ニューヨーク市などへの通勤の足を提供する公共交通機関ニュージャージー(NJ)・トランジットの労働組合が16日にもストライキを開始する構えを見せており、多くの鉄道利用者が足止めを食らう可能性が出ている。
労組「機関士・列車乗務員組合」の広報担当者によると、NJトランジット側との労使交渉は15日午前にニューアークで行われ、全国調停委員会の調停者の立ち会いの下、終日続く見通し。
両者の対立は賃金に関する合意を巡るもので、事情に詳しい関係者によれば、交渉はこれまでのところ難航しており、15日夜遅くまで続く見通し。合意に至らなければ、ニューヨーク時間16日午前0時01分(日本時間同日午後1時01分)にもストが開始される可能性がある。
NJ州での鉄道ストは約40年ぶりとなる。平日には約92万5000回の乗車数があるNJトランジットは、通勤者に対しリモートワークで対応するよう呼びかけている。
ただ、ニューヨーク市では出社を求める企業の動きが強まっている。JPモルガン・チェースは今年、全社員に週5日の出社を義務付けた。シティグループ、アマゾン・ドット・コム、ゴールドマン・サックス・グループ、ブラックロックなども新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)収束後に同様の方針を打ち出している。
一方、医療従事者や教職員など現場での勤務が必要な人々は他の移動手段を模索する可能性が高い。マンハッタンのメモリアル・スローン-ケタリングがんセンターは利用者に対し、ストの可能性について警告した上で、余裕を持った移動時間や代替可能な移動手段の確認、予約の変更を促している。
NJ州のマーフィー知事は「あらゆる選択肢が検討されている」とし、ストが実施された場合には非常事態宣言も視野に入れていると語った。
ニューヨーク市のペンシルベニア駅でニュージャージー・トランジットの列車に乗り込む通勤者(5月5日)
Photographer: Bing Guan/Bloomberg
原題:NYC Commuters Brace for Chaos as NJ Transit Strike Looms (1)、NJ Transit, Rail Union Spar Over Wages as Strike Deadline Nears(抜粋)
(情報を追加して更新します)
🧠 編集部の感想:
ニュージャージー・トランジットの労組がストライキ準備を進めており、ニューヨーク市への通勤に大きな影響が出る可能性があります。特に多くの企業が出社を求める中、通勤者の混乱が懸念されます。労使交渉が難航している状況で、早急な解決が望まれます。
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