誰かを責めずにはいられなかったのかもしれない。

両親だって、息子のこんな姿を見たくて育てたわけじゃない。誰も悪くないところが、余計につらかった。

ロンはその後、自暴自棄になりながらも、やがて反戦運動に身を投じていく。
今度は、かつての自分とは正反対の“正義”を選んで、軍で指揮していたように、反戦運動に参加する人々を引っ張っていく。

たとえ身体も心もボロボロになって絶望しても、“新しい自分”に変わっていける。

自分の声で何かを伝え、自分の生き方を自分で選べたとき、人はもう一度、輝ける。

そんな、最後にはどこか希望のある話だったように思う。



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